オオソリハシシギ 大反嘴鴫
Oosorihashishigi
Limosa lapponica
Bar-tailed Godwit
 
オオソリハシシギ チドリ目シギ科
上反りした長いクチバシをもつ、やや大型のシギ

   

大授搦、松永湾、船橋三番瀬での観察について
 


オオソリハシシギの動画
 
 2014年のお盆、憧れだった水鳥のメッカ、佐賀の大授搦(有明海中央部のものすごく大きな干潟)に初めて行くことができました。ただ身体が融けてしまいそうなくらいとても暑い日でした。当時私が住んでいた広島県福山市では、真夏の頃は干潟の水鳥はあまり種も数も見かけませんでしたので、「せっかく大授搦まで来たけれど、こんな真夏だとあまり鳥は見られないかもな」と海辺の「塀」を越えるまでは正直なところあまり期待していませんでした。
 しかしいざ「塀」を越えて広大な干潟を見下ろしてみてれば、まあびっくり。この大授搦には福山近辺では春秋冬にそのときどきにしかみられない稀有なシギ・チドリ達が、何故かまとめて一緒くたになって群れていたのです。「おおー、さすが水鳥の本場だ。。。」となにか異次元に入ったような驚きと感動がありました。そんな群れの中に一羽だけ上反りしたクチバシをもつ大きめで赤茶色をしたシギがいるのを見つけました。これが初めてのオオソリハシシギとの出会いでありました。夏羽なのでやや赤っぽい茶色の羽をしていて、きれいなシギだと思いましたし「初の出会い、ラッキー!」とよろこんでいたのですが、実は後になって、その1年前の13年秋に松永湾でとった動画ファイルに、米粒ながらオオソリハシシギが写っていたことが判明しました。。。まあ、よくあることですが。。。それはさておき、以後は15年の春に松永湾にて、16年の秋には千葉船橋三番瀬にてと、毎年一度はオオソリくんと順調に会い続けることができています。それでも毎回見るのは数えて片手で足る程度の少数ですので、そんな有難さもあって毎回オオソリくんに出会うと結構ドキドキします。
 
 
 動画をおいておきます。最初から順に大授搦の夏羽は真ん中上の方の一羽。次は松永湾のもので、ちょっと豆粒ですが真ん中で泥をホジホジしている一羽。最後の大写しが三番瀬のものです。左「オオソリハシシギの動画 大授搦、松永湾、船橋三番瀬にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。
 
 

オオソリハシシギの夏羽
 
 先に紹介した通りオオソリハシシギの夏羽を見たのは佐賀県の有明海にある大きな干潟、大授搦でのことでした。以後福山市で見たオオソリ君は冬羽ばかり。土地によって見られる季節が違うのは仕方ないかと、オオソリハシシギの赤い色の姿を見るのは以後あきらめておりました。それから3年、横浜に移り住んでから気軽に訪れることができる干潟といえば、千葉の船橋三番瀬となりました。関東地方では代表的な海鳥のメッカです。初夏も近くなった4月の22日、三番瀬を訪れてみますと、すでに夏羽になったハマシギを始めたくさんのシギチドリが見られます。中でも目立つのがシギチドリとしては大ぶりなオオソリハシシギとチュウシャクシギでした。久しぶりのオオソリ夏羽に感動。。オオソリハシシギって南半球から北半球までノンストップで何千キロもの距離を移動するのだとか。その途中休憩所として日本に寄ってくれるのですから、我々もしっかりとおもてなししなければなりません。彼らがゆっくりとできる干潟をしっかりと守っていくことが大切ですね。
 夏羽の絵を2枚おいておきます。一枚目は普通の散歩中の姿。地味な冬羽と比べて胸から顔あたりの赤さが目立ちますね。もう一枚は着地寸前の羽を広げた絵です。翼の下側がすごくきれいな白黒模様であることにびっくりします。
 
 左「オオソリハシシギ夏羽その1、その2 千葉県船橋三番瀬にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。
 
 

オオソリハシシギのアップ
 
 16年の10月、風も本格的に涼しくなりはじめたので、バイクでプチ遠征と行徳野鳥の楽園と船橋三番瀬まで水鳥を見にでかけました。行徳の方はまだカモがあまり飛来しておらず、よって猛禽の飛来もまだのようでしたが、三番瀬の方ではシギチドリがいろいろ来ていて、この日はハマシギ、シロチドリ、ハジロコチドリ、ダイゼン、オオソリハシシギなどを観察することができました。中でもオオソリくんは私のすぐ横を駆けて行ってくれたりして、ものすごいサービスをしてくれました。ありがとうソリハシくん。
 
 左「オオソリハシシギ 千葉県船橋三番瀬にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。
 
 

 
 最後は飛翔絵です。秋の渡りの時期がきたので三番瀬に出かけてみました。ここでは昨年もオオソリハシシギを見つけています。数は少ないものの。他のシギに比べてサイズが明らかに大きいので見つけるのはとても簡単です。姿を追っていたら急に飛び立ちましたので、慌ててレンズを振って追いかけました。。干潮の時間帯で砂地がバックの絵となり、雰囲気はもう一つですが、羽の模様がよくわかるので置いておきます。ちなみに尾羽が茶色いのでよく似た種のオグロシギでないことがはっきりとわかります。
 
 左「オオソリハシシギの飛翔 船橋三番瀬にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。
 
 
 
 (トップ画像 オオソリハシシギ 2016/10/21 千葉県船橋三番瀬にて撮影)
 
 初出:2016/10/16
 改訂:2016/10/19 文章の表現の見直し
 改訂:2017/07/23 夏羽画像の追加
 改訂:2017/10/01 夏羽画像の追加
 改訂:2018/10/25 トップ絵の変更