シジュウカラ 四十雀
Shijukara
Parus minor/Parus Mager
Japanese Tit/Great Tit

シジュウカラ スズメ目シジュウカラ科シジュウカラ属
雀が四十羽の価値とされる ? 美しい小鳥

   

シジュウカラについて



 シジュウカラの名前の語源については諸説あります。上に書いた通り、スズメ40羽分の価値があるほどきれいな小鳥だからという説があったり、始終(しじゅう)さわがしく鳴き続けているからシジュウカラと名づけられたという説もあったりします。どちらも確かに言いえて妙だとは思いますが、私はスズメ40羽分説に旗を上げたい派です。モノトーンの基調に絶妙に雅な黄緑色のストールを纏ったような肩口が、本当にきれいです。日本の花鳥画において、季節を問わずに映える題材として一番人気の小鳥になっているのも納得です。
 以前福山市(西日本)に住んでいたころは、家の周りでときどき鳴き声を聞いたものの、さほど多くを見かけることはありませんでした。しかしこちら横浜に越してきてからは、より密度の高い住宅地に住んでいるにも関わらず、シジュウカラをとてもよく見かける(声も聞こえる)ようになりました。なので最近は福山時代よりシジュウカラたちとの距離がぐっと近づいたような気がしています。実際、うちの家の庭にも普通に飛んで来て愛嬌を振りまいてくれます。基本的に虫などを捕る動物食な小鳥だと思うので、庭木レベルの植樹が結構な餌場となっているのかなと感じています。





「公園のシジュウカラ 1、2、3」 クリックで拡大します。

公園のシジュウカラ 1



公園のシジュウカラ 2


公園のシジュウカラ 3

1.千葉県習志野市
2016/01/03
2.神奈川県横浜市
2017/05/07
3.同
2015/12/12
1024×682 px
1.3.Nikon D7100 Mode A
Tamron A011
150-600mm / F5.6-6.3
2.Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3


 地元横浜の公園と千葉の谷津干潟で撮ったシジュウカラ。街の公園で見かけるシジュウカラは10m以内の距離で観察することができます。写真の練習相手にはもってこいの小鳥ですね。
1.は冬枯れした葦の中、2.は初夏の緑をバックに、3.は紅葉をバックに撮ってみましたが、いずれの季節でもシジュウカラは絵の中に自然に溶け込むような優しく上品な色をしているな、と感じます。  



「シジュウカラ ♂ ♀ 」 拡大はなしです。

シジュウカラ ♂

シジュウカラ ♀

♂ 山梨県南都留郡
2022/02/12
♀ 千葉県千葉市
2015/03/22
450×300 px
♂ Nikon D7100 Mode A
Tamron A011
150-600mm / F5.6-6.3
♀ Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR


 上が ♂ で、下が ♀ 。シジュウカラは胸の黒ネクタイの太さで雌雄を判別することができます。♂ は首元からしっかりと太い感じ。一方 ♀ のネクタイは全体的に細めな感じです。
 



「シジュウカラ 幼鳥」 クリックで拡大します。

シジュウカラ 幼鳥


静岡県
2023/07/29
1024×682 px
 Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR


 富士山周辺の水場で撮ったシジュウカラのお子さんです。
 色が薄くて、クチバシの根元も黄色いのでこの夏に生まれたばかりの幼鳥だと思われます。このまま元気に育ってもらい、また来年も会いたいものです。
 



「シジュウカラ 飛翔」 クリックで拡大します。

シジュウカラ 飛翔


埼玉県
2022/03/05
1024×682 px
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR


 埼玉の公園で撮ったシジュウカラ。丁度羽を広げて飛んでくれたところです。
 シジュウカラもセキレイやホオジロみたく、飛んだときに尾羽が広がって両サイドの白が目立ちます。そういえばこれらの小鳥はみな尾羽が長めですね。ベニマシコなんかもそんな感じ。わざと目立たせているように感じるので、やはり尾羽の外側が白いタイプって何か意味があるんでしょうね。
 



「シジュウカラの尾羽根」 クリックで拡大します。

シジュウカラの尾羽根


神奈川県相模原市
2015/12/19
682x1024 px
Nikon D200 Mode A AiAF Micro Nikor 60mm / F2.8  

 相模原の公園で鳥見をしていたとき、空からくるくる回りながら私の目の前に降ってきた小鳥の羽根。3枚がひっついた状態で落ちてきました。周囲で何かが飛んでいたり騒ぐような様子もなかったので、思いもよらず手に入れた空からの贈り物でした。
 「白黒なのでセキレイの羽根なのかな?」とか思いつつ、家に持って帰って羽図鑑で調べた結果、これはシジュウカラの尾羽だということが判明しました。白いのは一番外側の羽根で、黒いのは外から3番目の羽根。また短いのはひっついていたことを考えると下尾筒あたりかなと思われます。なぜ3本まとめて抜け落ちたのかは不明といういか不思議ですが、落とし主の無事を祈るばかりです。
 





「欧州シジュウカラ」 拡大はありません。

ドイツのシジュウカラ


ドイツ・ミュンヘン
2010/11/10
682x1024 px
Nikon D200 Mode A Nikkor AiAF ED 80-200mm/F2.8s


 ドイツへ出張したときに、早朝にホテル周辺を散歩して見つけたシジュウカラです。日本のと違って腹が黄色いのですが、背中の色目や模様は日本のシジュウカラとよく似ていたので、すぐにシジュウカラだとわかりました。
 日本に戻って調べてみると、こちらはGreat Titという種で、以前は日本のものとは同種(日本のが亜種)とされていたのが最近は別種とされるようになったのだとか。ということでこの証拠写真をもとに私の登録種も「欧州シジュウカラ」として1種増やさせていただいている次第です。
 


観察データ

場所と回数:中国地方 51、近畿 2、東海甲信越 24、関東 58、東北 4、北海道 2、計141回。中国地方から北海道までで見ています。私の場合、九州での鳥見は海辺と少しの平地でしかできていないため記録がありませんが、たぶん普通に見られると思います。
都市部でも、公園はもちろん住宅地でも普通に見られます。特に関東は密度が高いように感じます。

観察月と回数:
1月29 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
2月15 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
3月13 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
4月2  〇〇
5月16 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
6月12 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
7月6  〇〇〇〇〇〇
8月4  〇〇〇〇
9月6  〇〇〇〇〇〇
10月10 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
11月6  〇〇〇〇〇〇
12月22 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
計141回
留鳥です。年中平地で見られるので最も身近な野鳥のひとつだと思います。
上の星取表をあらためて見てみると、4月のみ観察数が極端に少なくて不思議な感じがします。7,8,9月は単純に暑くて鳥見が少ないから回数も少ないという理由がありますが、4月はそれなりに鳥見に出かけています。その数少ない4月の記録を見てみると、口に苔を咥えているものがありましたので、この時期は巣作りで忙しく、あまり表に出てこないのかもしれませんね。次の4月は頑張ってシジュウカラを探してみようと思います。



 (トップ画像 シジュウカラ D500+500mmf/4.0 2023/12/23 東京都)

 初出:2014/11/18
 改訂:2015/04/22 アップ画像を差し替え
 改訂:2015/12/18 尾羽の画像を追加
 改訂:2016/01/04 アップ画像を差し替え
 全面改訂:2023/12/29