オオセグロカモメ 大背黒鴎
Oosegurokamome
Larus schistisagus
Slaty-backed gull

オオセグロカモメ チドリ目カモメ科 準絶滅危惧種 NT
 大きな翼で海辺を優雅にはばたく
 本州中部以北に多い大型のカモメ
 

   

千葉県、青森県での観察について


オオセグロカモメの動画  
 2016年11月、千葉の鋸山から房総半島先端まで観光に出かけました。金谷で高速を降り、海沿いを走っていますと道からすぐ下の岩場にカモメが群れているのを見つけました。スペースを見つけて車を留め、そっと岩場を覗きこんでみますと、群れはオオセグロカモメとウミネコの2種であることがわかりました。
 (当時)私は関東に移り住んでまだ2年にも満たない新参者です。以前は西日本で鳥見をしておりましたので、冬の大型カモメと言えばセグロカモメが普通で、オオセグロカモメはあまり見た記憶がありませんでした。そもそもカモメ類は似たような姿で見分けが難しいものです。セグロカモメとオオセグロカモメは背中のグレーが濃い薄いでしか見分けが付きませんので、日の当たり方によっては見分けがつかないこともあります。もしかしたら知らぬ間にオオセグロカモメをみたこともあったのかもしれません。しかし福山近辺ではまずセグロカモメが主であったと思います。
 初めてオオセグロカモメを認識したのは2016年の3月頃、茨城の大洗に向かう道すがらの道中であったと記憶しています。自分の知るセグロカモメよりどことなく色が濃いカモメを記録していて、図鑑と照らし合わせてオオセグロカモメだと同定しました。以後、冬の千葉方面ではオオセグロカモメを普通に認識するようになりました。また2017年の3月、家族旅行で青森の竜飛岬近くまでドライブした際、やはり道すがらの海岸でオオセグロカモメの小群れを見つけまして、わりと近くから観察することが出来ました。ここで紹介する動画はこれら千葉と青森で出会ったセグロカモメです。ただ旅行がてらの鳥見で撮った記録なので、ゆっくり腰を据えて動画を撮る時間がなく、飛翔の動画を撮れていません。次の冬を待ってこれらを記録したいと思います。

 オオセグロカモメの動画を置いておきます。最初の場面は青森のもの、後半は千葉の富津市で撮った記録です。

 左「オオセグロカモメの動画」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。サイズは18MBありますのでDL環境にご注意ください。


オオセグロカモメの飛翔その1、その2  
 1枚目。背中側の絵です。
 家族旅行で青森へでかけ、津軽半島の先端にある竜飛岬を目指したところ、残念ながら3月一杯までは竜飛岬への道が冬季閉鎖されていまして、直前までしか車を進められませんでした。そこでUターンする直前の海岸べりで、オオセグロカモメを見つけてレンズを向ける機会を得ました。波の音しか聞こえないのんびりとした環境で、最近あまりできていないとても気持ちの良い鳥見をすることができました。

 2枚目は銚子で撮ったアップ絵です。こちらは腹側の絵です。
 銚子港周辺はカモメ類のメッカ。もの凄い数のカモメが越冬しているので、海沿いで待っていれば色んなカモメが間近に飛んできてくれます。APS-Cに超望遠のセットだと的が大きすぎてフレームアウトすることもしばしば。ただ近場で飛んでくれるカモメは飛び立ってすぐということもあり、この絵のようにまだヒレ足を羽毛の中に隠せていない状態のままが多いので、飛翔絵の完成度としては少し難ありでしょうか。足が羽毛に格納された絵はセグロカモメにあるので参考にしてください。ちなみに足を羽毛に格納するときは足をすりすりする仕草を見せるのでかわいいですよ。カモメ類のような海鳥だけでなく、飛翔が重要な猛禽類も同じように格納しますので、長い時間で考えるとやはり足は飛翔の邪魔なのでしょうか。

 飛翔写真の場合、本当はSSを1/400くらいで流し撮りして、羽ばたきのブレなどを表現するのがカッコいいのだろうと思います。しかし私の腕ではただのブレ写真にしかならず、ゴミの量産が過ぎるので、今のところ1/1200~1/1600くらいで撮ることが多いです。それでも微妙なことがほとんどだったりする。。修業が足りない。。。  
 ちなみにその2の絵はD500に500x1.4=700mm(CPLフィルター付)、f8、1/1600、ISO900、三脚+ジンバル雲台のセットで撮っています。

 左「オオセグロカモメの飛翔その1、その2」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。



オオセグロカモメ  

 次は千葉の富津市の海岸で撮った成鳥もしくは第4回冬羽とみられる個体と、第一回冬羽と見られる幼鳥の絵です。どちらも同じ場所、同じ時間に撮っています。
 成鳥はセグロカモメに比べて目の周りに濃い模様があって、少しきつい感じの表情に見えます。ただ背中の色目がやや薄く見えるのと、くちばしの紅色に少し黒い点が残っているので、成鳥間近の第4回冬羽かもしれません。一方幼鳥は親鳥に比べてどことなくのんびりとした表情ですね。幼鳥とはいえ、サイズはほとんど親と変わりません。幼鳥のセグロカモメとの見分けですが、風切りばねの茶色が薄いこと。セグロカモメはもっと濃い茶色になります。


 左「オオセグロカモメ成鳥、幼鳥」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


観察データ

場所と回数:福井県1、石川県1、新潟県1、神奈川県2、東京都1、千葉県6、茨城県1、宮城県2、青森県2。都合17回。西日本より東日本に多いと思います。

観察月と回数:
1月1 〇
2月5 〇〇〇〇〇
3月3 〇〇〇
4月1 〇
5月0
6月0
7月0
8月0
9月0
10月2 〇〇
11月2 〇〇
12月4 〇〇〇〇
都合18日回
冬鳥です。秋の中ごろから春の始まりまで半年間見られます。




 (トップ画像 オオセグロカモメ 2017/3/18 D500 500mm/F4 + x1.4テレコン 青森県津軽半島中泊町の海岸にて撮影)

 初出:2017/4/9
 改訂:2019/5/6
 改訂:2021/2/8 文章の公正、観察データの更新
 改訂:2021/2/14 飛翔絵の追加、観察データの更新