マヒワ 真鶸
Mahiwa
Carduelis spinus
Eurasian siskin

マヒワ スズメ目アトリ科
 緑色が美しいやや小柄な小鳥

   

広島県福山市、山梨県近辺での観察


マヒワの動画

 マヒワは福山市や横浜市近辺では冬の鳥です。主に山で見かけますが、2021年などでは横浜市内の公園や大阪城公園、千里公園などで見かけましたので観察しやすい小鳥だと思います。ただ今まで都市部公園で見たことはなかったので、2021年は当たり年だったのかもしれません。姿格好はメジロによく似ていまして、頭上を移動している時などは両者をよく見間違います。色は全体的にメジロより少し明るめの黄緑色ですが、翼に黒色のスジ模様が入るので背中から見るとメジロでないことがすぐにわかります。尾羽の先がV字に切込みが入っており、これはメジロも同じですが、メジロよりはもっと切込みが深くなっています。サイズはマヒワの方がやや大きいかな。でも1cmも差が無い様なのでまあ似たりよったりです。
 マヒワを見たければまず山でヤシャブシの実を捜しましょう。私のイメージでは「マヒワ=ヤシャブシに生っている小鳥」くらいに強い結びつきがあります。当然写真もヤシャブシと一緒のものばかりです。ヤシャブシは少しとげとげしたうずらの卵っぽいサイズの黒っぽい実がたくさん生る木なので、あればすぐに分かると思います。
 群れでよく移動するので、必ずしも同じ場所で毎回見られるものではありませんが、真冬から春先の鳥見では比較的出現率の高い鳥だと思います。ヤシャブシの実を啄ばんでいる時など、驚かせないようにしていればずっと観察を続けることも可能です。

 動画を置いておきます。上の説明の通りヤシャブシの実をほじっているところばかりです。30sまであたりは皆ふれ愛ランドでの記録。最後の青空バックのものは山梨県の山の中で撮った絵です。

 左「マヒワの動画 福山市ふれ愛ランド、山梨県嵯峨塩周辺にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


マヒワのスロー動画

 マヒワはヒワがつく名前の通りカワラヒワと近縁種です。カワラヒワより色は淡目で、サイズも一回り小さいのですが、尾のV字な切れ込みは良く似ています。また羽を広げた時の黄色い模様の出方もよく似ています。スローで見るとよくわかります。

 左「マヒワのスロー動画 福山市ふれ愛ランド周辺にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


マヒワ ♂

 ふれ愛ランドで撮ったマヒワの小群れです。♂は黒くすすけたような帽子を被っていて、緑色もやや濃いです。先にマヒワはカワラヒワと良く似ていると言いまし。けれども嘴の太さは全然違います。カワラヒワの太さに比べてマヒワはかなり細いです。シメイカルウソなど概してアトリ科の鳥は皆嘴が太めなのですが、マヒワの場合はヤシャブシの実を穿り出して啄みやすくするように細くなったのかな?ここまでヤシャブシ好きなマヒワさんたち、果たしてヤシャブシの実が無い夏場は何を食べているのでしょうね。私は冬のマヒワしかしらないので、虫とかをエサにするマヒワをどうも想像できません。

 左「マヒワ♂ 福山市ふれ愛ランド周辺にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


マヒワ ♀

 2012年冬のふれ愛ランドでは近年に無く多くのマヒワが見られました。ある日いつも歩く散歩道の真横で一生懸命ヤシャブシを啄ばむ♀がおりました。ある程度撮っては三脚を持ち上げながらそろそろと前に進み、また少し撮っては少し前へと繰り返す中、気が付けばちょっとどきどきする位まで近づくことができました。距離にして5mくらいでしょうか。街の公園で人に慣れた野鳥なら別ですが、田舎の山ではレンズをあからさまに向けた抜き身状態のままでこれほど小鳥に近づけるチャンスなど滅多とありません。ヤシャブシを食べ始めるとレンズを向けてうろうろするおっさんなど眼中に無い、といった感じでありました。頼もしいというか、天然というか。。。

 左「マヒワ♀ 福山市ふれ愛ランド周辺にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。



マヒワの飛翔

 2016年の秋、千葉の房総半島へ日帰り旅行に出かけました。アクアラインから木更津周りで館山方面に向かい、最初に降り立った場所は鋸山という東京湾に面した観光名所でした。海沿いから急に切り立った300m少しの小高い岩山で、岩を彫刻した巨大な仏像や観音様があります。また頂上付近には眼下100mを覗ける「地獄のぞき」なる展望所があります。ここで山登りの一服をしていたところ、隣の山に小鳥の群れが見えました。羽の黄色いすじ模様からするとマヒワの群れのようです。冬鳥としてやってきたのでしょうか。それともまだ移動中だったのかもしれませんね。

 左「マヒワの飛翔 千葉県鋸山周辺にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。

観察データ

場所と回数:福山市ふれ愛ランドで19、大阪城公園1、千葉県鋸山1、山梨県嵯峨塩1、都合22回。中国地方から関東まで、山だけでなく都市部の公園でも見かけます。私は写真の記録はありませんが、横浜市の公園でも大阪府豊中市の公園でも現認しています。

観察月と回数:
1月6 〇〇〇〇〇〇
2月5 〇〇〇〇〇
3月4 〇〇〇〇
4月1 〇
5月0
6月0
7月0
8月0
9月0
10月1 〇
11月3 〇〇〇
12月2 〇〇
都合22回
本州中部以南では普通にみられる冬鳥です。私は出会ったことがありませんが、東北や北海道では一部が繁殖する留鳥とのこと。




 (トップ画像 マヒワ 2008/01/13 ふれ愛ランド周辺にて撮影)

 初出:2014/10/05
 改訂:2018/06/06 文章の校正
 改訂:2018/10/15 飛翔絵を追加
 改訂:2021/04/10 文章の見直し、動画の更新、観察データの追加