オカヨシガモ 丘葦鴨
Okayoshigamo
Anas strepera
Gadwall

オカヨシガモ カモ目カモ科
 モノトーンが基調の
 上品な姿をした中型のカモ
 ちなみに出現数も控えめ

   

福山市近辺での観察


オカヨシガモについて、動画の紹介

 オカヨシガモは例えばマガモやカルガモと比べて、一般にはあまり知られていないカモ類です。先の2種以外でもオナガガモやヒドリガモ、コガモはどこででもよく見られますが、もしもオカヨシガモに出会おうと思えば、かなり探し歩かなくてはならないでしょう。
 福山近辺で私がオカヨシさんを見たことのある場所は未だ三ヶ所のみです。うち二つは池で、一つは川でした。初めて見つけたのは2013年の3月ももう終わりの頃で、芦田川の橋の上から川を覗いたときでした。少し遠めだったので最初カルガモだと思っていましたが、レンズを覗くとなんかちょっと違います。腰のあたりに白いワンポイントが目立って、これは初物っぽいぞとやっと気づいた次第です。その後は笠岡の調整池や駅家町の池などで見ましたが、いずれも数は数羽で二けた以上の群れは見たことがありません。また福山以外では千葉県の谷津干潟(水路だけが海とつながった大きな池状の干潟)でも見ましたので、海水が嫌いだというわけではなさそうです。しかし本格的な海上ではまだ見たことがありません。実際に海にはいないのか、それとも数が少ないのでたまたま海で見たことが無いだけなのか、私にはまだ判断がつきません。このように数は少ないカモですが、エサを取るため上半身を水面下に沈め、お尻を水面上に突き出しては足をばたばたさせる、というユーモラスな姿はお馴染みのマガモ、カルガモ、オナガガモなどと同じですね。

 そんなオカヨシガモの動画です。前半は芦田川撮りました。後半は駅家町の池で撮っています。左「オカヨシガモの動画 福山市内の池にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。



オカヨシガモ ♂

 オカヨシガモの♂はモノトーンチックな姿をしており、見た目に特徴が乏しいカモです。遠めに見るとカルガモなどと見間違い易いので、もしかすると今まで気づかずに「またカルガモかー!」みたいに見逃していることもあったかもしれませんね。しかし近くから見れば顔が全体的に茶色くてカルガモのようににやけた顔をしていませんので、十分判別できると思います。他にも敢えて特徴を挙げるなら、次列風切りの一部に白いマークがあることと、三列風切りが少しだけカールしていることくらいでしょうか。

 左「オカヨシガモ♂ 千葉県谷津干潟にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。



オカヨシガモ ♂♀

 一方♀はこれと言った特徴もなく一様に茶色くて地味で、♂と一緒にいるところを見なければ中々同定に至らないと思います。特にマガモとは非常に良く似ていて区別がつきにくいです。
1.どちらもクチバシが黄色く、上クチバシは黒っぽい。
2.足が橙色 マガモはもう少し赤みが強いけれど水の中だと正直濃い薄いなどよくわからない。
3.顔が全体的に茶色で どちらもは目の後ろに黒っぽい透過線がある。
とどこまでもそっくりさんなのです。羽の模様が微妙に違うと思っていましたが、どうも個体差があって、結局どちらがどちらかわかりません。飛ぶと次列風切の色が白いので、これが緑いマガモと区別できるのですが、水面に浮いて羽がたたまれているときはわからないですね。やっぱり一番簡単なのはカップルでいるところを見ることかな。。。

 オカヨシガモのカップルの絵を置いておきます。左側が♀さんです。左「オカヨシガモのカップル 千葉県谷津干潟にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。



オカヨシガモの飛翔

 最後の一枚は飛翔絵です。オカヨシガモの♂は水面に浮いている姿を見ると、腰というか脇というか、その辺りに白いワンポイントがあるのですが、これは飛んでいるところを見ると次列風切の色だとわかります。はっきりとした白なので遠目で見てもよく目立ちます。
 この絵は駅家町の池で撮りました。このオカヨシさん達を飛ばしてしまったのは私です。ごめんなさい。。というか、この時ハシビロガモとカルガモも一緒に飛ばしてしまいました。重ね重ねごめん。で、彼らはしばし池の上をぐるぐる回ったあと、結局また同じ池に戻って来てくれました。よかった、よかった。

 左「オカヨシガモの飛翔 福山市駅家町の池にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。



観察データ

場所と回数:広島県 6、岡山県 4、琵琶湖湖北 1、長野県安曇野市 1、神奈川県 1、 千葉県 4、計17回。淡水もしくは汽水域で観察しています。完全な海では見たことがありません。川ならゆるやかな流れ、河口ある港湾などにいるので、穏やかな波の場所が好きなのだと思います。大抵小群れ程度までの数で、数十の大きな群れでは見たことがありません。

観察月と回数:

1月3 〇〇〇
2月6 〇〇〇〇〇〇
3月3 〇〇〇
4月0
5月0
6月0
7月0
8月0
9月1 〇
10月0
11月1 〇
12月3 〇〇〇
 計17回

冬鳥です。福山時代、9月にペアで一度見ていますが渡りの途中だったのかもしれません。真冬から春先に見ることが多いです。



 (トップ画像 オカヨシガモ♂の飛翔 2013/03/14 福山市駅家町の池にて撮影)

 初出:2015/04/09
 改訂:2019/12/1 ♂の絵を差し替え
改訂:2021/08/12 カモ科(水面採餌型種)へのリンクを追加、観察データを追加