モズ 百舌
Suzume
Lanius bucephalus
Bull-headed shrike

モズ スズメ目モズ科
 人家近くで冬にけたたましく鳴く
 通称「小さな猛禽」

   

福山市、横浜市近辺での観察について


モズの動画

 モズと言えば、「はやにえ」と「小さな猛禽」という二つのフレーズが有名です。「はやにえ」とは冬が本格的に訪れる前にモズがカエルやトカゲ、バッタなどを捕まえて、木の枝に串刺しにしておく行為のことです。この「はやにえ」、一説には「冬の保存食のためでは」と長く言われてきました。しかし福山の我が家の生垣でみた「はやにえ」は、一冬越してもモズが食べに帰ってくる気配はなく、結局のところそのまま小さく干からびてしまいました。近頃では「モズは足の力がさほど強くないため、足指で押さえる代わりに枝に獲物を刺して固定して食べていたけれど、途中で満腹になったか邪魔者が近づいてきたのでそのまま残しただけのもの」のようなことではないか、という説も強くなっているようです。ということで、「はやにえ」については結局のところ確かなことは未だわかっていないようです。
 私は直接見たことがありませんが、モズは同程度の大きさの小鳥を狩るのだそうです。そんなもので「小さな猛禽」というあだ名がつけられています。モズはおよそいつも、木のてっぺんや家のアンテナなど周囲を見渡せる見通しの良い高い場所にいます。おそらく狩りをする相手を探しているのでしょうね。しかし、モズはそのような目立つ場所で「キキキキキキーッ!」と大きなよく響く声で鳴き叫ぶのです。「これって自分で獲物に「逃げろー!」ってサインを出しているのと同じじゃないの?」とか思ったりして、ちょっとよくわからないモズ君であります。

 モズの動画を紹介します。前半は♂、後半は♀。最初の場面は横浜の自宅近くのもの、中ほどのアップ絵は茨城県稲敷市の浮島にて、それ以外は福山市芦田川や笠岡干拓で撮ったものです。左「モズの動画」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。ファイルは23MBありますのでDL環境にご注意ください。


モズ♂

 2021年4月初旬、千葉-茨城の日帰り観察ドライブにでかけました。朝は千葉で水鳥、海鳥の観察をして午後は霞ヶ浦周辺で芦原や田んぼ回りの鳥を観察します。前半では飛びものを撮るためにD500の最低シャッター速度を高め(1/2000)に設定しておりましたところ、午後もそのまま撮り始めてしまい、後で気づいたときはかなりゲインが高い状態になっていました。この絵などはISO値5600まで上がっていたものの、絵的にはまだ十分見れるレベルで、15年前のD200の頃とは全く別次元の高感度耐性だなと感心してしまいます。ちょっとバックの暗いところの目が荒いくらいでしょうか。とはいえ、機械がバックアップしてくれるので助かりましたが、この手の失敗はいつもやらかすことなので、場所を変えたら適正設定をきちんと見直ししなくっちゃいけませんね。反省。
 ちなみに午前中海や空をバックに飛んでいる鳥を撮った記録はSS 1/2000でISOは640~1600くらいまでに収まっていました。ここまではほぼ予定通り。午後のようなバックが草木の場所では通常は最低SS設定を1/320くらいまで落として使っています。日中だと曇りでもこれでだいたいISO3200くらいまでで収まります。ただあまりISOを気にしてスローシャッターでやっていると、いろんなチャンスを逃がしたりするので、最近は昔ほど気にしなくなっているのも確かですね。特に暗い森の中などは開き直って高ゲインで撮ることも多いです。

 左「モズ♂」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


モズ♀

 2006年の秋、まだ鳥見を本格的に初める前の頃に撮ったモズの写真です。丁度カメラをD100からD200に替えた頃で、家の近くで色々試しに撮っていた中の一枚です。目の周りの過眼線が黒くないのでメスさんだとおもいます。目はくりっとしていて可愛いのに、鋭く尖りつつ曲がった嘴はやはり迫力があります。

 左「モズ♀」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


観察データ

場所と回数:佐賀県1、広島県10、岡山県8、滋賀県1、愛知県1、長野県5、静岡県1、山梨県1,神奈川県8、東京都1、茨城県2、栃木県1、新潟県1、宮城県2、都合43回。私が行く先では大抵どこででもみられる小鳥です。一番よく見る場所は河川敷でしょうか。草地が広がったような開けた場所にポンと飛び出た木の天辺で「キキキー!」と鳴いていることが多いです。住宅地だと電線でも見かけます。散歩レベルの鳥見で簡単に見つかるやや大柄の小鳥です。

観察月と回数:
1月8 〇〇〇〇〇〇〇〇
2月5 〇〇〇〇〇
3月3 〇〇〇
4月2 〇〇
5月2 〇〇
6月2 〇〇
7月2 〇〇
8月1 〇
9月3 〇〇〇
10月5 〇〇〇〇〇
11月3 〇〇〇
12月7 〇〇〇〇〇〇〇〇
都合43回
留鳥、もしくは漂鳥です。私の記録で5-6月は皆長野の亜高山でのものなので、繁殖の時期は涼しめの場所に移動しているように思えます。私的には冬によく見る印象です。ただ夏も冬も見た目は変わりません。



 (トップ画像 モズ 2009/03/07 D200 300mm/F4 福山市芦田川周辺にて撮影)

 初出:2016/04/17
 改訂:2018/06/06
 改訂:2021/04/17 ♂画像の差し替え、動画を更新、観察データを追加