ヨシガモ 葦鴨
Yoshigamo
Anas falcata
Falcated duck

ヨシガモ カモ目カモ科
緑色の頭と白黒の背中が美しい
割と見られないカモ

   

広島県福山市、福井県坂井市近辺での観察について


ヨシガモとの出会い
 ヨシガモはマガモの仲間ですが、割と数が少なく、出会いもそれほど多くありません。最初の出会いは2013年のお正月に大阪の豊中市にある実家近くの公園の池で、2羽の♀との出会いでした。このときは♀ですから姿も地味で、見ている相手がなんのカモかよく分かっていませんでした。ただくちばしが黒くてマガモでないことくらいはわかり、あとで調べてヨシガモの♀だったと知りました。
 ♂君との出会いは同じ年の暮れ、地元福山市の池でのことでした。やっと緑の帽子を被った♂くんに出会えたというのに、このときは池にびっしりと赤い藻が生えていて、きれいな絵には残せませんでした。
 その後横浜に移ってきてもヨシガモとの出会いはなかなかありません。たまに岸から離れた海辺で米粒な姿を見る程度。初めての出会いからおよそ7年経って、福井県でやっとヨシガモを間近で見ることができました。
 動画前半は福山で藻の中にいるヨシガモ。動画後半は福井県の池で泳ぐヨシガモです。

 左「ヨシガモの動画」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。動画は29MBありますので、ダウンロード環境にご注意ください。


ヨシガモ ♀

 こちらは2013年1月に大阪府豊中市で撮ったヨシガモの♀さんです。最初何のカモかわからず、福山に戻ってからヨシガモだったと気づきました。なんであんな街中の小さい池にいたのだろうとずっと不思議でしたが、あれから8年後の2021年3月に同じ池で同じ色をしたカモを2羽みつけました。カモは確か10年以上は平気で生きているはずなので、同じ個体ではと思いましたが、いくら観察を続けても後ろに顔を隠して寝てばかり。とうとうしっかりとした写真は残せませんでした。また来年行ってみよう。

 左「ヨシガモ ♀」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


ヨシガモ ♂

 ヨシガモの♂くんです。白いのどに黒い首輪がとてもおしゃれです。緑色の頭部の色の付き方が後ろ頭のさらに下まで長く延びていて、これがナポレオン帽を被っているみたいな姿と言われています。また真っ黒なくちばしが細くしゅっとしているので、ちょっと薄味な美男子的なイメージですね。ちなみにヨシガモくんのお顔を正面から見ると思ったより平たいのでびっくりします。こちらはちょっとおさかな的。。また正面から見るとくちばしの上から頭の天辺に向かって赤紫色のラインが入っていることがわかります。ラインは後頭部まで続きます。
 と、言葉では色々説明しましたが、トータル的にみて水面で採餌するカモ類では相当上位にいる美しいカモだと思います。

 左「ヨシガモ ♂」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


ヨシガモ ♂ エクリプス

 最後はエクリプス(繁殖期が終わって地味な姿になった♂くん)から生殖羽になりかけ時点の♂くんです。ちょうど ♀ と ♂ の羽を足して2で割ったみたいな感じです。ぱっとみ ♀ みたいに見えるかもしれませんが、胸が♂生殖羽みたく灰色の細かな模様になっていますし、頬に少し緑色が出始めているので、♀ とは違うことがわかります。

 左「ヨシガモ ♂ エクリプス」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


観察データ

場所と回数:福山市の池5、福山市の海2、大阪府豊中市の池2、福井県坂井市の池1、相模原市の池1、九十九里浜1、都合12回。
 水は淡水/海水どちらでもOKのようですが、なぜか川の記録はありません。「波が嫌いなのかな?」と思いきや、白波が立つ冬の九十九里浜での記録もありますので、私の運なだけの気もします。そもそも観察回数が少ないので、なんとも言えないところですね。観察場所も割と局所的で、「冬ならどこででも」という感じではありません。私からすれば、もしヨシガモがいたら「おっ!これはラッキーな!」的な感じです。

観察月と回数:

1月2 〇〇
2月0
3月1 〇
4月2 〇〇
5月0
6月0
7月0
8月0
9月0
10月0
11月3 〇〇〇
12月4 〇〇〇〇
都合12回
冬鳥です。春先まで見られます。4月はどちらも中旬、海辺での観察なので、北上する渡りの途中だったのかもしれません。



 (トップ画像 ヨシガモ♂ 2020/11/22 福井県坂井市周辺にて撮影 D500 500mm / F4.0 + 1.4x)


 初出:2021/07/04
改訂:2021/08/11 カモ科(水面採餌型種)へのリンクを追加