セグロセキレイ 背黒鶺鴒
Suzume
Motacilla grandis
Japanese Wagtail
 
セグロセキレイ スズメ目セキレイ科
 川岸や池の周りで見る黒っぽいセキレイ

   

福山市近辺での観察について
 
 私は今日(2014/12/08)現在、本Web上にて野鳥の紹介を進めておりますが、これまでおよそ40種を陸の鳥、水の鳥と分けて交互に書いて参りました。何故交互に紹介するのかと言いますと、書き始めの頃、自分の記録をみても割と両者の数が揃っているので、水と陸とに分けることで鳥達を偏り無く紹介できるのでは、と思ったのがその理由です。ただ今にして自分の記録をもう一度よく見てみますとと、最近になって水鳥の記録がやや優勢になりつつあるようです。山の鳥より水鳥の方が開けた場所におり、ピンポイントで出かけて見つけやすいのが原因なのだろうと思います。例えば「コハクチョウは冬の時期○○へ早朝に行けば群れで見られる」と情報があれば、その通りに足を運ぶことでまず間違いなく鳥達に出会うことができます。対して山の鳥は狙って入っても実際には出会うのが難しい、大抵は運次第という現実があります。
 さて改めて考えると、「セキレイ」は果たして「水の鳥」なのでしょうか、はたまた「陸の鳥」なのでしょうか。種としてはスズメの仲間なのでDNA的には「陸の鳥」の仲間と言えるでしょうが、水辺でしか見ることがないので、水鳥とも言えるのかな?などと思います。私の判断だけだとあやふやなので、図鑑はどう分類しているのか見てみましょう。私がいつも利用させてもらっている保育社の「野鳥の図鑑」は全四巻が「陸の鳥」と「水の鳥」とに二巻ずつに分かれておりますが、セキレイは「陸の鳥2」に記載されています。ちなみにカワセミやカワガラスも同じ巻に載っています。私は前回カワセミのページを紹介する際に水の鳥の順でアップしたのですが、これはどうやら間違いでした。確かにヤマショウビンなどは完全に山の鳥ですし、上に挙げた鳥達は伝統的に「陸の鳥」に入るのだそうです。
 セキレイ科でもタヒバリやビンズイはより陸に近いイメージです。私の住む福山市近辺でセキレイと言うとこのセグロセキレイとハクセキレイ、そしてキセキレイが三羽烏(鶺鴒)となります。一番人に近いのがハクセキレイで田んぼや用水路近辺でうろうろしていますし、町の国道沿いにも結構います。セグロセキレイはもう少し純粋に水辺に近い印象です。川や池の周り、また海辺にもよく現れます。キセキレイはもっと水の流れが急なところを好むように思えます。ただ池周辺や家の近くにもいないことはなく一概には言えませんが、山深いところに入ると確かにセキレイの中でもキセキレイを見る機会が増えます。
 
 セグロセキレイの動画を紹介します。最初の田んぼの場面は笠岡の干拓で1月のもの、続く池の周りの2場面はふれ愛ランド周辺で秋に撮ったものです。左「セグロセキレイの動画」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。ファイルは15MBありますのでDL環境にご注意ください。
 
 
 芦田川の岸辺を散歩していて、川中にある岩で伸びをするセグロセキレイを見つけました。セグロセキレイはその名の通り頭から背中全体的に黒色をしているのですが、羽を伸ばすと中は白いのだと知りました。確かに飛んでいる姿を見ると白黒なのが見えるのですが、閉じた羽の下にこんな白い羽が潜んでいるとは中々想像がつきません。
 
 左「伸びをするセグロセキレイ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。
 
 
 ふれ愛ランドにエゾビタキが来ているので、エゾさんお気に入りの枝にレンズを向けて陰に隠れて待っていたところ、代わりにセグロセキレイがやってきました。実は次の週も同じところで同じことをしていたら、今度はキセキレイがやってきたのですが、「セキレイって結構枝に止まるものなんだ」と改めて認識させられました。
 この日エゾさんはなかなかアップを撮らせてくれませんでしたが、セグロさんは気前が良かった。ただせっかく撮らせてもらってこう言うのもなんですが、ちょっと目がきつく見えるのは気のせいでしょうか。。。そもそもエゾ、コサメコンビは目がくりくりしていて非常に可愛い姿なので、彼らと比較するのはセグロさんにとってちょっと気の毒かもしれませんね。って慰めになってないか。。。
 
 左「セグロセキレイのアップ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。
 
 
 (トップ画像 セグロセキレイ 2006/11/05 D200 300mm 福山市芦田川周辺にて撮影)
 
 初出:2014/12/07