ヒヨドリ 鵯
Hiyodori
Hypsipetes amaurotis
Brown-eared Bulbul
 
ヒヨドリ スズメ目ヒヨドリ科
 「ヒーヨ ヒーヨ」とけたたましく鳴く中型の鳥
 全身灰色、頭はパンク、尾羽が長いのが特徴

   

福山市近辺での観察
 


ヒヨドリの動画  
 ヒヨドリの名の由来について私は長く「ヒヨドリはヒーヨ・ヒーヨと鳴くからヒヨドリなのだ」と信じておりました。しかしこのwebを作るにあたって図鑑で調べてみると「稗の実を食うので「ヒヨドリ=鵯」と名づけられた」のだとか。安直な自分にちょっと反省。。。でも正直言うと、自分の耳で聞いた自然な感性の方が「もっともらしい」と感じたりしています。で、他の図鑑やネット情報などを見てみると、自分と同じ意見も普通に書かれていることを知りました。
 結局のところ、ヒヨドリは果たして「ヒーヨ」と鳴くからヒヨドリなのか、稗を食うから「ヒヨドリ」なのか、未だに決着がつきません。ただ、近年の日本では稗が人の常食の穀物として当たらなくなっていますので、稗という植物の存在自体が一般的でなくなっています。ですので、今後は「鳴き声説」が主流になっていくような気がします。それでも歴史は消えるものでないので「鵯」という漢字と共に「真相」は生き続けるのかな、などと想像しています。
 ヒヨドリはまずどこにでもいる「普通」な野鳥です。少なくとも私の住んだことのある静岡県から広島県の間では、スズメとカラスに次いで身近にいる鳥だと感じています。住宅地でも、山の中でも、場所や季節を問わず、年中騒がしい鳥で、いやでも目立つ存在です。また、飛び方が上下に揺れる波状な風なので、飛ぶ姿をからも見分けが付き易く、空でもとても目立つ存在です。
 山で見るヒヨドリは、時として結構な数の群れで頭上の割と高い空を通り過ぎます。この時もやはり、飛びながら「ヒーヨ・ヒーヨ」と鳴くので、「なんでわざわざそんなに目立つことするの?」といつも不思議に思います。冬などはたまにハイタカに追いかけらていれる姿を見たりしますが、ヒヨドリにしろシロハラにしろ、「わざわざ大声出して飛んで回って、ハイタカに見つかって追いかけられるのはアホのすることだろう」、と独り突っ込んだりする私です。
 
  動画を置いておきます。前半はふれ愛ランドにて、中盤は芦田川の駅家町近辺でで撮ったもの、最後は笠岡干拓で撮ったものです。中盤の芦田川近辺で撮った2羽のヒヨドリは口元が黄色く見えますが、繁殖期の印なのかな?
 
 左「ヒヨドリの動画 福山市ふれ愛ランド、芦田川駅家町近辺、笠岡干拓周辺にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。動画は12MBありますので、DL環境にご注意ください。
 
 

冬のヒヨドリ  
 本格的な寒気が続く1月の末、山中湖畔へ出かけてみました。数日前に降った雪が残り、湖面は見事に凍結しています。レンジャクやオオマシコなどがラッキーで見られないかと、湖畔の駐車場に車を停めて、辺りを散策しました。キクイタダキ、ヒガラなど高原ならではの小鳥がいる一方、ツグミやヒヨさんも雪景色の中ではどことなく光って見えます。残念ながら雪景色をバックにした絵は撮れませんでしたが、少しきれいなヒヨさんが撮れたのでここに飾ることとしました。
 
 左「冬のヒヨドリ 山梨県山中湖周辺にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。
 
 

柿の木とヒヨドリ  
 家の近所で散歩しながら鳥見をしてみました。近くの小山に上がり、周囲を見渡してみると柿の木にヒヨドリとメジロが見えました。一生懸命柿の実をほじっていたのは、どちらかというとメジロの方です。メジロは梅や桜の花の蜜を吸いに来るほど甘いものが好きな小鳥ですが、ヒヨドリも椿の花の蜜を吸うようで、メジロと同じく甘党とのこと。私は酔っ払いの辛党なので、彼らとは本当の仲良しになれないかもしれませんね。
 
 左「柿の木とヒヨドリ 福山市芦田町自宅周辺にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。

 
 

ヒヨドリの尾羽  
 神奈川県の宮ヶ瀬ダムは私が最も通うことの多い鳥見スポットです。ここは標高300m弱のそこそこ高い山になるので、家の近所の里山公園とは明らかに見かける鳥が違います。ベニマシコが多いですし、コガラやヒガラ、ウソも見かけます。一方湖畔は公園施設もあって足元のよい舗装道路が基本ですので、周囲も見渡し易く、落ちている羽も探しやすい環境です。さっそく今が旬のベニマシコの赤い羽根を探してみましたが敵もさる者、そう易々と羽を落としてくれません。そんなとき、ふと道端で目に入ってきたのが長めの黒っぽくて風切っぽい羽。でもカラスほど大きくありませんし、小鳥でもない。となるとツグミかセキレイかヒヨさんか。うまくすればカケスとか。。。
 家に持ち帰り図鑑で調べたところ、ヒヨさんの尾羽ととてもよく似ています。図鑑の写真は原寸大ですので、拾った羽を図鑑の上に重ねて見ましたところ、あ~ら不思議、ものの見事にぴったり賞です。。。寸分違わぬ見た目にちょっと驚き。尾羽の外側1番のようです。地味ではありますが、新種コレクションの羽を無事ゲット、ということで結果オーライとなりました。
 それから10か月たった16年10月の日曜のこと、自宅の裏庭で洗濯物を干していた嫁さんが、「こんなん落ちてたで」と鳥の羽を拾って持ってきてくれました。濃いめの灰色をしたやや大型の細長い羽です。「住宅地にいる鳥のものだから、ハトかヒヨかムクドリか」でもハトより小さいし、ムクより色が薄いのでヒヨかな」と図鑑を開いてみてみると、ヒヨの尾羽2~3番のもののようです。毎度地味なヒヨの尾羽ですが、貴重な野鳥の羽を拾ってくれた嫁さんに感謝。  
 写真左が自宅で拾った内側から2~3番どっちか。右の羽が最外側で6番の尾羽と思われます。左「ヒヨドリの尾羽 神奈川県清川村宮ヶ瀬ダム周辺、横浜市緑区の自宅庭にて蒐集」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。

 
 
 
 (トップ画像 ヒヨドリ 2007/03/13 D200 300mm/F4 岡山県井原市内にて撮影)
 
 初出:2014/12/20
 改訂:2016/01/20
 改訂:2016/10/23 ヒヨドリの尾羽を1枚追加
 改訂:2018/01/28 静止画を差し替え