マガモ 真鴨
Magamo
Anas platyrhynchos
Mallard

マガモ カモ目カモ科
 緑(あお)いお顔は通称「青首」
 あひるの野生種でカモ類の代表種
 

   

福山市、横浜市ほか全国での観察について


マガモについて、動画

 マガモは福山近辺ならず、少なくとも西日本では池・川・海場所を問わず年中普通に見られる種だと思います。見分けるのは簡単で、頭から首にかけてが緑色をしていること、これに尽きます。首が緑(あお)いのは♂の特徴ですが、メスを見分ける場合は嘴を見るのが良いと思います。マガモは嘴に薄茶色が混じるのでこれを目印にしましょう。見た目の美しさはやはり ♂ に限りますが、この緑色の光沢が最も美しいのは冬の盛り、一番寒い季節です。お正月を過ぎたくらいからが一番きれいに輝くのは、おそらく春の繁殖に備えてのものなのでしょう。観察するのもこの時期が最も見栄え良く、楽しいと思います。特に朝夕の射光に照らされるシチュエーションが写真に映えます。
 マガモは食しても美味だそうで、これを家禽としたものがいわゆる「アヒル」です。一番有名なアヒル料理はやはり「北京ダック」でしょうか。北京ダックに使われる鴨肉はもちろんアヒルが主ですが、時にはカルガモとの雑種である合鴨が使われたり、カルガモ自体が使われたりすることもあるそうです。ちなみに「ダック」はアヒル=カモ、「グース」はガチョウ=ガンです。ディズニーのドナルド・ダックはアヒルのキャラクターなので元はマガモの親戚だということになります。だからか嘴が黄色いところなどは同じですね。
 私は「この肉はマガモのものだ」と特定していただいたことはありません。ただ狩猟をする親戚から回ってきた「カモ肉」を鍋でいただいたことがあるので、もしかしたらあれはマガモだったのかもしれません。実際、狩猟で捕る鴨類で最も美味なのは「青首」ことこのマガモなのだそうです。このときのお肉が本当に青首=マガモだったのかは今となってはわかりませんが、鴨肉に関してはしっかり灰汁取りをする必要があるものの、鶏肉とは違う濃いお味が美味でした。
 アヒルに関しては台湾や中国に出かけた時、「ダック」と書かれた色々な料理をいただきました。料理としてはローストものや蒸し物が多かったと思います。鶏肉よりやや硬めであっさりした感じです。先に鍋の際は味が濃いと言い、ローストはあっさりと書きましたが、実際そんな風に感じました。味は濃いけれど、脂っこくは無いというイメージです。台湾で一羽を潰した北京ダックを持ち帰りで購入して、ホテルで仲間とたらふくいただいたことがありまして、あれは未だに忘れられないくらいに美味しかった。生涯に残る美味な記憶です。入れ物は薄いアルミ皿とビニール袋でしたが。。。
 野鳥のページなのに対象物を食うことばかり書いて申し訳ありません。私、釣り人且つ釣魚を料理する人でもあるため、生き物の命をいただくことには感謝はしつつも何の罪悪感もなく、動物愛護精神の高い方からは少し違和感があるかもしれませんね。どうかご容赦ください。
 それではマガモの動画を置いておきます。場所は福山市自宅周辺及び笠岡干拓の川です。

 左「マガモの動画」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


マガモ ♂

 ♂ は先に紹介したとおり、緑いお顔が特徴で、他のカモと見間違うことはまずありません。サイズは中型でカルガモサイズです。この絵は笠岡干拓の川で撮っています。距離にして20m程度でしょうか。撮った時間は早朝でまだ陽が浅く、絵の左手が太陽の方向ですので、緑色に輝くのは陽が当たったところのみであることよくがわかります。マガモの緑い顔を写真に撮る場合、逆光にしないのが鉄則ですね。

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マガモ ♀

 このマガモのメスは2002年にD100で撮った古い絵ですが、温かみのある色が出ていて昔からお気に入りの一枚です。撮った場所は福山時代の家のすぐ近所の川でした。D100を買った当時、タダで写真撮り放題なのが嬉しくて、家の近所を散歩しながら手当たり次第に何でも撮っていました。銀塩カメラの頃は300mmの望遠など子供の運動会でしか使うことがありませんでした。しかしD100を買ってから鳥を撮ることに使えると知り、以降サンヨンは手放せないレンズとなりました。このサンヨン、親父の形見で1990年頃の品です。今もV1使用時では動画用として使っています。さすがに今の時代のレンズのような解像感は望むべくもありませんが、V1にセットして動画に使うには丁度良いレンズです。何よりマニュアル操作がし易く安心感があります。末永く大事に使おうと思っています。

