ウミアイサ 海秋沙
Umiaisa
Mergus serrator
Red-breasted Merganser

ウミアイサ カモ目カモ科
 ♀に懸命に求愛する♂の姿が面白い
 スマートな潜水ガモ
 

   

広島県福山市、千葉県船橋市での観察


ウミアイサについて、動画の紹介

 福山の中心部を流れる芦田川は河口堰があり、川と海の境がはっきりとしています。海鳥が集まる冬はこの河口堰を境にして、川側ではホシハジロやミコアイサが見られ、海側ではカモメ類の乱舞とウミアイサの群れが観察できます。
 ウミアイサは河口堰の海側で冬のみに見られる潜水系のカモです。他のカモに比べて顔から首あたりが随分とスマートに見えますので見分けは簡単だと思います。また特に ♂ は姿のコントラストが強くて、遠目でもよく目立つ美しいカモだと思います。
 2月頃にウミアイサを観察していると、♂ が ♀ の周りで盛んに求愛ディスプレーしているところをよく見かけます。最初首を伸ばしながら上下に振り、その後水面を蹴って、水しぶきを上げながら猛烈なダッシュをします。なんというか必死さが見てとれて思わず笑ってしまいますね。

 左「ウミアイサの動画」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


ウミアイサ ♂ ♀

 雌雄並んだ絵を紹介します。♂ が左、右の二羽が ♀ です。
 左「ウミアイサ ♂ ♀」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


ウミアイサ ♂、 ♀

 次は ♂ と ♀ それぞれの絵です。逆光気味の立ち位置でなかなか綺麗な絵になりませんでしたが、姿はこんな感じです。アイサの仲間はハジロ系の潜水ガモよりスマートですね。ウミアイサはその名の通り海でしか見ません。すぐ隣に河口堰の川側があるのですが、そちら側では一度も見たことがありません。仲間のミコアイサは逆に川側でしか見たことがありません。ちなみにウミアイサは魚がエサなのだそうで、きっと海の魚が好きなのでしょうね。ウミアイサとミコアイサ、カワアイサについて ♂ は皆特徴的な姿色目をしているので見分けは簡単です。一方、それぞれの ♀ は皆、灰~茶系でよくにています。しかしいずれも ♂ と仲良しなので、大抵は一緒にいるところが観察できるはずです。

 左「ウミアイサ ♂」「ウミアイサ ♀」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。



観察データ

場所と回数:広島県 5、神奈川県 1、千葉県 3、茨城県 1、宮城県 1、青森県 1、計12回。名前の通り海にいます。数は少ないけれど、ホシハジロやスズガモなどの中にポツンと混じっていることがよくあります。後ろ頭がギザギザなので、遠目でもよく目立つので、いれば見分けは簡単です。

観察月と回数:

1月5 〇〇〇〇〇
2月1 〇
3月3 〇〇〇
4月1 〇
5月0
6月0
7月0
8月0
9月0
10月0
11月0
12月2 〇〇
計12回

冬鳥です。12月中旬から4月後半まで記録があります。動画で紹介した求愛ディスプレイの記録は1月末のことだったので、ウミアイサを探すならこの頃に観察することをお勧めします。



 (トップ画像 ウミアイサ 2014/01/13 V1 300mm/F4 福山市芦田川河口堰周辺にて撮影)

 初出:2016/01/31
 改訂:2018/04/30 ♂くんの絵を差し替え
 改訂:2018/11/11 観察データを追加
改訂:2021/08/13 カモ科(潜水採餌型種)へのリンクを追加、観察データを追加