オナガ 尾長
Onaga
Cyanopica cyana
Azure-winged Magpie

オナガ スズメ目カラス科
 頭に黒い頭巾をかぶった
 尾が長くて蒼いカラス

   

オナガ


 オナガは本州の東部、また人家に近い地域にいる小型のカラス類です。淡いブルーグレーの体に長い尾羽をもった美しい姿をしています。
 似た体形をしたカササギの生息域が九州北西部に偏っているのに対して、オナガは主に本州中部以東でしか見られません。ちなみに私が長く住んでいた福山や、子供の頃に育った関西地方では、どちらの鳥も見られませんでした。
 サイズはおよそヒヨドリサイズですが、尾羽がヒヨドリよりさらに長い感じの姿、といえば想像がつくでしょうか。飛ぶ姿はまさに尾を引くといいますか、ムクドリのようにバタバタせず、かといってヒヨドリのような勢いはなくて、わりとゆったり、優雅な感じの飛翔姿を見せてくれます。鳴き声は「ギュイーン・ギュイーン」と、かなり騒がしく特徴的な声なので、近くにいればすぐにわかるでしょう。
 オナガは深山には姿が見えず、里山公園にも少ない、居るのは人が住む住宅地近辺、という変わった習性の鳥です。営巣も住宅地にある小規模な公園で行われます。オナガの営巣する公園にはなぜかツミも営巣する確率が高く、何かしらの共存関係にあるようです。(諸説あります)



「オナガ」 クリックで拡大します。

オナガ

神奈川県横浜市
1280×853 px
2022/06/11
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E
FL ED VR

 顔はカラスのごとく黒頭巾ですが、クチバシは小さめです。背中は淡いグレーで、翼と尾羽は淡いブルーグレー。中央尾羽の先端のみ白くなっていて、飛ぶとこのワンポイントが結構目立ちます。



「オナガの飛翔」 クリックで拡大します。

オナガの飛翔

神奈川県横浜市
1280×853 px
2016/06/19
Nikon D7100 Mode A
Tamron A011
150-600mm / F5.6-6.3

 都市部の公園は狭くて、また繁殖期は初夏で葉も茂っているため、オナガの飛翔絵を記録するのは結構な難易度が高いです(言い訳です)。中央尾羽の先端のみ白くなっていて、飛ぶとこのワンポイントが結構目立ちますね。



「オナガ 若鳥」 クリックで拡大します。

オナガ 若鳥

千葉県千葉市
1280×853 px
2015/08/23
Nikon D7100 Mode A
Tamron A011
150-600mm / F5.6-6.3

 生まれて初めて撮ったオナガは、生まれて間もない若鳥だったようです。くちばしに幼さが残りますが、姿・色目は成鳥とあまり変わりませんでした。



「オナガの羽」 クリックで拡大します。

オナガの羽

神奈川県横浜市
1280×853 px
2016/07/02
Nikon D200 Mode A
Nion DX Zoom 18-55mm/F3.5-5.6G II ED

 市内の公園でオナガを観察していて拾った羽です。長いものは初列風切りの2枚目。羽毛は背中のものでしょうか。ちなみに羽毛は前日の雨で濡れた草の葉っぱの上に乗って留まっていました。デリケートな羽毛は土まで落ちるとすぐに失われるのでラッキーでした。



観察データ

場所と回数:関東で10回。全て街中の記録です。繁殖場所を知れば、落ち着いて待っていれば確実に見られます。ギュイーンギュイーンと特徴的なだみ声で鳴くので、声を頼りに探すのがよいと思います。住宅地に住む鳥なので、普段から見かけても写真に残せることは少ないです。(居住地に望遠レンズを向けるのはマナー違反なので)

観察月と回数:
1月0
2月0
3月0
4月0
5月3 〇〇〇
6月2 〇〇
7月3 〇〇〇
8月1 〇
9月0
10月1 〇
11月0
12月0

計10回

留鳥です。一番観察し易いのは初夏の繁殖次期ですので、私の観察回数も夏場に偏っています。実際は市街地で通年見かけます。





 (トップ画像 オナガ D500 500mm/F4 2017/07/17 神奈川県横浜市にて撮影)

 初出:2016/06/26
 改訂:2017/07/17
 改訂:2020/05/24 文章の校正、観察データの追加
 改訂:2022/05/24 静止画とトップ絵の差し替え、文章の校正、観察データの更新
 改訂:2022/09/19 全面改訂