ガビチョウ 画眉鳥
Gabichou
Garrulax canorus
Hwamei
 
ガビチョウ スズメ目チメドリ科
 白い勾玉模様の隈取をした
 声の大きな外来種
 

   

横浜市緑区近辺、宮ヶ瀬湖周辺での観察


ガビチョウの動画
 
 ガビチョウは外来種です。侵略的外来種として指定されており、そこに生きることを否定されている鳥だと言えます。
 もともとはペットとして輸入された鳥で、逃げたり飼えきれずに放鳥されたりしたものたちが、やがて野山で繁殖してしまいました。このような鳥を「篭脱け種」と呼びます。決してガビチョウが悪いのではなく、人間が悪いわけで、侵略者として扱われるのはかわいそうな気がします。ブラックバスも一緒ですね。
 ガビチョウは特に東日本で多いようです。私は2015年まで広島県に住んでいましたので、ガビチョウのことは名前と噂でしか知りませんでした。
 目の周りに白い模様がある。関東なら町でも山でも見られる。鳴き声がきれい。などなど。
 ただ、ネットに流れる世間一般の声を読んでいても、やはり外来種なためなのでしょう、あまり歓迎されている存在ではなさそうです。そんな意見に流されて、私としても当初は「メジロの迷惑版みたいなものかな」くらいに考えていました。
 やがて実際横浜に来てから、山や林で今まで聞いたことのない大きな声のさえずりがよく耳に入ってきまして、当初は「なんだろう?」「歌ツグミとかかな?」とか思っておりました。そのうち「この声の主は例のガビチョウかな?」「きっとそうに違いない」と確信するに至り、ついに姿も発見。やはりその声の主はうわさに聞く変な顔をしたガビチョウでありました。
 まずなんというかメジロなんかとは比べものにならない太めで派手な白い隈取です。で、図体も結構大きい。シメやイカルに近いサイズです。ですからメジロみたいな可愛げがありません。色も全身ほぼオリーブもしくは茶系で地味。声は確かに美声なのだけれど、声がドでかいのでこれまたなんというか風情がない。言ってみれば南国系の派手なさえずりですね。しかも一年中鳴くわけです。もちろん春先もウグイスやホオジロと並列で鳴いたりするものですから、「そこのおまえ、今はウグイスを愛でる季節なの。ちょっとうるさいから静かにしてろ!」と文句のひとつもいいたくなる次第。。。
 姿はたいてい単体で見つけます。それでも声が大きいので良く目立ちます。もしこれが群れで鳴いたりしたら。。。あまり想像したくないですね。やっぱり日本の野山では雅な風情のさえずりが似合います。ガビさん当人(鳥)からしてみれば「おれだってわざわざ寒い日本で無理して棲みたくないんだぜ。無理やり連れてこられたのに邪魔者扱いするな」と文句の一つもいいたくなるのかもしれませんが、少なくとも日本の四季には合わない鳥さんだと思います。
 
  ガビチョウの動画を置いておきます。場所は前半は宮ヶ瀬湖周辺、後半は横浜市緑区近辺の公園で撮ったものです。
 
 左「ガビチョウの動画」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。動画は14MBありますので、DL環境にご注意ください。
 
 

ガビチョウ
 
 ここで紹介する絵は冬に宮ヶ瀬の道沿いで撮ったガビさんです。少し前にカヤクグリを見つけたのと同じ場所で、枯葉に埋もれた茶色い鳥を発見しました。「今日もカヤクグリ見つけた」と思ってレンズを向けたところ、目に白い縁取りが。。。シロハラなみに豪快に枯葉をごそごそ飛ばしてエサを探しているようでした。上の動画と同じ個体です。
 
 
 左「ガビチョウ 神奈川県宮ヶ瀬湖周辺にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。
 
 
 (トップ画像 ガビチョウ 2017/06/12 D7100 150-600mm /5.6-6.3 横浜市緑区の公園にて撮影)
 
 初出:2017/02/4