ソウシチョウ 相思鳥
Soushichou
Leiothrix lutea
Red-billed leiothrix

ソウシチョウ スズメ目チメドリ科
 お人形さんのような姿をした
 中国からの外来種

   

福山市山野狭、山梨県北部の峠での観察



ソウシチョウについて、動画の紹介

 子供の頃、家族で小鳥を飼っていました。最初は十姉妹と文鳥から。その後セキセイインコが加わりました。セキセイインコは手乗りでとても可愛かった。餌を求めてペットショップへもよく行きました。当時のペットショップで売られていた小鳥は他にブンチョウとカナリア、ベニスズメなどが記憶にあります。ここで紹介するソウシチョウは実は江戸時代から日本に輸入されていた飼い鳥だったとのこと。しかし私の子供時代、1960~70年代頃にソウシチョウを店で見た記憶がありません。不思議に思って調べたところ、日本に本格的に輸入されるようになったのは1980年代だそうです。その頃から中国と日本との行き来が活発になったからだそうで、それはそれで良いことですが、ソウシチョウが野に放たれてしまったのはやはり残念ですね。
 このソウシチョウ、飼い鳥としてやって来たのに実は暑さが苦手なようで、脱出後は夏に1,000m以上の亜高山へ移動して繁殖し、冬は低地に降りてくる漂鳥です。もともとはヒマラヤとかにいるのだとか。したがって同じ篭脱け種のガビチョウのように、近くの山でしょっちゅう見かけるということはありません。しかし山奥の林の中で不意にカラフルなこの小鳥が現れると、正直なところかなりびっくりさせられます。何者が来たのかと。。特にくちばしの赤さと喉の黄色が目立ちますね。声はちょっとガビチョウ風できれいだけど節が長くて覚えにくいさえずりです。

 私がこれまでソウシチョウと出会った場所です。まずは福山市の山野狭もかなり奥の方。標高は300mあるかどうかでしょうか。これは真冬のことでした。次は山梨の柳沢峠。こちらはGWですから季節的には初夏ですが、当日はかなり冷えており、山はまるで冬の様相でした。標高はおよそ1,500mですから立派な亜高山です。同じ日に同じ場所でコルリやコマドリ、ミソサザイ、クロジ、ヒガラ、ゴジュウカラなどを見ました。今迄のところ、それほどしょっちゅう見かけるわけでもなく、地元の小鳥たちを脅かすまでには至っていないようです。しかしながら、今後はちょっと心配になりますね。彼らに罪はないのだけれど。。。

 動画を置いておきます。前半は福山市山野狭の道端にいたところ、後半は柳沢峠のものです。

左サムネイルをクリックすると動画にリンクしています。動画は10MBありますのでDL環境にご注意ください。


福山のソウシチョウ

 2015年1月10日、ミヤマホオジロやオシドリなどを見に福山市山野狭へ出かけたときのこと、道端に見かけない小鳥を見つけました。なんかきれい。5羽程度の小群でいます。黄色っぽいのでミヤマホオジロかな?とか思ってレンズを覗くと、見たことのない小鳥が。。。これってソウシチョウっていうやつでないの。。。初見なのにあまり嬉しくない。でもきれい。凄くもったいない気分になりました。
 篭脱け種だから人間に慣れているのかな?と思って少し近づくと、ササっと逃げられました。普通の野生でした。。当たり前か。群れでいるくらいだから完全に野生で育った個体だったのでしょうね。噂には聞いていましたが、山野狭でみたことはなんとなくショックでした。

 左「福山のソウシチョウ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。



山梨のソウシチョウ

 2019年4月29日、山梨北部の柳沢峠にコルリを求めて出かけたとき、先に出てきたのがこのソウシチョウでした。相変わらずきれいです。でもやはり日本にはあまり似合わない派手さですね。苔や笹が生えたような地味な場所には似合わない感じです。なんというかわびやさびを感じません。とはいえ、南国の鳥ともちょっと違う、大陸の鳥といった感じでしょうか。

 左「山梨のソウシチョウ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


観察データ

場所と回数:広島1、山梨1、都合2回。夏は1,000m以上の亜高山にいてそこで繁殖し、冬は低山の森に降りてきます。私が福山で鳥見していた間、少なくとも福山市ふれ愛ランドでは一度も見たことがありませんでした。山野狭で一度みただけです。山梨は標高1,500mの山でみたので結構山の奥にいる印象です。他の篭脱け種は結構民家から近い場所で見ますので、このあたりは他の篭脱け種とはちょっと違うと感じます。ただ、先日買ってきたハワイの野鳥本によるとハワイにも篭脱けでいるとのこと。ハワイでも「森に棲む鳥」になっていますが、ハワイって少々山に入っても暑いだろうによく我慢して生き延びているものだとちょっと関心。

観察月と回数:
 1月1 〇
 2月0
 3月0
 4月1 〇
 5月0
 6月0
 7月0
 8月0
 9月0
10月0
11月0
12月0
日本で繁殖している漂鳥なので国内どこかで通年見られます。せっかく翼をもっているのだから、故郷の大陸まで渡って帰って行けばいいのにと考えるのは私だけでしょうか。


 (Top画像 ソウシチョウ 2019/04/29 D500 500mm/F4 + 1.4×テレコン 山梨県柳沢峠周辺にて撮影)


 初出:2019/05/05