コサギ 小鷺
Kosagi
Egretta garzetta
Little egret

コサギ ペリカン目サギ科
 一番よく見る「普通な」シラサギ

   


横浜市、福山市近辺での観察について

 鳥好きの者であれば、小型の白いサギがコサギという種であることを知っていると思います。しかし一般の方にとれば、コサギもダイサギもただの「シラサギ」であろうと思います。福山市内の生活県内で普通に見られる「シラサギ=白いサギ」にはダイサギ、チュウサギ、コサギ、アマサギの4種(それぞれ左のメニューサムネイルの下の方で紹介してあります)がいます。横浜では種が少し少なくなり、ダイサギとコサギを見つけています。中でもコサギは年中見られる留鳥で、水辺であれば川でも池でも海でもはたまた田んぼでも、どこででも見られる最も普通なシラサギです。

 コサギの見分け方はいくつかあります。
1.夏も冬も全身が白くてクチバシが黒く且つ長い
2.足は軸が黒くて、指が黄色い
3.(一緒に他のシラサギがいれば比較して)身体が最も小さい
4.3後ろ頭に2本の飾り羽が出る
 
 慣れれば上の1.と2.ですぐにコサギが判別できます。というか、ダイサギとチュウサギを区別するのに比べればコサギを区別するのは割と簡単です。
 コサギに似た種で初夏に現れるアマサギというシラサギがいます。アマサギは頭から胸にかけてオレンジ色に色づいた個体が多いのですが、真っ白の個体もいるのでコサギと間違うことがあります。しかしクチバシが黄色くて短いのでそこを見ればすぐに区別がつきます。
 もう一つ。横浜や福山近辺では滅多と見かけない種でカラシラサギという種がいます。私は2021年の夏になって千葉でやっと出会うことができました。こちらはコサギと同じように後ろ頭に垂れ下がった飾り羽を持っています。
 カラシラサギは夏羽の場合はクチバシが黄色いのでコサギとの区別はとても容易です。しかし冬はクチバシが黒くなりパッと見ただけではコサギと区別が付かなくなります。ただカラシラサギは非常に個体数が少なく(国内 NT、世界的にはVU)、「コサギだと思っていたらなんとカラシラサギだった!めっちゃラッキー!!」みたいな稀有な存在ですので、普段の川や田んぼのコサギ観察ではあまり意識する必要がありません。ちなみに福山近辺では松永湾で観察記録があったそうですが、私が見る限り松永湾で見られるシラサギはいつもコサギばかりでした。

 アオサギのページでも書きましたが、サギ類は概して賢い鳥だと感じます。コサギは水辺で餌を探すとき、足を一歩前に出して指先をプルプル震わせながら餌を追い出し、出てきたところを「オリャー!」とくちばしで突いて捕まえます。この足で追い出す行動、アオサギがするところは見たことがありません。その分コサギは短気というか、実際群れでいてもよくコサギ同士で喧嘩していますし、気性が荒いのかもしれませんね。
 コサギの動画を置いておきます。松永湾で撮る動画は少々殺風景ですが、鳥の動きはよく見えるかと思います。

 左「コサギの動画」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


秋のコサギ

 もう20年近く前の2002年のこと、私がデジタル一眼レフカメラで初めて撮った野鳥の写真がこの一枚です。私は過去撮った野鳥写真を年月日、場所、種をキーにしてエクセルの表に記録しておりまして、2021年現在およそ4,500行ある記録の第一行目がこの写真記録になっています。正に記念すべき第一号写真です。
 使用カメラはD100。レンズは今はもう隠居しているオールドサンヨンです。D100は連射こそ利きませんでしたがRAWで撮れば非常に写りが優れたカメラで、特にこのサンヨンや60mmマクロとの相性は抜群でした。この絵は近所の川沿いを散歩していて撮りました。バックの紅葉が綺麗なので今でもお気に入りの一枚です。背中の飾り羽がカールしているのはコサギの特徴です。橋の手すりに止まっているのはご愛嬌。

