カリガネ 雁金
Karigane
Anser albifrons
Lesser white-fronted goose

カリガネ カモ目カモ科 EN 絶滅危惧種第IB種
 幼い顔をした(?)マガンの弟分


カリガネ


 カリガネは見た目がマガンと非常によく似たガン類です。マガンとの違いは、くちばしがピンクで短い、目の周りに金色のアイリングがある、マガンより一回り小ぶりで首も短く見える、などです。ただ特徴を知っていてもカリガネを見つけるのは簡単ではありません。カリガネは国内各地でマガンの群れに混じってい飛来します。マガンは最近かなり数が増えてきていて、伊豆沼近辺では20万羽以上が数えられるほどです。一方カリガネは国内全て合わせても300羽程度とのこと。よってレッドリストでも絶滅危惧IBに指定されています。



「カリガネ」 クリックで拡大します。

カリガネ

宮城県登米市
1280×853 px
2021/12/10
Nikon D7100 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 カリガネの特徴が見えやすいアングルの絵です。金色のアイリングだけを目印に探すと、マガンにもそのようなアイリングを持つ個体がいるので注意が必要です。クチバシの方がカリガネ特有なビジュアルをしていますが、これらを含めた顔全体の特徴で見極めるのが一番です。



「カリガネ 4羽」 クリックで拡大します。

カリガネ 4羽

宮城県登米市
1280×853 px
2021/12/10
Nikon D7100 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR + AF-S TC-14E3

 カリガネは少数の群れでいることが多いようです。雌雄同色なので ♂ ♀ は不明です。



「カリガネ 背伸び」 クリックで拡大します。

カリガネ 背伸び

宮城県登米市
1280×853 px
2017/12/03
Nikon D7100 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 カリガネは体の割には大き目の翼をもっていることがわかります。小柄なガンとはいえ、カモなどよりはずっと大きい渡り鳥なので、大きな翼が必要なのでしょうね。



観察データ

場所と回数:宮城県登米市 2、計2回。割と全国各地で出現記録はあるようですが、それらは皆迷い鳥のレベルなため、高い確率で見たいと思うとやはり宮城県の登米市に行くのがベストかと思います。湖上での観察は時間的にも距離的にもまず無理でしょうから、日が昇ってからの田んぼでの観察となります。登米市の田んぼと言ってももの凄く広いですから、過去の出現地点などを調べつつ、その周囲を含めて数キロを端から端まで何度も往復して探します。一緒にいるマガンが人の姿に敏感なため、車移動 + 車内からの観察が基本となります。その際、逆行とならないように車を走らせるようにするのがコツです。

観察月と回数:

1月0
2月0
3月0
4月0
5月0
6月0
7月0
8月0
9月0
10月0
11月0
12月2 〇〇
都合2回
冬鳥です。11月~2月くらいまでがよいようです。


 カリガネ探しは面白いです。絶望的に数が少ないのですが、必ずどこかにはいるはずなので熱が入ります。色々回っていると、ガン類以外にキジやタカ・チョウゲンボウなども現れて飽きません。一日が終わると車(特にタイヤ)が泥だらけになりますので、できるならSUVみたいな車の方がよいですね。

 (トップ画像 カリガネ 2021/12/16 D500 500mm/F4 宮城県登米市にて撮影)

 初出:2021/12/18
 改定:2022/05/15 文章の見直し
 改定:2022/07/28 全面改訂