カワセミ 翡翠
Kawasemi
Alcedo atthis
European Kingfisher

カワセミ ブッポウソウ目カワセミ科
 翡翠の名を持つ水辺の宝石

   

福山市近辺、大阪府箕面市、横浜市緑区の公園での観察、動画の紹介

 カワセミは「水中へ果敢にダイビングして小魚を捕る美しい鳥」として世間一般にも広く名を知られた野鳥です。その美しさから翡翠(と書いてカワセミと読む)の名をいただいています。背中の青( 緑 )が特に美しいのですが、この色は羽自体に色が付いているのでなく、光線の反射具合で時に青く見えたり緑かかって見えたりするそうです。CDの円盤メディアを斜めに見たときに青っぽく見えるのと同じ原理だとのこと。熱帯の美しい蝶として有名なモルフォ蝶も同じタイプの輝きですね。
 そのように美しいカワセミですから、鳥見の者にとっては憧れの鳥の一つであることは説明するまでもありません。生息数は多くも無く、少なくもなくといったところです。いるところへ行けばおよそ見られるが、どこででも見られるわけではないという感じですね。よくあるのが車に乗って橋の上で信号待ちなどしている時に「おや、こんなところにカワセミが!」と偶然姿を目にするパターンです。もちろん後からカメラを持って舞い戻ってみたところで時既に遅く、もう姿は辺りから消えています。なかなかモヤモヤさせられる鳥さんです。
 結局のところ、探し出すコツなどはあまりませんがアドバイスさせていただくとすれば以下のようなところでしょうか。

1.ベタですが万遍なく川沿い、水沿いをて見て歩きましょう。ただ一度見つけると、川沿いの低い枝にしばらくじっとしているので観察は比較的容易です。
2.飛んで逃げる時は「チーッ!」と鳴くことが多いので声から探すことも可能です。
3.左の動画サムネイルのように飛ぶ姿が青い流れ星の如く非常に目立ちます。不用意に水辺に近づいて、知らずに飛び立たせてしまって後悔することもありますが、後を目で追うのは容易です。水辺沿いに一直線に飛んで逃げ、結構近いところで再び木に止まるので、逃げられてもまだ諦めずに物陰に隠れながらそおっと足を進めてみましょう。
4.川や池沿いに歩いている時、水辺に生えた藪の向こうで「トポン」と小石を投げたような音が聞こえたらカワセミがいる可能性があります。しばらく同じ場所に留まっていることが多いので、見つからないようにそっと横に回って覗いてみましょう。もちろんカエルさんだった可能性も大有りですが。。。

 ふれ愛ランド周辺の池、川回りでも見られますが、年中いつでも見られるわけではなさそうで、私の場合は7~9月の夏場にしか見たことがありません。実感としては一箇所に留まらず、かなり移動が多い鳥なんだと感じます。

 動画を置いておきます。前半は大阪府箕面の滝道にて、中間の葦原部分は笠岡干拓にて、後半の池のものは横浜市緑区の公園内で撮ったものです。後半最初のアップ絵はしたクチバシの赤いのが♀さん、替わって黒いクチバシでチリリリーとないているのが♂くんです。続く池のシーン、せっかくのドボンの音がうまく拾えませんでした。この「ドボン」時に実は「パーン」と水面をたたくような大きな音がします。あんなんで魚がびっくりして逃げないのかとちょっと不思議です。あとラストのドボンで捕ったのは魚でなくエビさんでしたね。スジエビかなんかかと思いますが、少々濁った池の中の透明なエビをよくみつけるものだと感心します。ちなみにスジエビは夜にライトで照らすと目が赤く光るのですぐに見つかります。昔メバルの釣り餌用にによく捕ったものです。

 左上 「カワセミの動画」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。サイズは18MBあります。DL環境にご注意ください。


横浜のカワセミ♂

 最初にカワセミをこのページで紹介して2年間、2013年の正月に箕面の滝で撮った冬のカワセミをアップしていました。ただもとがV1の絵なのでなんとなく透明感が感じられないただのアップ絵だったので、今回差し替えることとしました。そもそもトップ絵のカワセミが同じ日同じ個体の写真だったので、色目を変える方が良いかと。。。
 で、今回のカワセミは横浜の地元緑区で撮ったカワセミくん(♂)です。池のほとりの木陰で休憩しているところを撮りました。横浜に来て自宅周辺の市民の森へ散歩がてらよく出かけますが、結構大きな森の公園にも関わらず、小鳥の数は正直少ないですね。ただカワセミだけはどこにでも一羽くらいはいる印象で、福山にいるときより出会う数が多いです。特に足場のよい公園では「今日こそ少しでもきれいなカワセミを撮ろう」と日参されている方も多いようです。はたして私にもそんな老後が来るのでしょうか。。。

 左中 「横浜のカワセミ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


横浜のカワセミ♀

 2019年の冬、近くの公園にトラツグミを探しにでかけました。この公園は公園とは名がつくものの、歩道などは舗装されておらず、昔からの自然の姿が残された森です。小山の掛け上がりあたりには落ち葉が山ほど積もっていて、小さな川も流れています。いかにも冬の小鳥達がいそうな雰囲気です。しかし、この日はお目当てさんはおらず、代わりに池のカワセミを撮って帰ることとなりました。カワセミはペアでよく鳴いていました。こちらは下クチバシが赤いので♀さんです。女の子だから口紅していると思えば、覚えやすいですね。

 左中 「横浜のカワセミ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


夏のカワセミ

 最後の絵は初めてふれ愛ランドでカワセミを撮った時の絵です。記録日は2009年7月4日ですから、夏真っ盛りな頃の記録です。池の周りを歩いていたら、青い色の何ものかが飛んでいくのが見えました。飛んだ方にゆっくり歩いて姿を探すと、向こう岸の枝の上に止まってくれていました。ラッキー!
 この日は私にとって大変思いで深い日でして、一日のうちに「カワセミを初記録」「ハヤブサを初記録」「コサメビタキ幼鳥を記録」「コゲラをドアップで記録」と良い思いが連続して訪れました。「たぶんこんなラッキーな日はもうこないかも」というくらいの記念日です。いや、もう一回くらい来てくれないかしら。。。

 左下 「夏のカワセミ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。




 (トップ画像 カワセミ 2013/01/02 大阪市箕面の滝上流にて撮影)

 初出:2014/09
 改訂:2016/01/04 動画を再編集
 改訂:2016/11/06 画像と文を入れ替え、動画を再編集
 改訂:2019/01/20 ♀画像を追加
 改訂:2019/01/21 動画を更新