アカゲラ 赤啄木鳥
Akagera
Dendrocopos major
Great Spotted Woodpecker

アカゲラ キツツキ目キツツキ科
 連打が得意な
 赤いお腹のキツツキ

   

長野県野辺山、神奈川県宮ケ瀬ダム周辺での観察について


アカゲラの動画

 福山にいる頃、運が良ければ会えそうなはずなのにとうとう一度も見れなかった種がいくつかいました。コマドリ、アカゲラ、カッコウなどです。いずれも声は聞いたことがありますので目に見える距離で接近遭遇していたはずです。ただアカゲラの場合は声というよりドラミングでその存在を知りました。
 まだ寒い冬の山野狭で、どこかからまるでけもののイビキのような、「ドゥルルルルルー」という細かい響きが聞こえてきました。私が知るコゲラやアオゲラは「コツコツ」とした音しか聞いたことがありませんでした。ドラムで言えばシングルショットの連打くらいの感じです。片やその日聞こえてきた音は、まるでドラムロールのような連続音で、最初はまじめに「けもののイビキかも。近づくとやばいかも」とちょっとびっくりしたものです。家に帰ってYoutubeで色々検索していて、その音がアカゲラのドラミングだったことを知りました。
 残念ながら福山市ではこの音自体を聞くことも少なく、最後まで実物を見ることはありませんでした。横浜に引っ越してきて近くの市民公園でアカゲラがいることを知りましたが、こちらも一度だけ音を聞くも、姿を見るには至らず。次に宮ケ瀬で音を聞くも、やはり姿は見えず。なかなか悩ましいやつです。そうこうしているうち、2017年の暮れも押し迫った冬の野八ヶ岳でのこと。小雪が降る中で近くに飛んできたツグミのような鳴き声をする鳥をファインダーで覗いてみたところ、なんと真っ赤な帽子をかぶったアカゲラくんではありませんか。このときは証拠写真レベルの絵しか残せませんでしたが、続く正月に清川村で木の実にぶら下がる ♀ を見つけ、やっと動画も残せました。また同じ1月の八ヶ岳再訪では念願のトントン動画も撮ることができました。

 動画を置いておきます。最初のトントンするところは八ヶ岳のもの。少し遠かったのでトントンする音はかすかにしか聞こえませんね。ロールみたいなドラミングも残せませんでした。ご容赦を。後半の木の実にぶら下がったところではVRをONのまま撮ってしまって、音声に少しノイズが乗っています。
 今回の動画は全て ♀ です。次は早く赤い帽子の ♂ も撮りたいですね。左「アカゲラ ♀ の動画」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


アカゲラ ♂

 2018年1月、月後半21日に冬真っ盛りとなった八ヶ岳の高原に向かいました。当日は超快晴で、八ヶ岳の全景をばっちり拝むことができました。この場所に立って青空バックの大パノラマ風景には本当にほれぼれしてしまいます。ちなみに八ヶ岳の左手には南アルプスも望め、場所によってはさらに左に富士山も見える。W、トリプルでめっちゃラッキー。これだけで八ヶ岳の麓まで登ってきた甲斐があるというものです。ただ期待していた雪はほぼ溶けていて、雪化粧をバックにしたハギマシコの群れ観察は儚い夢となりました。。。というかハギマシコもオオマシコもまずいません。。隠れていて見つけられないだけかもしれませんが、私の相手をしてくれるのはいつものメンバーのスズメとカワラヒワばかり。。と、ちょっと嘆息していると、目の前の木に中型の鳥が飛んできました。確認すると今年になってすごくよく出会うようになったアカゲラです。どうやら木の実をついばみに来たようで、頭が赤いので♂です。「最近よく出会う」とは言いましたが、私にとってアカゲラはまだまだ珍しい部類に入る種です。嬉々としてレンズを向けて撮影を開始します。実をついばんでいる鳥って食事に夢中なので、こんなチャンスはなかなかありません。ところがせっかく彼が機嫌よく食事している所にツグミがやってきて喧嘩を始めてしまいました。。。「こらツグミ邪魔すんなよ」とか文句を言いつつ、レンズでアカゲラの姿を追いかけますが、いったん両者が分かれてもまたすぐに寄って来てつばぜり合いを始め、なんとも落ち着きがありません。。結局、幾度かのバトルの後にアカゲラは負けてしまい、どこかへ飛び去ってしまいました。もうちょっとゆっくり撮らせて欲しかったなぁ。まぁ、自然の中の鳥が相手ですから仕方ないですね。また次の機会、枝被りない全身を撮りたいです。

 左「アカゲラ ♂」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


アカゲラ、亜種エゾアカゲラ ♀

 2018年正月、縁起の良いタカでも見れないかと清川に来てみたら、なぜかすぐ目の前の低い木にアカゲラの ♀ がぶら下がっていた。。滅多にないことなのでありがたく撮らせていただきましたが、木の実にぶら下がるキツツキはあまり絵になりませんね。

 もう一枚は2022年GWの北海道の記録。約20年ぶりに十勝の地にやってきました。そこで思い出のある市街地の公園に寄ってみましたところ、色々な生き物と出会えました。
 亜種シロハラゴジュウカラ、シジュウカラ、亜種エゾアカゲラ、ツグミ、ヒヨドリ、エゾリス、などなど。この絵は公園の木をあっちこっち飛んでいた ♀ のエゾアカゲラです。エゾアカゲラはアカゲラの亜種で胸から腹がより白っぽかったりするそうです。上の清川の個体は確かに腹の色が少し薄汚れたように赤みがかっているので、違いがわかるかと思います。

 左「アカゲラ ♀、亜種エゾアカゲラ ♀」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


亜種エゾアカゲラの飛翔
 北海道エゾアカゲラの記録で、一つ上のものと同一個体です。当日小雨の降る空模様であまりSSが上がらず、翼はぶれた絵になっています。それでもきれいな白黒模様だと分かりますね。

 左「アカゲラ ♀ の飛翔」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


観察データ

場所と回数:長野県 4、山梨県 1、神奈川県 1、栃木県 1、北海道1、計8回。平地の公園でも見られるようですが、私の経験ではある程度高い場所の方が出会える確率が高いと思います。ちなみに私の記録で高度500m以下での記録は神奈川県清川村での1回と北海道音更町のみ。あとは皆、1,000m以上の高地ですし、北海道も実質高地レベルな環境なので、本州で見たいならいつの季節もより涼しい場所に行くほど確率が上がるのかなと思います。

観察月と回数:

1月2 〇〇
2月1 〇
3月0
4月0
5月2 〇〇
6月0
7月0
8月0
9月1 〇
10月0
11月1 〇
12月1 〇
計8回
5月、9月は長野の高地と北海道の記録。それ以外は冬場の出会いなので本州の低地で観察しようと思うと冬場にチャンスがあるのではと思います。ちなみに福山時代に300mレベルの山で聞いたアカゲラらしきドラミングも2月のことでした。



  (トップ画像 アカゲラ 2017/12/21 D500 500mm F4.0 長野県野辺山周辺にて撮影)

 初出:2018/01/05
 改訂:2018/01/21
 改訂:2018/08/12 観察データを追加
 改訂:2022/06/02 エゾアカゲラの静止画を追加。観察データを更新