日本の野鳥 索引 「は~ひ」
Japanese Wild Birds
The initial of a Japanese name "ha-hi"
「は」「バイクで鳥見」、「羽の収集」、「ひ」 飛翔写真について

 

各メニューでは始まりの頭文字に合わせて野鳥観察に関するトピックをお話しします。




バイクでの鳥見

 2023年に住環境を変えたタイミングで四輪の愛車を手放し、鳥見の足はバイク一本となりました。
 2021年からは高速も乗れる155ccのスクーターを買ったこともあり、車と並行してバイクであちこち行くことが増えていましたが、2023年春に車を手放したこともあって、この秋に高速移動に余裕のある250ccのバイク(スクーター)に変えました。

 鳥見は基本的に雨の中では行わないため、大抵の場合はバイクでことが済みます。そもそも特に海沿い川沿いで鳥見するときは、バイクの方が道端で止める場所を得やすく、駐車場の問題で過去に車では行けなかった場所にも躊躇なく行けるようになりました。155cc時代から日帰り500kmくらいまでは普通に走っていたので、250ccになってもう少し行動範囲も広がりそうです。今までバイクでは行けなかった日本海、東北方面へも足を延ばしたいです。






羽の収集(収拾)について

 美しい羽を持つ鳥は多いですが、フィールドで野鳥の羽を見つけるのは思う以上に難しいものです。鳥の羽の収集の仕方を紹介する本などを図書館で借りて読んだこともありますが、実際フィールドに出れば膨大な落ち葉に埋もれた足元しか見えず、「鳥の羽を手に入れることはそんなに容易でないぞ」と感じたものです。そんなもので収拾行為そのものに魅かれることは当分ありませんでした。
 そもそも鳥見にでかけている時は目線が上方向を向いていることが多く、足もとをしげしげと眺めること自体がまずありません。鳥の羽に縁が無くて当たり前です。そんな私が初めて鳥の羽を拾ったのは佐賀県の有明海にある大授搦という干潟に出向いた時のことでした。ここの海岸線にはシチメンソウという塩生植物が自生しています。秋の紅葉が綺麗なのだそうですが、私が訪れた年末は既に冬枯れして茶色くなっていました。しかし枯れても役に立つことがあるものです。そのシチメンソウの枯れ枝に色々な水鳥の羽がうまく引っかかって残っているのを見つけ、比較的容易に鳥の羽を拾うことができたのです。吹き付ける風に負けず、羽を保持していてくれた枯れ枝さんに感謝。拾った羽をあらためて見つめると、思っていた以上にとても美しい。幾何学的で繊細な模様はまるで高級織物のような出来栄えです。また柔らかな感触が見る人の心を落ち着かせます。羽の収集に初めて興味が湧いた瞬間でした。家に帰ってから、羽の落とし主を同定するために「羽- 原寸大写真図鑑」

羽 原寸大写真図鑑

(文一総合出版 \18,000_)  
を購入し、羽集めの準備も整いました。羽図鑑はお値段はしましたが、圧倒的な情報量でお気に入りの一冊です。

 その後、真冬の福山市山野峡を歩いている時、舗装された道端に鳥の羽が散乱していることに気づきました。結構な量が散らばっていたので、足元を意識せずともしっかりと目に入り、とてもラッキーでした。おそらくハイタカかなにかにやられたのだと思います。拾った場所でその日見た鳥にカケスがいたので、「羽のサイズ的にももしかしてカケスの羽ゲットした?」と喜んで家に帰ったのですが、図鑑に照らし合わせた結果、今回の落とし主はどうやらまだ生きている姿そのものさえ見たことが無いトラツグミのものだとわかりました。特徴的な羽模様ですし、枚数がそれなりにあったので、図鑑で調べた結果にはまず間違いがなさそうです。これに味をしめて、以後は上を向くだけでなく、意識して足元も気にして歩くようになりました。同じ年の間には、別の場所で同じようなパターンに出くわし、少しずつ足元作戦の成果が出はじめてきます。そして慣れてきたからなのか、今回は羽がアオバトのものだとその場でわかることもできました。その日同じ場所でたくさんのアオバトを見ており、羽のサイズや色からも合点がいきます。ただ、拾うには多すぎるくらいに周囲に羽が散乱していて、ちょっと生々しかったですね。自然って厳しいんだとあらためて思わされました。

