オオハッカ 大八哥
Ohakka
Acridotheres grandis
White-vented myna

オオハッカ スズメ目ムクドリ科
 飛ぶとブッポウソウのような白い帯が目立つ
 尖がりヘアーの黒いムクドリ

   

バンコク市内での観察


オオハッカ及びハッカチョウの仲間について、動画の紹介

 タイの空港を降りてバスやタクシーの乗車口に出ますと、さっそく当地のハトやムクドリが私を出迎えてくれます。どちらも日本ではあまりいい顔をされない鳥達ですが、わざわざの出迎えご苦労。思えば愛想のいい奴たちです。
 さてハトといっても、それはチョウショウバトであったり、ムクドリと言ってもインドハッカであったりして、日本でポピュラーな種とは見た姿もかなり違います。タイに来て強く感じましたが、実はタイ市街地ではムクドリの種がすごく豊富です。私が短い滞在の中で確認しただけでも、インドハッカ、クビワムクドリ、ホオジロムクドリ、そしてここで紹介するオオハッカの4種を見かけています。
 ここであらためて海外野鳥の日本名について少し説明させていただきます。海外野鳥の日本名ですが、日本で飼い鳥として輸入されて名づけられたものであれば、たいていの図鑑などにも載っており迷うことはありません。しかし手持ちの図鑑に出てこない種は、学名や英名などを併用して、図書館やインターネットなどで探すしかありません。私はインターネットの情報に関しては、引用したとしても自分で言質に責任が取れないもので、基本的には使わないようにしています。ただし大勢の方が普通に取り入れていて、細部を見ても共通する情報であれば、自分の判断で使わせてもらおう、というスタンスでいます。この「オオハッカ」は手持ちの図鑑などで出てきた名前ではありません。しかしネット上でWhite-vented Mynaをオオハッカと呼ばれる方が、ほぼまとまった意見として出ているようなので、弊Webでもこの名で登録させてもらうこととしました。いつか図書館に行って正確なところを調べてみようと思います。
 閑話休題。バンコクにおいてオオハッカはインドハッカと双璧に数が多いムクドリです。特にオオハッカは全身真っ黒に黄色いクチバシですから非常によく目立ちます。公園では大抵は小群れで見かけます。今回不思議とこの中に幼鳥らしき姿はみかけませんでした。図鑑で見る限り幼鳥は茶色系のようですが、私が見たのは全て真っ黒で立派な冠羽を持った成鳥だったように思います。8月は子育て時期からはずれているのか、たまたまだったのかはわかりません。
 この冠羽が目立つ真っ黒い中型の鳥=ハッカチョウには、どうやら地域によって4種類くらいの似た種(亜種ではない)がいるようです。日本の沖縄などに迷って入ることもあるらしいハッカチョウは主に中国からベトナムくらいまで南シナ海に沿った大陸東岸の方面に見られる種。Jungle Mynaは反対側のインド洋側大陸~マレー半島西岸沿いに。ジャワハッカはインドネシアなど最も南に。そしてこのオオハッカはインドの東部からベトナムくらいまでのタイを含む東南アジア中央部にいるそうです。英名がWhite-Vented Mynaで知られる通り、下尾筒が真っ白で、飛ぶ姿を見上げるときによく目立ちます。また冠羽が長い、目が濃い赤色をしている、の2点を加えて他の種と見分けます。ちなみに日本に迷鳥でやってくるハッカチョウは冠羽が短く、お尻は白黒斑状で、目が黄色いという特徴があります。鳴き声は現地で聞いた限りとてもきれいな声だったのですが、動画に残すことはできませんでした。残念。。
 この付近で見られるムクドリたちは実は皆物凄い声量の美声の持ち主ばかりです。日本のだみ声ムクドリたちにはちょっと見習って欲しい。。今後クビワムクドリやホオジロムクドリ、インドハッカを紹介する折りにはたぶん声もお披露目できると思いますのでお楽しみに。ただし、どれも似たようなものです。。。すみません身も蓋もない。。。複雑な美声なのもので、私自身もひとつ区別できていないだけです。。。

 左「オオハッカの動画」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。動画は12MBありますので、DL環境にご注意ください。


オオハッカ

 オオハッカは地面で見かけることが多い鳥です。私が最初に見つけたのも芝生の上でした。基本餌とりは地面で、お休みは木の上でといった感じでしょうか。
 この絵は街中の道路の真ん中にある緑地帯で撮りました。木の上にいるオオハッカを撮るチャンスは比較的少ないのでラッキーでした。
 日本では道路の真ん中の緑地帯に背の高い木が植えられていることはあまり見かけません。バンコクはスコールのある南国です。年中蒸し暑い環境ですから木も茂りやすいのでしょう、道路周辺には車道がなかばトンネルになるくらいに大きな木が生い茂っています。おかげで鳥だけでなく、歩道を歩く人間様にも日陰ができてありがたい。一方で伸びすぎて邪魔になった木の枝を切って回る車を見たので、やはり管理は大変なのでしょうね。どちらにしろ街のど真ん中でも人と生き物が近くで共存できるのはやはり素晴らしいなと思いました。

 左「オオハッカ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。




 (トップ画像 オオハッカ 2019/07/10 V1 70-300mm タイ ルンピニー公園にて撮影 冠羽がとても長いのがよくわかるかとおもいます。)

 初出:2016/08/18
 改訂:2019/07/10 トップ絵と静止画を変更
 改訂:2020/12/15 文章の校正