ベニマシコ 紅猿子
Benimashiko
Uragus sibiricus
Long-tailed Rosefinch

ベニマシコ スズメ目アトリ科
 冬の赤い鳥

   



ベニマシコについて

 ベニマシコは冬の「赤い鳥」を代表する小鳥です。赤いのは ♂ 君のみで、♀の方は薄茶色をしています。ただ薄茶色と言ってもかなり上品できれいな色目だと思います。美男美女のカップルといったところでしょうか。
 冬に見られる人気の鳥と言えば「青い鳥」のルリビタキと「赤い鳥」のベニマシコが定番です。どこにでもいるというほどポピュラーではありませんが、鳥見に少し慣れれば結構すんなり見つけられるようになります。この辺の立ち位置が万人に人気な所以かと思います。





「ベニマシコ ♂」 クリックで拡大します。

ベニマシコ ♂

神奈川県清川村
1024×682 px
2016/03/13
Nikon D7100 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3


 ベニマシコの ♂ です。個体によって赤色の濃さは差がありますが、この個体はこれでもかというくらいに赤かったので印象に残っています。
 ベニマシコは3月いっぱいくらいまで本州で見られます。特に3月は木の花の新芽をわき目も振らずについばむ姿がよく見られるので、撮影したい方にはお勧めです。
 



「ベニマシコ ♀ 」 クリックで拡大します。

ベニマシコ ♀

長野県南佐久郡
1024×682 px
2020/03/15
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3


 ベニマシコの ♀ です。まだ雪が残る長野の高原で撮りました。♀ は全体的に薄茶色ですが、腰や脇は少しだけオレンジがかってきれいです。
 



「ベニマシコ カップル」 クリックで拡大します。

ベニマシコ カップル

宮城県登米市
1024×682 px
2019/12/21
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3


 12月のまだ冬が浅い時期は、草原に残ったセイタカアワダチソウやイタドリの穂をエサにしているのをよく見ます。木の新芽が出るまでは、低いところを探す方が見つけやすいかもしれません。
 



「ベニマシコ ♂ 夏羽」 クリックで拡大します。

ベニマシコ ♂ 夏羽

北海道厚岸郡
1024×682 px
2022/05/03
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR


 GWに北海道で見た夏羽姿のベニマシコ ♂ 。ただ自分が思ったほど冬羽と差が感じられませんでした。北海道のGWは本州の3月くらいな気候なので、もしかしたらまだ本気の夏羽にはなっていなかったのかもしれません。次は本格的な夏に行ってみたいです。
 



「ベニマシコ ♂ 飛翔」 クリックで拡大します。

ベニマシコ ♂ 飛翔

鳥取県米子市
1024×576 px
2014/02/22
Nikon V1 Movie Mode s
Nion AiAF ED 300mm/F4s +
Nikkor Ai TC-14BS


 ベニマシコの飛翔絵は未だ撮れたことがなく、こちらは動画からの切り出しです。元がV1なため絵は荒いですが、羽の模様はよく分かるので参考までに貼っておきます。ちなみにベニマシコは飛ぶと羽音が「クルクルクル!」とおかしな音が聞こえてきます。地鳴きも「フィッホ」と特徴的なので、姿は見えなくても音だけで「近くにベニマシコがいるぞ!」ととても分かりやすい鳥です。
 




観察データ

場所と回数:広島県 19、米子市 1、長野県 3、神奈川県 14、宮城県 2、北海道 1、計40回。広い湿地帯の草地や山の明るく開けた場所で見ています。セイタカアワダチソウ、イタドリ、ヤシャブシなどの穂や種、春先は木の新芽をエサにしているので探すときのヒントになります。
 一時期冬になればベニマシコを探し歩くことをしていたので、私の記録の中ではそこそこ観察回数が多い鳥です。またその内、広島と神奈川のそれぞれ1地点でそれぞれ14回ずつ、計28/40回を占めているので、観察場所を一旦見つければ、以後毎年続けて観察できる鳥だと思います。

観察月と回数:
1月15 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
2月8  〇〇〇〇〇〇〇〇
3月3  〇〇〇
4月1  〇
5月1  〇
6月0
7月0
8月0
9月0
10月0
11月0
12月12 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
計40回

本州で冬鳥、北海道で夏鳥です。広島での19回の観察は皆12~2月まででしたが、関東に来てからは3月4月にも見ているので、西日本では少し引き上げ時期が早いのかもしれません。もしくは飛来前半と後半で食べる餌も草の穂から木の新芽に代わってくるので、食べ終わると場所を移動するだけなのかもしれません。私の記録では西日本では12/2~2/15、東日本では12/8~4/2の間で見ています。



 トップ絵は初めてまともに姿が撮れた日のベニマシコの ♂ です。このときの興奮は今も思い出します。ここから2年ほど、冬の間はずっとベニマシコを追いかける日々でした。

 (トップ画像 ベニマシコ ♂ 2012/12/23 V1 300mm/F4 広島県福山市にて撮影)

 初出:2014/10/29
 改訂:2016/02/01 ♂の画像を変更
 改訂:2016/03/16 ♂♀の画像を変更
 改訂:2016/04/03 ♂の飛翔画像を追加
 改訂:2016/12/10 動画を再編集
 全面改訂:2023/12/03