 拾った羽は、ポリ袋に入れて持ち帰り、帰ったらすぐに軽く石鹸水で洗ってドライヤーで乾かします。形を整えたら記念撮影してからファイルに保存します。ファイルはポケットフィルムタイプの空気に触れにくいタイプのもの入れて、更にプラスチックケースに入れてあります。何故二重にするかと言いますと、プラスチックケースに人形用の虫除けを入れておくからです。直接羽に虫除けを触れさすと変色とかが怖いので、遠回りに効くようにしています。保存方法が悪いと虫に食われるそうなので、気を付けましょう。また冬場は鳥インフルなどもありますから、特に拾う際は羽を素手で触らないようにしましょうね。(私はナイロン袋を手袋代わりにして拾っています)保存作業のあとは手洗いうがいも忘れずに。

 鳥の羽を拾うなら晴天が続いている冬場の朝に出かけるのがが良いと思います。羽の状態が良いですし、山や平地なら猛禽の出る場所がおすすめです。あとは海沿いですね。海沿いの公園などではトビの羽などが拾いやすいと思います。「トンビ」などとバカにしてはいけません。羽は鷹羽模様でカッコイイですよ。






飛翔写真について

 鳥を撮る者にとって、最も難しい絵は飛翔写真であると思います。 鳥は飛ぶからこそ「鳥」と呼べるものであって、どんな鳥でも羽を大きく広げて飛翔する姿はとても美しいものです。なので飛翔写真は鳥を写す者なら誰もが是非撮ってみたい絵である一方、その被写体の素早い動きから(時間を止めて)撮るのが最も難しい絵でもあるわけです。

 飛翔する様をきちんと絵に留めるには色々な条件があります。
1.シャッター速度が速いこと。
少なくとも1/1000 秒以下としたいところです。
2.逆光にならない位置で撮ること。
鳥を見上げて空がバックだと逆光のシチュエーションになり易く、せっかく撮っても羽の模様が浮き出てくれません。
3.鳥を追うためにファインダーが付いたカメラを使えること。
絵の伝達に時間的遅れが無い光学ファインダーが最良ですが、表示の早い液晶ファインダーでも構いません。カメラボディ背面の液晶で飛ぶ鳥を追うのはあまり現実的でありません。

 そんなことに気を使いながら、弊Webでも少しずつ飛翔写真を増やしつつあるところです。ここ「は~ひ」の紹介文の中で例を挙げるなら、ハシビロガモやハマシギのページのものを見ていただければと思います。

 正直なところ、私には上手な飛翔写真を撮れるだけの腕がありません。本当は流し撮りしながら、もっと低いシャッタースピードで撮る方が、翼の動きなどが力強く表現できるのですが、私がそれやるとぶれぶれ写真の量産にしかならないのが辛いところです。また腕が無い分、素早く確かなオートフォーカスなど最新のカメラ・レンズ機能に頼りたいところですが、残念ながら先立つものもありませんので、よく迷うオートフォーカスで数打つか、いっそマニュアルフォーカスで合わせるかで気合を入れて頑張るしかありません。多くは徒労に終わりますが、万が一の可能性にかける「下手な鉄砲作戦」で、今も修行中です。

 それとは別に、木の枝などに止まっている鳥の姿を固定視点にて動画撮影していると、丁度飛び立つ瞬間を記録できることがよくあります。撮影フレームからすぐに飛び出してしまうので、本格的な飛翔写真にはなりませんが、羽を広げたところ程度までは撮ることができます。それまで閉じて見られなかった羽の模様をしっかり観察できるので、ちょっと得した気分になります。幣web内で紹介してある羽を広げた山の小鳥の写真は、たいていこのパターンで動画から切り取ったものです。

(トップ画像 ヒバリ 2015/06/14 笠岡市笠岡干拓周辺にて撮影)
 2015/12/19 改訂 羽のトピックスを追加