ライチョウ 雷鳥
Raichou
Lagopus muta
Rock ptarmigan

ライチョウ キジ目キジ科 絶滅危惧ⅠB類 EN 天然記念物
 高い山にしか棲めない
 孤高の鳥

   

ライチョウ


 ライチョウは森林限界を越えた高山帯でしか生息しないキジ科の鳥です。近年、人が山に登った際に残すゴミ(餌)により、サルやカラス、キツネなどが高山帯にも進出し、ライチョウは絶滅の危機に瀕しています。(2,000年代での生息数はわずか2,000羽程度とのこと)温暖化云々よりこちらの方がとても深刻な問題ですので、山に登っても、ゴミは現地に残さず、持って帰るようにしましょう。



「ライチョウ ♂ 1 」 クリックで拡大します。

ライチョウ ♂ 1 横姿

富山県立山町
1280×853 px
2019/05/03
Nikon D500 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3

 ライチョウの♂(まだおよそ冬羽姿)です。撮影場所は富山県立山町。GWの立山はまだ一面雪景色でしたので、鳥もまだ大半が白い冬羽で覆われていました。


「ライチョウ ♂ 2 」 クリックで拡大します。

ライチョウ ♂ 2

富山県立山町
1280×853 px
2019/05/03
Nikon D500 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3

 上の絵とは別個体のライチョウ ♂ です。撮影場所は上と同じ富山県立山町。背後に見えるのはハイマツです。標高2,500mともなると森林限界を超えてくるので、木はハイマツくらいしか生えていません。それでも当地ではライチョウやカヤクグリが元気な姿を見せてくれました。



「ライチョウ ♀」 クリックで拡大します。

ライチョウ ♀

富山県立山町
1280×853 px
2019/05/03
Nikon D500 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3

 ライチョウの♀です。♂との見分けは目の上に赤い肉冠がないことで、知っていれば結構遠目でも雌雄の判別が可能です。



「ライチョウ 幼鳥 」 クリックで拡大します。

ライチョウ 幼鳥

岐阜県高山市
1280×853 px
2018/09/24
Nikon D500 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3

 ライチョウの幼鳥です。少し絵が小さくて分かりにくいですが、真ん中やや下、ハイマツの下に隠れるように右を向いた顔が見えるかと思います。目の上に赤いアイシャドウが見えるので ♂ のお子さんですね。




「ライチョウの尾羽 」 クリックで拡大します。

ライチョウの尾羽

富山県立山町
1280×853 px
2019/05/03
Nikon D500 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3

 ライチョウ♂の尾羽です。ディスプレイの一種なのでしょうか。尾羽を開いて立てたまま歩いていたので、「やっぱりニワトリの仲間なんだ」と感じました。




「ライチョウのお土産 」 クリックで拡大します。

ライチョウのお土産

岐阜県高山市の売店で購入
1280×853 px
2018/09/24購入
Nikon D200 Mode A
Nikon DX Zoom 18-55mm/F3.5-5.6G II ED

 山を登っていたときに途中の売店小屋で休憩させてもらいつつ、お土産を買ってかえりました。緑のタオルハンカチは夏羽のライチョウが刺繍されています。その後同じシリーズのハンカチで黄色地のトキのものも佐渡の土産で買いました。せっかくなのでどちらも鳥見のときに持って出て使っています。



観察データ

場所と回数:岐阜県高山市1、富山県立山町1、計2回。日本では南アルプスと北アルプスで繁殖が確認されています。最近中央アルプスでも飛来した一羽の♀をきっかけに、繁殖群の復活が試みられているそうです。いずれの場所もバスやロープウェイで繁殖地のすぐ近くまで行くことができます。観察は次期と天気さえ合えば、思うよりは難しくないと思います。(関東や関西からだとどの山でも麓での前泊はほぼ必須となりますので、天気を見ながらの計画が必要ではあります)

観察月と回数:
1月0
2月0
3月0
4月0
5月1 〇
6月0
7月0
8月0
9月1 〇
10月0
11月0
12月0

計2回

留鳥です。ただし高山に棲む鳥なので、一般人はGWから10月下旬くらいまでしか観察の機会はないと思います。山開き直後はまだ現地は雪景色で鳥も冬羽のように白っぽい羽模様を楽しめますし、子育ての行われる夏場以降は茶色っぽい夏羽となります。




 過去私が登った山で一番高い場所は中央アルプスの木曽駒ケ岳の2,900m付近。1960年台まではここにもライチョウがいたらしいのですが、ロープウェイ駅ができて人の喧騒が近づいたために消えてしまったとのこと。そうして生息域が狭くなって、現在ライチョウが棲息しているのは、今回私が訪れた北アルプスと、まだ行ったことのない南アルプスの2か所のみになってしまいました。しかしその後最近になって一羽の♀ライチョウが中央アルプスに飛来して、これをきっかけに現在当地では繁殖作戦が実行されています。1,2年目はいずれもサルにやられて、ヒナは全滅したそうですが、2021年には保護の甲斐あって20羽ものヒナが生まれたのだとか。今後、ぜひこの地でもライチョウが定着して欲しいと願います。


(トップ画像 ライチョウ 2019/05/03 富山県立山町にて撮影)



 初出:2019/05/05
 全面改定:2022/07/18
 改定:2022/07/23 Lightbox化