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マガモ ♀ の羽ばたき

 マガモ ♀ の羽ばたき絵です。場所は習志野市谷津干潟野鳥センターの観察所にて。3月に入ったのでシマアジでも来ていないかと覗いてみましたが、いつものメンバーしかいなかった。。暖かい日だったからか、マガモやコガモ、ハシビロガモなどがしきりに羽ばたいて水浴び(?)をしていました。
 上の絵で紹介した旧サンヨンは今はほぼ隠居となり、この絵では代わりに昨年入手した新しいpfサンヨン+1.4xで撮っています。軽い、解像感ばっちり、手振れ補正ばっちりですが、作りや手触り感は旧サンヨンの方が満足度高かったですね。。。もう昔には戻れませんが、ちょっと寂しくも感じます。

 左「マガモの飛翔」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


マガモの飛翔

 マガモの飛翔絵です。場所は笠岡干拓の川周辺です。向こうから散歩してくる人が来て、驚いたマガモ達が飛んで逃げるところを撮ることができました。こうやって見ると雌雄共に風切に青い筋が入っていて、同じ種であることがよくわかります。ちなみにこの時5枚ほど連射したのですが、流し撮りしてピントが合ったのはこの一枚のみ。。。せめて1/3くらいの確実性を持ちたいなと思います。修行だ。。。

 左「マガモの飛翔」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


マガモの羽

 マガモ ♀ の羽です。拾ったのは2020年2月8日の早朝、清里の道の駅にある池でのことした。
 この道の駅は、私が清里から北に10分程度の場所にある八ヶ岳のふもと野辺山高原に鳥見にでかけるとき、休憩に寄らせてもらうところです。ここにはマガモが常時数十羽いついていて、利用する者たちに愛嬌を振りまいてくれています。ただ、この日はマガモが皆、橋の下の一か所に隠れていて出てきません。よく見ると凍って氷が張った池にたくさんの羽が散っています。「何かおかしいぞ」と思って周囲を見渡すと、池の向こうに若鷹が。そして足元には餌食となったカモが。。
 写真の羽はこのときやられていた♀のものです。以後何度もこの駅には寄っていますが、幸い一年経った今もカモたちは同程度に数が残っていて、ガーガーと元気に群れて池を泳いでいます。タカはそれ以来見かけていません。なんとかタカの攻撃から免れているのでしょうか。もしもしょっちゅう餌食になっていたならば、すぐに全滅してしまいそうですし、タカはもう他の場所に行ったのかもしれませんね。寄るたびに彼らの安否が気になる私です。
 一番左の大きく曲がったちいさいのは尾羽かな?その右の模様がある大き目の2枚の羽は肩羽かな?茶色一色の細長いものはおそらく三列風切りではないかと思います。

 左「マガモの羽」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


観察データ

場所と回数:福山市25、岡山県14、鳥取県1、大阪府 1、三重県1、滋賀県5、静岡県1、長野県3、石川県2、新潟県4、山梨県4、神奈川県6、千葉県2、栃木県1、茨城県1、宮城県2、山形県1、青森県1、ホノルル 2、計77回。私が行く先ではどこでも大抵みられる水鳥です。川や池、湖沼はもちろん結構荒い外海でも見られます。そもそも出会うことが多すぎてわざわざ撮らないことも多々あり、実際の出会いはここにあるより相当多いと思います。

観察月と回数:
1月7 〇〇〇〇〇〇〇
2月11 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
3月12 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
4月3  〇〇〇
5月2  〇〇
6月2  〇〇
7月0
8月0
9月0
10月10 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
11月14  〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
12月16 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
計77回
夏に北部や高地で繁殖するので、南部では冬鳥です。確かにこうやって書き出してみると、私も7~8月の真夏には観察記録が一つもありませんでした。でも夏も見たことがあるような気がしてなりません。今度の夏はしっかり見て回ろうと思います。



 (トップ画像 マガモ 2015/01/11 D7100 150-600mm/F5.6-6.3 笠岡市にて撮影)


 初出:2015/02/01
 改訂:2018/06/07 文章の校正
 改訂:2021/03/07 羽ばたきと羽の絵を追加、観察データを追加
改訂:2021/08/12 カモ科(水面採餌型種)へのリンクを追加、観察データを更新