ハジロカイツブリ 羽白鳰
Hajirokaitsuburi
Podiceps nigricollis
Black-necked Grebe
 
ハジロカイツブリ カイツブリ目カイツブリ科
 黒白黒白の段重ね風の
 丸っこいカイツブリ
 

   

東京湾、福山市周辺での観察について
 
 ハジロカイツブリはサイズ的にカイツブリと同じ程度の水鳥で、福山でも関東でも冬鳥としての観察となります。なので私が住む環境で見られる姿は自然と白黒な冬羽姿となります。一方、まだ見ぬ夏羽はかなり派手な顔をしているそうで、目の後ろにピンピンにはねたひげが生えたような金色の羽飾りが出るそうです。カンムリカイツブリの場合は真冬でも夏羽っぽい姿を見せてくれたことがあるので、ハジロ君もトチ狂ってそんな夏風の装いを見せてくれないかなぁとか思うのですが、残念ながらこれまでのところそんな姿には出会ったことがありません。ただ地味目の冬羽姿といっても、はっきりとした白黒姿に遠くからでもとてもよく目立つ真っ赤なお目目が大粒のルビーのように輝き、決して「地味な鳥」という印象はありません。
 '16/02/06 嫁さんと大洗へ日帰り旅行に出かけた際、帰り道に涸沼へ寄ってみました。「もしかしてオオワシいないかな?」とか思いながら湖面に向かってみると、少し向こうの水面に何かの群れが見えます。見た目小さい水鳥たちです。レンズを向けて観察するとどうやらハジロカイツブリのようです。私はこれまでハジロカイツブリを一度に片手であまる数しかみたことがありませんでしたので、この群れの数にはちょっとびっくり。ざっと見て200羽はいそうな感じです。当日は典型的な冬の天気で風も強く、波が立っていますあ、彼らは波をかぶりながらも元気に行進していました。  
 左「ハジロカイツブリの動画」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。サイズは17MBありますのでDL環境にご注意ください。
 
 
 ハジロカイツブリはカンムリカイツブりと同じく、冬にそれなりに見かける存在ですが、決して数が多い種ではありません。池でも見ないことはありませんが、どちらかというと穏やかな内湾で見ることが多いと思います。私の記録を見ても福山市の松永湾、芦田川河口の海側、東京湾葛西臨海公園などでの姿が主として残っています。ハジロカイツブリは大抵の場合ホシハジロとかスズガモとかの潜水系カモ類の群れに混じっていて、ハジロカイツブリ自体はほぼ単独で見かけます。多くのカモの中でポツンとハジロ君がいるという光景です。これはカンムリカイツブリも同じで、多くて同時に数羽くらいでしか見たことがありません。だからどちらかというと珍しい存在なのですが、凄く珍しいという程でもない微妙な位置にいる存在です。
 そんなハジロ君の比較的アップが撮れたので紹介します。場所は千葉舟橋市のの三番瀬公園。穏やかな内湾です。時間的には満潮付近だったでしょうか。真冬の正月3日だったのに、暑いくらいに暖かでとても良い天気の昼下がりでした。周りにはたくさんのスズガモがいました。左「ハジロカイツブリ 冬羽」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。
 
 
 上の動画の紹介でも書きましたが、2016年2月に茨城県の涸沼に出かけたとき、初めてハジロカイツブリの群れに出あいました。数はざっと200羽。「いるところにはいるのだ」と、あらためて自然の豊かさ不思議さに敬意が湧くと同時に、自分の少ない経験だけで「きっとこうだ!」と決めつけるのはいけないな、とも思いました。確かに普段は池ごとに数羽しかみない普通のカイツブリも、笠岡干拓の調整池では100羽程度の群れでいましたし、カイツブリ類って大き目の池や湖ではある程度の大きな群れをつくるのかもしれませんね。
 そんな群れを観察していると中に夏羽風のお顔をしている個体が見つかりました。ラッキー!絵の中央付近に金色のひげ(?)が生えたように見える個体がいますよね。冬羽では白っぽい脇腹付近も少し金色っぽく色付いています。もう少し近くで見たかったところですが、これは次の機会ということで。
 
 
 
 (トップ画像 ハジロカイツブリ(冬羽) 2015/01/03 D7100 150-600mm/F5.6-6.3 ふなはし三番瀬公園周辺にて撮影)
 
 
 初出:2016/01/04
 改訂:2016/02/07 群れの動画と静止画を追加