ミヤマホオジロ 深山頬白
Miyamahohjiro
Emberiza elegans
Yellow-throated bunting

ミヤマホオジロ スズメ目ホオジロ科
 眉と喉の黄色と
 尖がった後ろ頭が特徴の美しいホオジロ

   

福山市、岡山県総社市近辺での観察


ミヤマホオジロの動画

 ミヤマホオジロはその名の通り山にいるホオジロです。漢字で書くと「深山」となりますが、山沿いに作られた低い土地の公園などでも見ることができますので、そこまで山深いところにいるという印象はありません。福山近辺では冬の鳥です。11月半ばくらいから翌年の2月頃までは見ることができます。割と薄暗い藪沿いで見ることが多いので、遠目ですと「またホオジロか~!」と見逃してしまい易いのですが、少し近づいて(近づくことができれば)お顔を見ると、きれいな黄色でびっくりさせられます。
 黄色は特に♂が鮮やかで、普通のホオジロとは明瞭に区別できます。メスはカシラダカやホオジロとよく似た色目ですので、よく見ないと区別しにくいかもしれません。ただ雌雄がいつも一緒にいてかなり仲良しな小鳥なので、♂君を頼りに探せば分かり易いと思います。福山近辺では冬の鳥のため、美しいと言われる囀りは残念ながら聞いたことがありません。地鳴きは動画でもわかるように「チッ」という短い声で、ホオジロとよく似ています。
 よく見る場所は藪沿いの小道です。いつも落ち葉の中をごそごそしています。山の小道を歩いていると、人を察知した瞬間に前方の落ち葉の中から左右の藪にささっと逃げていくのは、同じ仲間のホオジロやアオジと同じですね。

  動画を置いておきます。前半の♀はふれ愛ランドにて、後半の♂君は総社市の砂川公園で撮ったものです。

 左「ホオジロの動画 福山市ふれ愛ランド、総社市砂川公園周辺にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。




ミヤマホオジロ♀

 福山近辺では11月も後半になるとミヤマホオジロが小道に現れます。安定して見られるのは11月後半から12月一杯が良いようです。ただ現れる場所がいつも暗いので、たいていシャッタースピードが上がりません。私の使うカメラD200はあまり感度を揚げられないので、ミヤマさんのような相手は苦手です。この絵は地面でごそごそしていた♀さんを追いかけた一枚ですが、実はこの前後に相当の枚数を撮っています。およそじっと立ち止まってくれることなどなく、そのほとんどがぶれぶれ写真でしたが、この絵を撮った瞬間だけは奇跡的にじっとしていてくれました。周りの落ち葉が濡れていて冬の朝であったことを教えてくれます。

 左「ミヤマホオジロ♀ 福山市ふれ愛ランド周辺にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。




ミヤマホオジロ♂

 ことしも11月になって、ミヤマホオジロがふれ愛ランドにやってきてくれました。毎度車を止めるところからすぐ近くの、見やすい場所にいるのですが、私の活動する朝ではどうしても逆光になり易く、また暗い場所にいます。この日は最初地面にいるのを見つけ、それを狙って近づくとささっと逃げられてしまいました。私は対抗してしばらく「木」になってじっと我慢していました。こういう時の為に普段から森で目立たない服装をしています。しばらくして♂君が一羽枝に戻ってきてくれました。ただ、まだ警戒されているようで少し遠い。。。「もうちょっと近くに来てくれないかなぁ」と更にじっと我慢していたのですが、結局大きく写せるまでには近づいてはくれませんでした。敵もさる者。この冬のうちにもう少し大きく写したいものです。頑張ろう。

 左「ミヤマホオジロ♂ 福山市ふれ愛ランド周辺にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


観察データ

場所と回数:広島県 13(うち福山市、12)、岡山県 3、山梨県 1、都合17回。中国地方から東北まで、やや薄暗い低山の山際でよくみかけます。出会いが希少な部類の小鳥ですが、思いもよらず明るい道端で見かけることがあります。このように大抵は葉が落ちた低木の枝や枯れ葉の積もった小道など観察しやすい場所にいるので、一旦見つけさえしてしまえば写真に残し易い小鳥だと思います。

観察月と回数:
1月6 〇〇〇〇〇〇
2月2 〇〇
3月0
6月0
4月0
6月0
5月0
6月0
7月0
8月0
9月0
10月0
11月7 〇〇〇〇〇〇〇
12月2 〇〇
都合30回
冬鳥です。同じ時期にみるカシラダカやアオジなどに混じっていることがありますので、よく観察してみましょう。



 (トップ画像 ミヤマホオジロ♀ 2015/1/12 福山市ふれ愛ランド周辺にて撮影)

 初出:2014/12/14
 改訂:2016/10/24 TOP画像を変更
 改訂:2021/08/03 観察データの更新ホオジロ科へのリンクを追加