コウカンチョウ 紅冠鳥
Koukanchou
Paroaria coronata
Red-crested Cardinal

コウカンチョウ スズメ目ホオジロ科
 真っ赤な頭をした
 南国の鳥

   

コウカンチョウについて



 まず最初にお断りです。コウカンチョウは日本の野鳥ではありません。元々南アメリカ原産の小鳥ですが、1928年頃にハワイ諸島に移入されて、今では街中でも普通に見られるようになっています。私もオアフ島で観察の機会があって、ここで紹介させてもらうこととしました。
 最大の特徴は頭の真っ赤な冠羽で、とにかく目立ちます。いかにも南国の鳥といった感じがします。またホオジロの仲間なので、美しい鳴き声を持つ小鳥でもあります。
 日本のホオジロ科の鳥はおよそ地味な色をした小鳥が多いので、このコウカンチョウがホオジロ科の小鳥と聞けば、びっくりする方が多いのでは?と思います。しかしくちばしの形状をよく見てみると、上のクチバシより下のクチバシの方が太くてしっかりしているところなどは、確かにホオジロ科の小鳥だなと感じさせられます。





「89年のコウカンチョウ 銀塩ネガ」 クリックで拡大します。

89年のコウカンチョウ 銀塩ネガ

ハワイ州オアフ島
1024×682 px
1989/02
Canon A1 Mode P ネガ
CANON FD80-200mm F4 S.S.C.


 新婚旅行でオアフに滞在した時に撮った絵です。ワイキキの歩道を歩いていて、街路樹で見つけて撮ったように記憶しています。当時はコウカンチョウが移入種だとは知るべくもなく、「さすが南国の鳥は派手だなあ」くらいにしか思っていませんでした。
 ところで、今ほどカメラが手軽でない昔に、何故ワイキキの街中で新婚さんがわざわざ重い望遠レンズと一眼レフ(もちろん銀塩)を持って歩いていたのか?と不思議に思われるかもしれません。もう記憶も怪しいのですが、おそらくホノルル動物園に行った道すがらだったのではないかと思います。
 フィルムはごく普通のネガです。カメラ機材一式はカメラ好きだった親父に借りて持って行ったものでした。今回はネガからフィルムスキャナーにてデジタル化しています。
 



「コウカンチョウ 30年後の再会」 クリックで拡大します。

コウカンチョウ 30年後の再会

ハワイ州オアフ島
1024×682 px
2019/04/13
Nikon D500 Mode A
Nikon D500 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3


 前回から丁度30年後、次男の結婚式でオアフへ行くことができました。到着初日はホテルのチェックインまで時間があったので、日立さんの「この木なんの木」のCMで有名なモアナルアガーデンパークに寄ってみました。丁度お昼時くらいでしたか、思った以上に日差しが強かったので、モンキーポッドという傘の形をした大きな木の下で涼んでいたところ、このコウカンチョウが目の前に現れてしばしのワンマンショーを見せてくれました。



「コウカンチョウ 30年後の再会 正面」 クリックで拡大します。

コウカンチョウ 30年後の再会 正面

ハワイ州オアフ島
1024×682 px
2019/04/13
Nikon D500 Mode A
Nikon D500 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3


 このコウカンチョウは冠羽が非常に立派で、とてもフォトジェニックな個体でした。正に炎のような頭です。表情をみるとかなり怖い感じですが、私たち家族の足元までやってきてくれたので、よく人慣れした鳥だったと思います。もしかすると、単に「餌くれ!」というアピールだったのかもしれませんね。。



「コウカンチョウ 飛翔」 拡大はなしです。

コウカンチョウ 飛翔

ハワイ州オアフ島
1024×682 px
2019/04/13
Nikon D500 Mode A
Nikon D500 Movie Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3


 こちらは動画からの切り出しで、無理やりの飛翔絵です。羽を広げたコウカンチョウの雰囲気が分かればと思い、ここに貼らせてもらうこととしました。顔以外ほぼグレーであることが分かります。これだけはっきりと色が違えば、逆に頭を狙われやすい気もしますが、何かしら頭が目立つことによるメリットがあるのでしょうね。




観察データ

場所と回数:オアフ島 4、計4回。ハワイでは移入種です。もう100年ほど住みついていて、オアフ島であれば、いつどこでも見られるくらいにポピューラーな鳥になっています。原産は南米大陸の中部あたりのようです。

観察月と回数:

1月 0
2月 1 〇
3月 0
4月 3 〇〇〇
5月 0
6月 0
7月 0
8月 0
9月 0
10月 0
11月 0
12月 0
都合4回
ハワイなら常夏の国ですから年中みられると聞きます。4月にはさえずりも聞けました。

 平成の始まりと平成の終わりに自身の新婚旅行と息子の挙式&新婚旅行でハワイ オアフに出かけ、2度とも紅冠鳥と印象的な出会いができたことは、まるで映画の中の走馬燈のような、またどこか夢の中の出来事だったようにも思えます。日常から離れたところで稀有な経験ができ、あらためて家族には感謝の次第。



 (トップ画像 コウカンチョウ 2019/04/13 モアナルアガーデンパーク)

 初出:2019/04/21
 改訂:2021/08/03 観察データの更新、ホオジロ科へのリンクを追加
 全面改訂:2024/02/23 全面書き直し