クビワムクドリ 首輪椋鳥
Kubiwamukudori
Gracupica nigricollis
Black-collared starling
 
クビワムクドリ スズメ目ムクドリ科
 
 黄色いほっぺたをした南国のムクドリ

   

バンコク市内での観察
 
 


クビワムクドリの動画
 
 ここはタイ、赤道に近い熱帯地域です。南の国だから当然朝は早いもの、と思っていたら、実はバンコクの朝の始まりは日本よりずっと遅かった。8月1日ですから日本だともう5時くらいには明るくなり始めていて、6時なら十分明るい時期です。だからバンコクでも早朝鳥見を目論んでいたのですが、実際当地の日の出は7時ジャストでありました。確かに白夜は北欧の現象ですから、そうなるのかもしれません。というわけでバンコクは一年で安定した日照時間があるものの、日の出が凄く早いわけではありませんでした。で、駆け足で早朝鳥見を行うはめとなった仕事日初日の朝、与えられた時間はわずか15分しかありません。こんなときは鳴き声を目印に探すのが手っ取り早い。さすが南国の鳥はさえずりも派手ですから、公園のそこかしこから大きな美声が聞こえてきます。
 この日の朝もっとも印象的だったのが、これから紹介するクビワムクドリです。種で言えば日本のムクドリと近縁のようですが、声の美しさは天と地ほど違います。ちょっと種は違いますが日本のヒヨドリと台湾のシロガシラも随分と声の差がありました。最初、木の上で大声で鳴くことと、顔の見た感じから「シロガシラの近縁かな?」と思って図鑑をみたところ、ムクドリ系だとわかりちょっとびっくりしました。
 
 左「クビワムクドリの動画」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。最初は親子3羽の姿。続いてさえずりの姿です。動画は14MBありますので、DL環境にご注意ください。
 
 

クビワムクドリ
 
 上の動画でさえずっているときの姿です。まだ朝暗くてピントももう少しでしたので、あまあまの絵になってしまいました。首に黒い輪があってこれが名前の由来のようです。ちなみにこの鳥もインドハッカやオオハッカ、後で紹介する予定のホオジロムクドリなどと同じく、公園で普通に見られる数の濃い鳥でした。なんで街中の公園という一か所に4種も近縁のムクドリたちがいるのか、ちょっと不思議です。微妙に棲み分けがなされているのでしょうね。ほんと不思議。
 
 
 左「クビワムクドリ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。
 

クビワムクドリの親子
 
 公園では地面を歩く鳥がたくさんいました。ムクドリたちもそうですし、ハトもチョウショウバトやカノコバト、そしてドバト。カラスはタイに少ないと聞いていましたが、ここでは普通にいました。(一見ハシボソガラスに見えるハシブトガラス(!?)がいました)あとはシキチョウやスズメも地面を歩いていましたっけ。そんな中クビワムクドリは何度か親子連れを見かけました。他の鳥達と比べて親子の色目がはっきりとしているので、若鳥かどうかが分かり易かったですね。全身真っ黒なオオハッカなどは若鳥は茶色と聞きましたが、全体の色目が多少濃いか薄いかで、若鳥が混じっていてもたぶんよくわからなかったのかもしれません。(オオハッカはただ単に繁殖の時期が違って、若鳥が皆もう大人っぽくなっていただけかもしれませんが)どこでもそうですが、鳥って若鳥とはいえ体のサイズは親とさほど変わりません。物凄い成長速度だと思います。それだけ素早く体力を付けないと、自然の中で生き残れないのでしょうね。
 
 
 左「クビワムクドリの親子」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。絵は動画からの切り出ししたものです。
 
 
 
 (トップ画像 クビワムクドリ 2016/08/04 V1 70-300mm タイルンピニー公園にて撮影
 
 初出:2017/01/04