メジロ 目白
Mejiro
Zosterops japonicus
Japanese White-eye

メジロ スズメ目メジロ科
 人懐っこい小さな緑の鳥
  英語名もそのまんま「目-白」

   

福山市、横浜市、三宅島での観察

 メジロは街の公園でも見られるごく一般的な野鳥です。もちろんスズメほど人に近い訳ではなく、野鳥を探そうとする意識がないと簡単には目にすることがありませんが、里山なら人の居住地でも普通に見られる最も身近な野鳥の一つです。福山市近辺であればどこであっても、山にさえ入ればまず確実に見られました。関東に越してきても、メジロは安定して近場で見られる小鳥です。横浜市にある我が家の庭でも見たことがありますし、近くの里山公園に行けばまず確実に観察できます。
 山や公園でメジロを探す場合、まず「チーチー」と「チュルルチュルル」いう2つの鳴き声を覚えておきましょう。メジロは大抵小さな群れで行動しますので、「チーチー・チュルル」と鳴く声が聞こえたら頭上を見渡してみてください。いつもせわしくて落ち着きのない(失礼)小鳥なので、頭上を移動していくたくさんのシルエットが見られると思います。
 先に落ち着きが無いと書きましたが、メジロはおよそ一所にじっとしていることがありません。見つけるのは簡単だけれど、絵に残すのは難しい小鳥です。そんなメジロをしっかり絵に残そうと思うならば、春に梅や桜の蜜を吸いに来るところが一番のチャンスとなります。メジロは蜜を吸うのに一生懸命で結構その場に居つきますし、何よりバックに花が添えられた絵となり、一石二鳥のチャンスとなります。ただし蜜を吸いながらでもごそごそとよく動くので、写真を撮るときは出来るだけシャッタースピードを上げる方が良いと思います。

 メジロの動画を置いておきます。桜の咲く春から始まります。少しさえずりも聞こえます。初夏の羽繕いの絵はホトトギスの声のバックでチリチリチリッ!きつめの声で鳴いているのがメジロの地鳴きです。コオロギがなく秋の絵、枯れ枝の中の冬の絵で季節は終わり。最後に後ろでタネコマドリやイイジマムシクイの声が聞こえる絵は番外編で5月の三宅島のもの。画面が忙しくて少しわかりにくいかもしれませんが伊豆諸島固有の亜種シチトウメジロです。本土のメジロより少し大型っぽく、くちばしが太長いのがわかりますでしょうか。

 左「メジロの動画」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


メジロ スローモーション  
 上の動画を選別している時、メジロのスローモーション動画が見つかりました。普通に飛び去る場面のみですが記念に置いておきます。

 左「メジロのスローモーション動画」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


メジロの木のメジロ、メジロに木から落ちたメジロの巣

 福山でホームポジションにしていた山中の公園を長年歩いていますと、森の中に「メジロの木」があることを知るに至りました。と言っても、もちろんそんな名前の木があるわけではありません。定期的に散歩しているとと「いつもそこにメジロがいる不思議な木」があることに気づいたのです。
 公園では他に「ヤマガラの木」もあれば「マヒワの木」もあります。これらの木は実のなる季節にその実が好きな鳥が寄って来る木なので、当たり前と言えば当たり前です。ところが「メジロの木」には別にメジロが好きそうな実が一杯生っているわけでありません。でも確かにその木にはほぼ年中メジロが居ついているのです。
 この「メジロの木」、冬でも葉が落ちない木なので、メジロはいつも葉の陰に隠れていて、鳴き声でしかその存在を掴めません。もしそこでメジロの姿が見えたとしても、偶然葉陰から身体の一部がちらりと見えるだけです。そういう場所がメジロにとって居心地が良い場所なのでしょう。
 年中葉が茂っている木なので、私はこの木を小雨や雪が降って来た時の一時避難所としてよく利用しています。するといつも頭上からメジロのチーチー声が聞こえてくるわけです。「おまえら頭にふん落とすなよ」とか思いながらも、私はこの「メジロの木」の下に佇むことを毎度楽しみにさせてもらっています。そういえばもう数年前ものこと、この木にキクイタダキが群れていたことがあり、あの時はメジロもいて、もうとてもとても忙しい木でありました。あの楽しかったひと時は、今も忘れることができません。
 たまたま葉陰からメジロが姿を現してくれた絵が一枚あったので置いておきます。
 大した絵でないのでサムネイルだけですが、ある日「メジロの木」の下に落ちていたメジロの巣らしき巣カゴです。ネットでメジロの巣を調べても、同じような巣カゴが出てくるので、おそらくメジロの木から落ちたメジロの巣です。やはりこの木は繁殖場所だったようですね。森の中とはいえ、遊歩道の分岐点にあったので、あまり人の気配は気にしていなかったようですね。

 左「メジロの木のメジロ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。「メジロの巣」はサムネイルのみです。


