ビンズイ 便追
Binzui
Anthus hodgsoni
Olive-backed Pipit
 
ビンズイ スズメ目セキレイ科
 夏の高原で出会う
 歌声のきれいなオリーブ色の小鳥

   

富士山、長野県三峰山周辺での観察について
 


ビンズイの動画
 2010年の初夏、福山ふれ愛ランドで鳥見の散歩をしていたとき、見慣れぬ地味な小鳥をレンズに捕らえました。ホオジロの背中のような地味な模様の小鳥です。しかしくちばしがホオジロより細長く、白くてはっきりとした眉班もあって、ホオジロではありません。家に帰って図鑑に照らし合わせて、初見のビンズイであると知りました。本来ビンズイは夏の高山で見かける鳥とのこと。この日は春の渡りの時期に偶然出会えた事例だったようです。そして残念なことに、このあと5年間、福山近辺でビンズイを見ることはありませんでした。
 2016年初夏の6月、横浜に引っ越してきて最初の夏、身近になった富士山に登りました。富士宮側からのルートです。ただ「登る」といっても山開きがされていない6月初旬のことですから、五合目から宝永山あたりまでしか歩くことはできません。私たちは登山初心者の夫婦でありますし、無理はせずとりあえず宝永火口を見にいくこととしました。途中六合目あたりで何やらきれいな小鳥のさえずりが聞こえてきます。少し上方斜面のカラマツかなにかの枝で、小鳥がさえずっている姿が見えました。しかし観察しようとしたそのとき、急に霧が濃くなってあたりは真っ白になり、小鳥の姿もかき消されていきます。かすかに見える姿からは胸に斑な縦筋がある鳥だとみて取れました。あとで調べた結果、ビンズイであったとわかりました。
 翌2017年は、5月から7月までの間に3度ほど八ヶ岳から霧ヶ峰、美ヶ原方面にでかけまして、こちらではそこかしこでビンズイの鳴き声を聞くことができました。なかでも美ヶ原への道中手前にある三峰山の展望台近辺ではしっかりとビンズイの姿をとらえることができました。枯れ木のてっぺんで元気にさえずっていました。
 ビンズイの動画を紹介します。最初の霧の中の絵は上で紹介した2016年夏の富士山のもの。続く揺れ揺れの絵は2017年6月の同じく富士山6合目のものです。強風の中一脚(カメラねじ付きの杖)で撮ったので画面がかなり揺れています。ごめんなさい。最後は長野県三峰山のものです。左サムネイルをクリックすると動画にリンクしています。動画は18MBありますのでDL環境にご注意ください。
 

夏のビンズイ
 
 2017年は横浜に来て二度目の夏です。昨年はまだ土地勘がなくて、富士山くらいにしか遊びにでかけていませんでしたが、今年は山梨から長野方面に色々と足を延ばすことができました。中でも信州中部にある霧ヶ峰から美ヶ原方面は、とてもきれいな山の景色があって、また下界よりずっと涼しくて何度もでかけたくなる魅力的な場所です。ここで紹介するビンズイは、霧ヶ峰から美ヶ原へ通ずるビーナスラインの三峰山展望所に寄ったときに見つけたものです。道沿いのやや下の枯れ枝に止まってしきりにさえずっていました。当日すこぶる天気が良くて、レンズが熱を持ってしまったようで、もっときれいな絵が取れたはずなのにややぼやけた絵になってしまいました。ちょっと残念。でもここはまた何度も来たいところなので、撮り直しは次の楽しみにしたいと思います。
 
 左「三峰山のビンズイ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。
 
 
 
 (Top画像 霧の中のビンズイ 2016/06/11 D7100 150-600mm/F5.6-6.3 富士宮側富士山六合目周辺にて撮影)
 
 
 初出:2017/07/17