トモエガモ 巴鴨
Tomoegamo
Anas formosa
Baikal teal

トモエガモ カモ目カモ科 絶滅危惧II類 VU
緑と黒の隈取模様をした
中々会えないカモ

   

トモエガモについて



 トモエガモは姿サイズはオシドリと同じくらいで小型のカモです。その名前の由来である緑と黒い縁取りの特徴的な顔で有名な水鳥ですが、オレンジ色をして垂れ下がる三次風切りの飾り羽根もとても綺麗です。絶滅危惧種に指定されているだけあって、姿を見る機会は少ないと感じます。私もこれまで観察数は少なくて、撮影記録も片手で数えて足りるほどしかありません。ただ派手ではないもののとてもきれいな姿をしているので、探してでも見たくなるカモ類の一つだと思います。
 トモエガモは非常に臆病な気質なようで、大きな湖沼だとほぼ米粒にしか見えないくらい遠くに浮かんでいるのが大抵です。しかし、たまに単独で街の公園の池に現れることがあるそうなので、アップで見たいならこまめにあちこちの池を回るのがよいかもしれません。






「トモエガモ ♂」 クリックで拡大します。

トモエガモ ♂


鳥取県日野町
10248x682 px
2014/02/22
Nikon V1 Mode A
Nion AiAF ED 300mm/F4s


 夜明けすぐのまだ薄暗い早朝の撮影だったので、コントラストがもやった絵ですが、私がトモエガモをアップで見られたのは今のところこの一日だけです。またいつかアップでこのお顔を見てみたいものですね。
 



「トモエガモ ♂ 2」 クリックで拡大します。

トモエガモ ♂ 2

福井県坂井市
1280×853 px
2020/11/22
Nikon V1 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E
FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3


 福井県の片野鴨池にトモエガモがたくさんいると聞いて、横浜から遠路はるばる福井まで鳥見にでかけました。ところが片野鴨池では確かにトモエがいるのは間違いないのですが、距離が非常に遠くて、また観察館のガラス越しでもあったため、証拠写真すら写せない観察となりました。結局ビジターセンターでは屋内に用意されたのモニター越しで「確かにトモエガモっぽいな。。」と指を咥えて眺めるだけに終わり、気持ち的にももやもやして消化不良な観察となってしまいました。
 この後、気を取り直して「このままでは終われないぞ」と、宿泊地へ行く途中の池を巡って探索し続けたところ、ついにトモエガモを生観察できる場所にたどり着きました。
 とはいえ、ここでもやはりトモエガモは遠かった。。手前から、マガモ、ヨシガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、コガモ、ハシビロガモといて、トモエガモは一番奥手です。ゴーヨンに1.4xでも米粒レベルな絵しか残せないため、禁断の奥の手、V1+ゴーヨン+1.4xという「換算1,900mm!」作戦でとにかく大きく写そうとした結果がこちらの絵です。
 なんとかトモエガモの模様が分かる絵が残せて、はるばる福井まで出かけた甲斐がありました。(といいつつ、裏(?)目的でこの日の晩に越前ガニのフルコースを堪能しましたので、大満足で帰路につくことができました。福井県最高!)
 



「トモエガモの群れ、飛翔」 クリックで拡大します。

トモエガモの群れ



トモエガモの飛翔



岡山県笠岡市
1024×682 px
2023/12/09
Nikon D500 Mode A
Tamron A011
150-600mm / F5.6-6.3


 一年半ぶりに笠岡干拓に鳥見にでかけました。いつも行く大きな池の観察小屋から眼下の池を覗き見しますと、近くにはマガモをはじめとしたいつものメンバーが見えます。期待していたツクシガモやシギの姿は見えません。「遠くにいるのはコガモかな?ここは汽水なのでコガモあんまり見ないんだけどな」とよくよく観察していると、どうもコガモではなさそうな。よく見るとトモエガモの群れではありませんか。汽水にトモエガモがいるとは思いもよりませんでしたのでちょっと驚きました。また、姿が判別できる程度の距離から群れが見られたのはとてもラッキーでした。
 しばらく観察していたところ、小さい群れが偶然飛び立ったため飛翔写真も残すことができ、とてもラッキーな一日となりました。
 





観察データ

場所と回数:福山市 1、岡山県 1、鳥取県 1、福井県 1、計4回。比較的大きな池で見ることが多いです。私はまだ自分の目で確認できていませんが、ときどき出かける千葉の大きな沼には数万羽のトモエガモが毎年来ているのだとか。ただやはりたいていは遠くに集まっているようです。毎年行く琵琶湖湖北でも「かなり沖だけどいるよ」と聞かされています。しっかり見たい場合は、偶然を期待して小さい池を色々と足繁くく廻ってみる方が夢があるかもしれませんね。

観察月と回数:
1月0
2月1 〇
3月0
4月0
5月0
6月0
7月0
8月0
9月0
10月0
11月1 〇
12月2 〇〇
計4回
本州では冬鳥です。東北や北海道では山中で繁殖する個体もいるとのこと。



 (トップ画像 トモエガモ ペア D500 150-600mm/F5.6-6.3 2023/12/09 岡山県で撮影)

 初出:2020/11/22
 改定:2021/07/26 福山での記録を観察データに追加
 改訂:2021/08/10 カモ科(水面採餌型種)へのリンクを追加
 全面改訂:2023/12/10