ホシガラス 星鴉
Hoshigarasu
Nucifraga caryocatactes
Spotted Nutcracker
 
ホシガラス スズメ目カラス科
 黒地に白い涙模様が美しい
 高山のカラス

   

ホシガラス



 私の経験でお話ししますと、ホシガラスはおよそ標高1,500m以上、つまり亜高山以上の高い山で見ています。春先から初夏では森林限界より低い針葉樹帯の樹上にいるようですので、深い緑と頭上の距離からして観察は容易でありません。一方、秋の時期は、ハイマツやゴヨウマツの実を求めて森林限界より上の高い山に飛来してきます。このあたりは基本岩場であって視界を遮るものが少く、また背の低いマツの上部に止まっていることが多いので、ホシガラスを観察するには一番よい場所と言えます。ただし一般人が望遠レンズ付きカメラなどをかかえて簡単に登れる高山などはかなり限られているので、やはり観察が難しい部類の鳥だと思います。
 サイズはハト程度。鳴き声はカケスのようにしわがれたジェージェーという濁声です。黒い体に白い涙模様たくさん見えるのがホシガラスの名前の由来です。



「ホシガラス」 クリックで拡大します。

ホシガラス

岐阜県高山市
1280×853 px
1024×682 px
Nikon D500 Mode A
Tamron A011
150-600mm / F5.6-6.3

 アルプスの高山に登って出会ったホシガラス。たまたま足元に水を飲みに来てくれて、間近で観察することができました。



「ゴヨウマツのホシガラス」 クリックで拡大します。

ゴヨウマツのホシガラス

福島県福島市
1024×682 px
2016/10/09
Nikon D500 Mode A
Tamron A011
150-600mm / F5.6-6.3

 こちらは標高およそ1,600mあたりの山に広がるゴヨウマツ林で見たホシガラス。初めてまともにホシガラスを観察できた、思い出深い場所です。



「ホシガラスの飛翔」 クリックで拡大します。

ホシガラスの飛翔

岐阜県高山市
1024×682 px
Nikon D500 Mode A
Tamron A011
150-600mm / F5.6-6.3

 標高3,000mに近い場所でしたので岩場が多く、派手目なホシガラスもこのような場所では保護色になっているのかと思えました。



「ホシガラスの飛び立ち」 クリックで拡大します。

ホシガラスの飛び立ち

福島県福島市
1024×682 px
2016/10/09
Nikon D500 Mode A
Tamron A011
150-600mm / F5.6-6.3

 ゴヨウマツからホシガラスが飛び立つ絵です。お腹の白い涙模様(星)が翼の下面まで伸びていて、模様が少しヒョウモンチョウみたいだなと思いました。



観察データ

場所と回数: 岐阜県 1、長野県 2、福島県 1、計4回。富士山五合目あたりでも飛んでいる姿を見ていますが、絵に残せたのは4回だけです。甲信越の山なら2,000m超えの場所で、東北方面なら1,500m超えくらいで出会いが多い気がします。

観察月と回数:
1月0
2月0
3月0
4月0
5月0
6月0
7月0
8月0
9月3 〇〇〇
10月1 〇
11月0
12月0
計23回

留鳥または漂鳥。私の観察が秋に偏っているのは、
 1.高山の紅葉を見に出かけで見つけた。
 2.亜高山にタカの渡り観察に行ったときにときどき飛んでくれた。
の2パターンにはまっているからです。ちなみに高山の紅葉は9月末からが見ごろと、低山の次期よりは大分早いです。



 
 
 (Top画像 ハイマツのホシガラス 2018/09/24 D500 150-600mm/F5.6-6.3 岐阜県高山市)
 
 
 初出:2018/09/24
 改訂:2020/10/1
 改訂:全面改訂 2022/10/10