桜とメジロ

 前回のページ改訂では、笠岡で撮ったサザンカの蜜を吸うメジロの絵を飾っておりました。しかしサザンカがバックでは色が濃くて葉も密なため、淡い色をしたメジロが少し色負けており、絵としてちょっと不満がありました。「やはりメジロは梅と相性が良いよな」とか思っていたのですが、2015年の3月は家庭の事情で鳥見の時間があまり取れず、結局不発に終わります。「また来年かな」とか思っていたら、偶然出先の地で桜の蜜を吸うメジロと出会うことができました。前回のサザンカよりは淡い絵となり、メジロが多少目立つ絵が撮れたので差し替えることとしました。でもやっぱりメジロは梅な気がします。結局来年までお預けですね。

 左「桜とメジロ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


飛ぶメジロ

 メジロは葉の色に同化してカモフラージュしています。上にサザンカの葉が濃くてメジロが淡くて負けると書きましたが、「同じような色で溶け込んでしまうために目立たない」と書く方が正しいかもしれません。そんなシチュエーションの一枚を置いておきます。

 左「飛ぶメジロ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


福山のメジロ

 メジロを撮り始めて10年以上経ちますが、長くまともな全身写真を撮れたことがありませんでした。この日福山市内の少々山中の集落近辺を散策していたら、たまたま目と鼻の先の民家の庭先にメジロが飛んで来てサービスしてくれました。植えられた椿の蜜を吸って満足したところかな。

 左「福山のメジロ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


シチトウメジロ

 2021年5月、東京都三宅島へ鳥見に出かけました。ウチヤマセンニュウ探しで草原を観察していたところ、近くにメジロがやってきました。当地のメジロは亜種シチトウメジロと言います。冬場は本土のメジロも混じるのだそうですが、繁殖期には本土に戻るのでしょうから、亜種は守られているのでしょうか。この絵のものは5月なのでおそらくシチトウメジロで間違いありません。
 ちなみに本土のメジロとシチトウメジロの違いは
 1.本土のメジロに比べてシチトウメジロはくちばしが太くて長い。体もやや大きい
 2.本土のメジロに比べてシチトウメジロは脇の色目が赤みが抜けてより白っぽい(薄いグレー)。
 などの違いがあります。ただ鳴き声は同じだし、サイズも平均してみれば微妙に大きいだけなので、遠目ではいつものメジロです。
 ちなみに伊豆諸島では色んなポピュラーな種で亜種が多く、シチトウメジロの他に、オーストンヤマガラ、タネコマドリ、シチトウカワラヒワ、モスケミソサザイ、ミヤケコゲラなどがいるとのことでした。私は全ては見られませんでしたが、それでも4亜種は記録でき、よい鳥見になりました。


 左「シチトウメジロ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。

ハワイのメジロ

 2019年4月にハワイのオアフで撮ったメジロ。場所はこの木なんの木のあるモアナルアガーデン内でした。ハワイの野鳥の図鑑には、このメジロは日本から1929年にオアフに持ち込まれたとありますので、日本の基亜種と同じと思われます。100年そこらでは生活環境が激変しても姿かたちは同じなものですね。当たり前か。


 左「ハワイのメジロ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


観察データ

場所と回数:鹿児島県 1、広島県 53、岡山県 5、大阪府 2、長野県 1、山梨県 3、神奈川県 16、東京都 1、千葉県 3、ハワイオアフ島 1、計86回。低山で見るのが一番多いですが、都市部の公園やその付近の住宅地でも見られます。また海沿いの生垣などでも見られたりするので、ほぼどこでも見られるもっともポピュラーな野鳥です。

観察月と回数:

1月17 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
2月11 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
3月4  〇〇〇〇
4月6  〇〇〇〇〇〇
5月4  〇〇〇〇
6月4  〇〇〇〇
7月4  〇〇〇〇
8月4  〇〇〇〇
9月6  〇〇〇〇〇〇
10月6  〇〇〇〇〇〇
11月4  〇〇〇〇
12月16 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
計86回

 留鳥です。冬場に見るのが多いのは単純に鳥見の回数が多いからだと思います。


トップ画像について

 付近でメジロを見る機会がありましたら、庭の木にオレンジやミカンなど甘い果実を挿してみるのも良いかもしれません。私も福山に居たころやってみたことがありまして、その日のうちに簡単にメジロを寄せることが出来ました。我が家から50mほどのところに雑木林の茂った小山があるので、たぶんそこからやって来たのだと思います。ただ普通に暮らしている分にはメジロを庭の木で見ることはありませんでしたから、庭にオレンジを刺したからといってそんなに簡単にメジロがやって来るものだとは想像しておらず、あっさりメジロが現れたことにはかなりびっくりしました。ちなみにその後ですが、継続して世話をしてやれそうにないので、以来餌やりはしていません。一応バードフィーダーみたいな台も作ってみましたが、その後はオブジェ化してしまいました。今横浜に来て、庭でたまにメジロやシジュウカラを見かけます。隠居にでもなったら、またバードフィーダーでも置いてみようと思います。


 (トップ画像 メジロ 2003/03/23 D100 300mm/F4 福山時代の自宅庭にて撮影)

 初出:2014/10/18
 改訂:2015/01/12 サザンカの蜜を吸う絵を追加
 改訂:2015/03/25 桜の蜜を吸う絵に差し替え
 改訂:2015/04/05 飛ぶメジロとアップ画像を追加
 改訂:2022/02/05 シチトウメジロとメジロの巣、ハワイのメジロを追加、観察データを追加、動画を更新