ハクセキレイ 白鶺鴒
Hakusekirei
Japanese Pied Wagtail
Dusky thrush
 
ハクセキレイ スズメ目セキレイ科
 我が家の周りでスズメの次によく見る
 しっぽふりふりの可愛い小鳥
 

   

福山市近辺、千葉市、姶良市での観察
 
 我が家の周りで一番よく見る小鳥と言えばスズメです。で、その次は?と聞かれると「ハクセキレイ!」と答えることになります。朝の出勤時、車で田んぼの中の道を通ると、ほぼ毎朝車の前を横切ってお見送りしてくれる可愛いやつらです。
 
 ハクセキレイはセキレイの仲間ではセグロセキレイと見た目がよく似ています。見分けとしてはほっぺたが白いのがハクセキレイ、黒いのがセグロセキレイと覚えましょう。セグロセキレイは川の中流から上流で見かけることが多い小鳥で、ハクセキレイはもっと人に近い場所にいます。例えば福山市内の24hスーパーなどで、夕方になるとハクセキレイの大群を見かけることがあります。また人懐っこくて、ガソリンスタンドの車に寄ってきて、ミラーの上に乗っていたずらしたり粗相したりする姿も見られます。私の勤務する会社の駐車場なんかでもよくハクセキレイがうろちょろしていて、危なっかしいと思うことがよくあります。もっとも本人(鳥)の方はどこ吹く風で走り回っていますが。。。
 
  ハクセキレイの動画を置いておきます。場所は福山市の芦田川駅家町の川原、笠岡干拓、福山市松永湾周辺で撮ったものです。撮った場所が川、田んぼ、海とばらけていますが、それだけどこにでもいるという証しだと思います。
 
 左「ハクセキレイの動画 福山市ふれ愛ランド周辺にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。動画は13MBありますので、DL環境にご注意ください。
 
 
 ハクセキレイの夏羽の静止画です。色が全体的に白黒はっきりしているのは夏羽の♂特徴です。メスだと背中がややグレーなのだとか。
 この絵は今から10年以上前にD100で撮った年代物の記録です。D100はデジタル一眼レフとしては初期のもので、今ではスマホにも負けてしまう600万画素のCCD機でした。絵は最新のデジカメと違ってややのっぺりした印象ですね。しかしD100はツボに入ると恐ろしく綺麗な絵が出てきたので、今もいくつかはこのWebの中で紹介させてもらっています。
 2004年頃は今ほど鳥を追っておらず、家の近所を散歩しながら目に入った小鳥やカモなどを撮る程度でしたが、やはりハクセキレイは今も昔も散歩の友です。
 
 左「ハクセキレイ 福山市自宅周辺にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。
 
 
 続けての2枚はどちらも冬羽のものです。先に紹介した夏羽に比較して、灰色がかっているのがわかるかと思います。
 まず一枚目の方は鹿児島県の姶良市の公園で一休みした時に見かけたハクセキレイです。頭は黒いですが背中はグレーです。先に夏羽の紹介でもお話ししたとおり、この色パターンは夏羽の♀に当たるようです。しかしこの絵を撮ったのは年末の時期なので雌雄どっちだったのかはよく分かりません。ちなみに九州方面ではハクセキレイによく似たタイワンハクセキレイという種がいるようで、胸の黒色があごまで上がってくるのだとか。この絵の個体はあごが白いので普通のハクセキレイですね。ちょっと残念。
 2枚目は春先に千葉市の青葉公園で撮ったものです。こちらは頭もグレーでかなり色が薄い印象です。
 このようにハクセキレイは私の移動する先々のどこででも、普通に姿を見せてくれます。ここで紹介するものだけでも東は千葉から南は鹿児島まで普通に見られるので、かなりポピュラーな小鳥であることがわかります。
 ところがこのハクセキレイ、今から30年程前までは北国の小鳥だったそうです。九州で見られるようになったのは、実はここ10年ほどの話なのだとか。「本当に?」とかなり驚かされるのですが、私の持っている1986年に出版された保育社の「野鳥の図鑑/陸の鳥2」でも「分布は本州中部以北で繁殖、本州西南部でも記録あり」と記されています。ということは私が子供の頃に見たセキレイはハクセキレイ以外だったのでしょうね。確かに大阪にいた子供の頃の記憶ではセキレイと言えばキセキレイだったような気がします。キセキレイを見た記憶だけははっきりしていて、他のセキレイ類は明確な記憶がありません。でも、現在のハクセキレイの多さを考えると今一ピンと来ないのが実感です。うーん。不思議。
 
 左「ハクセキレイ 鹿児島県姶良市の公園にて」「千葉市青葉公園にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。
 
 
 次はハクセキレイの飛翔絵です。飛翔絵とはいっても、引いて撮っていた動画からの切り出し画像です。
 セキレイ類はヒヨドリと同じく波状に飛ぶ習性があります。羽ばたいて舞い上がると、次に羽を閉じて弾丸のように下降し、また羽ばたいて・・・と繰り返しながら直線上に飛んでいきます。また飛びながら「ピピピッ!」と声を上げます。よく目立つ飛び方なので、猛禽類などに追われないのかな?とちょっと心配になります。
 
 左「ハクセキレイの飛翔 福山市松永湾周辺にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。
 
 
 2009年の梅雨時期に、自宅の裏にセキレイの子が親とはぐれたらしく、ポツンと立って鳴いているのを見つけました。まともに飛べるのかどうかも怪しいくらい幼い鳥でしたが、自然のものなので放っておくしかありませんでしたし、このまま元気に生き延びることを祈るばかりでありました。この幼鳥、セキレイの子であることは間違いないと思うのですが、正直どの種のセキレイの子かわかりません。近くで一番多いのはハクセキレイですが、顔の周りの模様はキセキレイに近いですし、なんとなく胸周りなどに黄色っぽい色が見えます。そうしてこの絵は長くキセキレイのページで紹介させてもらっていました。しかし最近になって、ハクセキレイも若いうちは黄色みが強いことを知りました。また大雨覆あたりに白線が入るのはハクセキレイの特徴です。家の周りのハクセキレイの多さとキセキレイの少なさを考えても、やはりこの子はハクセキレイと考える方が妥当だと思うに至りまして、今回ページを移動させることとしました。
 
 左「ハクセキレイの幼鳥 福山市芦田町自宅周辺にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。
 
 
 (トップ画像 ハクセキレイ 2004/03/28 D100 300mm/F4 福山市芦田町自宅周辺にて撮影)
 
 初出:2015/08/02
 改訂:2015/09/06 幼鳥の絵を追加