 左「秋のコサギ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


魚を狙うコサギ

 こちらは上の写真から5年経ちD200とサンヨンで撮ったコサギです。場所は広島県府中市内の芦田川の支流です。当時府中市内の病院に通院していて、病院の待ち時間に周りの川で暇つぶしに野鳥を撮っていましたが、私が本格的に野鳥の写真を撮り始めたのはこの暇つぶしがきっかけです。またこのコサギが上で書いた「足指プルプル」をしながら魚を突くのを見て、野鳥観察の面白さに惹かれるようにもなりました。当時病院付近の芦田川沿いで撮ったこのコサギ、ジョウビタキの ♀トビの飛翔写真は今もお気に入りで弊web内でも飾らせてもらっています。この3枚の絵作りが少しだけ自信となって今に至っています。

 左「魚を狙うコサギ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


初夏のコサギ

 カメラがD7100に代わったときの写真となります。レンズはTamron A011で、初夏の田んぼで撮ったものです。注目していただきたいのは目先の色で、ピンク色をしているのがおわかりいただけるかと思います。これは繁殖期に特徴的な婚姻色が出ているものです。また目の色から黄色が抜け、青っぽい色になっています。目先の色が婚姻色として変わるのはサギ類の特徴ですが、サギごとに赤かったり緑だったり色々で、見ていて面白いですね。

 左「初夏のコサギ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


コサギの飛翔

 最後はコサギの飛翔写真です。この写真ではカメラがD500になりました。飛翔写真といっても足が曲がっているのでまだ飛びはじめの絵ですね。この絵は漁港で撮っています。魚を陸にあげた船の近くはいつもサギたちやカモメ、トビなどで大賑わいなので見ていると面白いですね。普段は人の目を気にして一定距離を取る彼らですが、いざ餌を前にするとそんな細かいことは一切お構いなし。現金な面白いやつです。

 左「コサギの飛翔」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


タイのコサギ

 今度は異国でのお話。2019年に仕事でタイのバンコクに宿泊をとっておりました。一日お休みがあったので近所の公園に鳥見に出ました。
 公園内には大きな池がいくつかあって、その水辺でシラサギを一羽見つけました。見た感じコサギです。タイにもコサギはいるのかと観察していたところ、浅瀬から飛び立って近くの木に止まり、毛づくろいなど始めました。日本ではコサギが木に止まって休憩する姿は割とレアだと感じます。ただタイの昼間は灼熱地獄であったため、木陰に入りたい気持ちはとてもよく分かります。
 この絵は頭が少し尖がってみえますが、コサギが頭の羽毛を膨らませると、日本の個体でもよくこのような感じになります。あとで手持ちの日本とタイの野鳥図鑑で調べたところ、日本のコサギとタイのコサギは全くの同一亜種だそうで学名も同じでした。ということで、残念ながら野鳥のライフカウントは増えませんでした。。。
 この絵の機材はV1と1Nikkor70-300mmズームです。さすが純正レンズだけあって、写りがもうひとつなV1にしてみれば、まずまずきれいな絵に仕上げてくれる感じです。

 左「タイのコサギ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。



観察データ

場所と回数:鹿児島県 1、広島県/岡山県 備後地方 29、大阪府 1、神奈川県5、東京都 3、千葉県 5、新潟1、タイ 2、都合47回。九州から北陸まで、池、川、田んぼ、海の干潟などで観察しています。

観察月と回数:
1月2  〇〇
2月1  〇
3月6  〇〇〇〇〇〇
4月3  〇〇〇
5月4  〇〇〇〇
6月3  〇〇〇
7月5  〇〇〇〇〇
8月3  〇〇〇
9月4  〇〇〇〇
10月10 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
11月4  〇〇〇〇
12月2  〇〇
都合47回
私の知る本州では一年中みられる留鳥です。お勧めの季節はやはり飾り羽がきれいな初夏でしょうか。でも私的には秋の季節をバックにしたコサギも好きです。なぜか白色がきれいに見える気がするのです。気のせいかな?



 トップ画像 コサギ 2021/04/11 D500 500mm/f4.0 千葉県九十九里浜にて撮影
 コサギは婚姻色で足指が黄色から桜色に変化します。面白いですね。

 初出:2014/10/25
 改訂:2015/05/19
 改訂:2021/07/24 トップ絵と飛翔への差し替え、文章の見直し、タイの個体と観察データの追加
改訂:2021/08/14 サギ科へのリンクを追加、文章の見直し