チュウサギ 中鷺
Chusagi
Ardea intermedia
Intermediate Egret

チュウサギ ペリカン目サギ科 準絶滅危惧種 NT
 夏の田んぼで見かける
 すらりとした白いサギ

   

福山市近辺での観察について

 そこかしこのページでお話ししていますとおり、福山時代の我が家は周りが田に囲まれており、特に家の裏手は塀の向こうがすぐ田んぼになっています。6月になって田に水が張られますと、蒸し暑くなり始めた初夏の夜も一気に涼しくなり、2Fの寝室はおかげさまでその後真夏になってもクーラー要らずでありました。
 朝目覚めて田んぼの方向のカーテンを開けますと、時々田を練り歩く白いサギを見かけます。夏に見る田んぼのサギはおよそチュウサギかコサギとなりますが、うちの近所はチュウサギの割合が多いようでした。そもそもチュウサギは全国的に数が減り、いつの間にかわが国では保護種になってしいます。しかし幸いなことに広島県福山市近辺では今もごく普通に見られる種です。これは周囲の田畑で農薬散布が少ない証しなのだろうと、地域社会にはとても感謝の次第です。
 チュウサギは田畑で見る代わりに川ではあまりみかけたことがありません。浅くて少し水が張った程度の湿った場所が好きなのかなと感じます。コサギは川でも見かけ、ダイサギは逆に川や海でしかみかけません。きっとお魚大好きなのでしょうね。チュウサギはどうも魚よりカエルや虫、ミミズの方が好物なようです。チュウサギはクチバシの黒いのが夏羽なのだそうですが、夏にも黄色いクチバシの冬羽っぽい姿をしたものも混じっています。ただ黄色くても先っぽに少し黒い色が残るので他のサギとの見分けに使えます。またチュウサギはコサギなどと比べると顔のサイズに比べて幾分くちばしが短いですね。

 チュウサギの動画をおいておきます。最初の場面は家の敷地から撮ったもの。続く場面は近所の田んぼで撮ったものです。左「チュウサギの動画」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。



 チュウサギは初夏に見られる夏鳥で、他の夏鳥と同じくこれは繁殖期と重なります。この時期のチュウサギの ♂ は背中や胸にきれいな飾り羽が出てとても優雅です。この羽をバーッと広げてくれるのを期待してよく観察しているのですが、田んぼの中では中々そのような姿を披露してくれません。もっと巣に近い山際にいかないと見られないのかな? まあ、田んぼの中でも時折ちらりと飾り羽を広げてくれるので、そのときはちょっと得した気分になります。でも「ちらり」なので中々いい絵にはつながらず。。。結局のところ平凡なアップの絵しかありません。ご容赦を。
 左「チュウサギの夏羽」のサムネイルをクリックしてごらんください。



 2020年の夏、5年ぶりに福山を訪れることができました。せっかくなので以前住んでいた地域の田んぼに鳥見に出かけてみたところ、チュウサギの小群が見えました。稲は既に緑濃く、サギより小さな鳥はいても陰に隠れて見えません。それでも久々のチュウサギを見られて嬉しかった。「田舎っていいな」とあらてめて思いました。
 左「チュウサギの小群」のサムネイルをクリックしてごらんください。


観察データ

場所と回数:広島県福山市の田んぼ 11、千葉県の利根川沿いの田んぼ 4、茨城県の霞ヶ浦近辺の田んぼ 3、計18回。チュウサギは田んぼ専門な感じで、流れのある川や海辺では見たことがありません。

観察月と回数:
1月0
2月0
3月0
4月4 〇〇〇〇
5月2 〇〇
6月4 〇〇〇〇
7月3 〇〇〇
8月2 〇〇
9月2 〇〇
10月1 〇
11月0
12月0
計18回
本州での記録のみですが典型的な夏鳥です。NTに記載されているくらいなのでどこの田んぼでも見られるわけではありませんが、私の感覚では夏の田んぼを巡れば結構な確率で見られる感じです。



  (トップ画像 チュウサギ 2015/06/21 D7100 Tamron 150-600mm 福山市駅家町周辺にて撮影)

 初出:2015/07/12
 改訂:2020/12/30
改訂:2021/08/17 サギ科へのリンクを追加。観察データを更新