ササゴイ 笹五位
Sasagoi
Butorides striatus
Little heron

ササゴイ ペリカン目サギ科ササゴイ属
 南国でみつけた
 小さな蒼いサギ

   

バンコク市内での観察


ササゴイについて、動画の紹介

 2016年8月初旬、そして2019年7月初旬と二度夏のタイに出かけました。どちらも仕事で行ったので、本格的な鳥見ができるわけではありません。しかも泊まりはいずれもバンコク市内の摩天楼ビルに囲まれた一帯ですから南国のジャングルのような風景などはみじんもありません。
 幸いホテルから歩いて15分ほどの場所にルンピニー公園というかなり広い公園がありまして、結構な緑に囲まれたスペースがあります。また公園の中には3つほど大きな池があり、水辺の鳥も見られます。ここで多少の鳥を観察することができるのですが、2019年の滞在ではやたらとカラスが増えていて、3年前と比べるとかなり小鳥の数が随分減ったように思えました。
 さて、この公園の水辺で見られる鳥と言えば、コサギ、ササゴイ、シロハシスキコウの3種があります。その中でコサギとササゴイは日本でも見られる鳥です。コサギについては日本で見るものと同じ姿なので、タイのコサギはあまり有り難さがありません。一方ササゴイは、実は私は未だ日本で未見の鳥です。ですからタイでササゴイを見られたのは私的にはとてもありがたいことでした。ハワイで初めてムナグロを見たのと似たようなパターンですね。
 さて、このタイのササゴイはかなり小さい。。。近縁のゴイサギは、福山時代に何度かみていますが、遠目でアオサギと間違うほどの大きさです。一方このルンピニー公園のササゴイはコサギよりもっと小さくて、首を縮めていると体つきはハトサイズです。首が多少伸びていても、雰囲気で言ってチュウシャクシギやミヤコドリ程度にしかみえません。大きくて40cm少しといったところでしょうか。日本の図鑑でササゴイをみると52cmとあります。しかしタイや東南アジアの図鑑で見ると40~45cmとあります。羽模様はどちらも同じなのにこれだけサイズが違うというのは、地域による亜種の差なのでしょうね。ササゴイの亜種は色んな地域で30亜種にも及ぶそうです。ちなみに英語名では二つあって、タイ、東南アジアの図鑑では「Little heron」、日本の図鑑では「Striated heron」との表記が多いです。この名からしても東南アジアのササゴイは小さいのでしょうか。タイ当地の図鑑で調べてみると、本種はButorides striatus javanicusとありました。なお、日本の亜種はB s Amurensis という亜種のようです。
 

 左「ササゴイの動画」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。最初の樹上の絵は2016年の8月のもの。姿からして幼鳥のようです。続く川辺の絵は2019年7月のもので、いずれもルンピニー公園で撮りました。


タイのササゴイ

 タイのバンコクで撮ったササゴイです。全体の姿や色目はゴイサギとよく似ています。しかしササゴイはクチバシが細長いですし、頭の後ろのリボンが黒っぽい色をしていますので見分けは簡単です。
 次に同じ水辺にいるコサギと見比べてみると、コサギは浅瀬を歩きながら獲物を探しますが、ササゴイは水には入らず、岸辺でじっとしながら、首だけを伸ばして岸の近くにいる小魚やエビ類を捕っています。
 この絵は岸辺をゆっくり移動しているときの絵です。水の中の獲物を驚かさないようにか、歩く動きはすごくゆっくりしています。まるで忍者の忍び足のようでした。

 左「ササゴイ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


観察データ

場所と回数:タイ バンコク 2、計2回。当地の公園の水辺で毎回見かけます。日本ではまだ未見です。

観察月と回数:

1月0
2月0
3月0
4月0
5月0
6月0
7月1 〇
8月1 〇
9月
10月0
11月0
12月0
計2回

タイ当地では留鳥のようです。日本では夏鳥(渡り鳥)なので、タイのものは違う亜種だと思われます。


 (トップ画像 ササゴイ 2019/07/10 V1 70-300mm タイ ルンピニー公園にて撮影)

 初出:2019/07/10
改訂:2021/08/14 サギ科へのリンクを追加、観察データを追加