キマユカナリア 黄眉金糸雀(青黄鳥)
Kimayukanaria
Serinus mozambicus
Yellow-fronted Canary

キマユカナリア スズメ目アトリ科
 
 かってカナリアの原種と紹介されたこともある
 顔から胸が黄色い小鳥

   

ハワイオアフ島での観察


キマユカナリアとの出会い、動画の紹介

 2019年の4月、次男の婚式でオアフに行った際に初めて出会った小鳥です。見つけた場所はワイキキからダイヤモンドヘッド方面に少し歩いたところにあるカピオラニ公園です。芝生の公園沿いに歩いていた時、木の周りの芝生と木の枝を往復する黄色い小鳥に気づきました。メジロではなさそうで、日本で言えばマヒワっぽい色目の小鳥ですが、マヒワよりは大きい感じです。丁度スズメくらいのサイズでしょうか。レンズで覗いてみると、クチバシの感じからしてフィンチ系です。手持ちのハワイ野鳥図鑑で調べると"Yellow-fronted Canary"という名の鳥らしいことがわかりました。カナリアにしてはすこしずんぐりした印象です。
 ということはきれいな声で鳴くのだろうなと思い、しばらく鳴くのを待っていましたが、とうとう美声は聞かれず。あとで色々調べてみると、日本では「青黄鳥」と呼ばれて、以前はカナリアの原種として紹介され、今も飼い鳥として輸入されている小鳥だとのこと。「以前は」という前書きの通り、今ではカナリアの原種ではなく、属レベルで違う種の小鳥だということがわかっています。ちなみに「属レベル」の違いというと、例えば同じアトリ科で言えばベニマシコはベニマシコ属、オオマシコはオオマシコ属。カワラヒワはカワラヒワ属で、マヒワはマヒワ族。「皆名前姿は似ていても属は違うじゃん」などと思っていたら、ベニヒワはマヒワ属だったりします。「色全然違うじゃん」的なツッコミを入れたくなりますね。ちなみにアトリ科ではありませんが、ホオジロ科ではホオジロ、ホオアカ、ミヤマホオジロ、カシラダカ、ノジコ、オオジュリン、アオジなど皆ホオジロ属です。かように種ごとの属の違いって、なかなか見た目では測れません。
 確かにキマユカナリアは脇の羽毛が大きく巻き上がっていて、身体の正面は黄色、一方背中から尾までは地味な灰色と黄色が混じったような色目で、いかにもカナリアの原種的な雰囲気を醸し出しています。原種と言い出した人たちはそんな見た目に惑わされたのだと思います。ちなみに学名でモザンビークと入っているように、元々は中央アフリカにいる小鳥です。カナリアはカナリア諸島はじめ、島の小鳥ですので、生い立ちからして違いますね。キマユカナリアはハワイへ1960年代後半に移入種として入り、以後居着いているとのことです。カピオラニ公園に行けば行く度に普通に見られましたが、他の街角や公園ではみかけていないので、コウカンチョウやカエデチョウほどは数がいない印象です。

 左「キマユカナリアの動画 ワイキキ・カピオラニ公園周辺にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


キマユカナリア

 このキマユカナリアはカピオラニ公園の端っこにある池の近くで色々な小鳥に混じって地面をごそごそしていた一羽です。他に周りにいたのはオナガカエデチョウとイエスズメ、チョウショウバトなど。彼らは人馴れしていて、私の半径5m以内に入って来ても動じずにウロウロしていました。一方公園内中央の広い芝生方面にたくさんいるインドハッカ、シリアカヒヨドリ、コウカンチョウ、ムナグロなどはここにはいません。「なんでなか?」と考えてみたら、足元にいる小鳥たちは皆餌が種子食なのに対して、他の鳥たちは皆身体が大きめなので、虫やミミズなど動物食なための餌場の違いかな。などと想像しています。コウカンチョウなどはこの木なんの木の下では足元5mどころか1m以内まで寄ってきたので、人馴れしない風でもなく、単に餌が豊富にあるところにしか興味がないのだろうと思った次第。

 キマユカナリアの静止画を置いておきます。この種は雌雄同色のようで♂だか♀だか不明です。

 左「キマユカナリア 」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


観察データ

場所と回数:オアフ島2、都合2回。

観察月と回数:
 1月0
 2月0
 3月0
 4月2 〇〇
 5月0
 6月0
 7月0
 8月0
 9月0
10月0
11月0
12月0
都合6回
 常夏の国の小鳥ですから、年中見られるのだろうと思います。



 (トップ絵 キマユカナリア 2019年4月カピオラニ公園にて:D500 150-600mmズーム
 

 初出:2019/11/23