ヒシクイ 菱喰
Hishikui
Anser fabalis
Bean goose

ヒシクイ カモ目カモ科 天然記念物 VU(NT)
 クチバシが黒い
マガンに似た大型のガン
 

   

亜種ヒシクイ、亜種大ヒシクイ


 ヒシクイはマガンとよく似た羽色をしている大型のガン類です。マガンとはくちばし先端の色が違うので、慣れれば識別は難しくありません。日本では亜種ヒシクイ(VU)と亜種大ヒシクイ(NT)の2亜種が見られます。



「亜種ヒシクイ」 クリックで拡大します。

亜種ヒシクイ

滋賀県湖北市
1280×853 px
2017/12/30
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 亜種ヒシクイは亜種オオヒシクイに比べてくちばしの厚みが太目です。特に付け根が太くてごつごつした感じなので、慣れてくれば現場での識別も可能だと思います。



「亜種ヒシクイ?」 クリックで拡大します。

亜種ヒシクイ?

宮城県登米市
1280×853 px
2018/12/08
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR + AF-S TC-14E3

 登米市で見るヒシクイはほぼ亜種オオヒシクイです。ただたまにこの個体のような、「どっち?」みたいなのがいます。このような「ちょっと違うやつ」がもう少し数いてくれれば自信もつくのですが、一羽だけだと疑心暗鬼にもなり、なかなか判断がつかないものです。



「亜種オオヒシクイ」 クリックで拡大します。

亜種オオヒシクイ

宮城県登米市
1280×853 px
2017/12/03
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 亜種オオヒシクイは亜種ヒシクイに比べてくちばしがしゅっとしていて、少し長く感じます。日本での飛来数も亜種ヒシクイよりはかなり多いように感じます。



「亜種オオヒシクイの飛翔」 クリックで拡大します。

亜種オオヒシクイの飛翔

宮城県登米市
1280×853 px
2019/12/21
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR + AF-S TC-14E3

 ヒシクイは身体も大きいので飛ぶのは大変なんだろうなと思います。しかし一度空中に舞うとかなり力強い羽ばたきでどんどん飛んでいきます。



「亜種オオヒシクイの飛翔 スロー」 クリックで拡大します。

亜種オオヒシクイの飛翔 スロー

宮城県登米市
1280×853 px
21/12/10
Nikon D500 Mode S
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 カメラの設定を間違ったまま撮っていたら、たくさんのゴミの中からたまたまいい感じに撮れた絵がみつかりました。激しく失敗してへこんだりしても、こういう救いもあるものですね。これからも前向きに生きて行けそうです。



「亜種オオヒシクイの飛翔 雪山をバックに」 クリックで拡大します。

亜種オオヒシクイの飛翔 雪山をバックに

宮城県登米市
1280×853 px
2019/12/21
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR + AF-S TC-14E3

 宮城の雪山をバックに次々と飛んでくるヒシクイをレンズで追っていると、時を忘れます。遠くからみると、翼も大きくて飛翔力が強そうだとがわかります。



「ヒシクイの羽?」 クリックで拡大します。

ヒシクイの羽?

宮城県登米市
1280×853 px
2017/12/03
Nikon D200 Mode A
Nion DX Zoom 18-55mm/F3.5-5.6G II ED

 右下の一番大きな羽はマガンのもの。それ以外はヒシクイばかりたくさんいた沼の畔で収拾したものなので、ヒシクイのものと思いたいところです。ただ、早朝まではヒシクイよりもっと多くのマガンがいたので、そちらのものなのかもしれません。まあ、ヒシクイもマガンも羽の色は似たようなものなので、混じっていてもわからないでしょうね。適当ですみません。



 観察データ

場所と回数:琵琶湖湖北 6、石川県片野鴨池 1、宮城県北部 6、計13回。島根県の宍道湖周辺でも見られるそうですが、私は見つけられませんでした。琵琶湖は亜種オオヒシクイが主と聞きますが上の紹介の通り亜種ヒシクイも見られます、宮城も両方いるそうですけど、私は自信をもって亜種ヒシクイだという個体は見つけられていません。

観察月と回数:

1月0
2月0
3月0
4月0
5月0
6月0
7月0
8月0
9月0
10月0
11月4 〇〇〇〇
12月9 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
計12回

 観察が11、12月に固まっているのは、ヒシクイがいる地域に年末にしか行っていないためです。(私は普段、町で暮らす人間なので積雪や凍結道路に慣れておらず、1~2月はなかなか寒冷地に出かける勇気がありません)実際は11月頃から3月位まで見られるそうです。




 (トップ画像 ヒシクイの羽ばたき 2019/12/21 D500 500mm/F4 + 1.4xテレコン 宮城県登米市にて撮影)

 初出:2017/12/10
 改訂:2017/12/16 文章の見直し
 改訂:2017/12/30 亜種ヒシクイ画像の追加
 改訂:2019/12/27 観察データの追加、トップ絵と飛翔絵の差し替え
 改訂:2019/12/28 動画の更新
 改訂:2019/12/30 亜種オオヒシクイ飛翔絵の追加
 改訂:2020/12/3 飛翔絵の追加、観察データの更新
 改訂:2020/12/3 文章の見直し、飛翔絵の差し替え、観察データの更新
 改訂:2022/7/23 全面見直し
 改訂:2023/11/23 静止画の画像サイズ変更と一部差し替え