日本の野鳥 索引 「く~こ」
Japanese Wild Birds
The initial of a Japanese name "ku-ko"
「け」 渓流・渓谷の野鳥について

 

各メニューでは始まりの頭文字に合わせて野鳥観察に関するトピックをお話しします。

  

渓流・渓谷の野鳥について

 そもそも渓流と清流の違いをどこで引くかは明確でありませんが、ここでは水の流れが岩などで途中断ち切られながら進むような、山深い渓谷沿いの川を渓流と呼ぶこととします。

 福山市近辺の渓流・渓谷というと福山市の山野峡と府中市の河佐峡が有名所です。 規模としては山野峡の方がずっと大きく、地形も複雑です。 どちらの地域でどの辺りという特定はあえてしませんが、上記地域で見られる野鳥として、カワガラス、ミソサザイ、ヤマセミ、カワセミ、キセキレイ、オシドリ、カワウ、オオルリなどが上げられます。 中でもカワガラスは渓流のように大きな岩がごろごろした川でしか見ることができない一風変わった鳥です。 サイズはツグミサイズとやや大きめで、色は名前の指す通り黒っぽいこげ茶色をした割と見つけやすい鳥なのですが、非常に警戒心の強い鳥なので、物陰からそおっと覗いて気付かれないように探すしかありません。 小さな滝のような結構激しい水流の中に、岩の上から平気で「ドボン」と飛び降りて潜っていく勇敢な(?)鳥です。 また上記渓谷沿いの森の中ではシジュウカラを筆頭としたカラ類はもちろん、キビタキ、サンコウチョウ、コサメビタキ、アオジ、ホオジロ、メジロ、ウグイス、ツバメ、イワツバメなどの他、場所は限られますが希少種であるブッポウソウにも出会えるかもしれません。

 私は車に雪タイヤを用意していないもので、真冬の間は凍結の多いこの地域へあまり出かけることがありません。 そんなもので、先に紹介した鳥達も夏場に見られるものが多くなっています。夏に周りが開けた土地に行くと「暑いばかりで何の成果も無し」となることが多く、真夏は鳥見をさぼりがちです。 そんなげんなりする酷暑の時期、早朝の渓流沿いであれば比較的涼やかであるので、夏の鳥見には一等お勧めの場所と言えます。


(トップ画像 ケリの親子 2013/11/10 福山市神辺町にて撮影)