ベニヒワ 紅鶸
Benihiwa
Carduelis flammea
Common redpoll

ベニヒワ スズメ目アトリ科
 北国の赤い鳥

   


ベニヒワについて

 ベニヒワはアトリ科の小鳥です。♂ ♀ 共に頭頂が真っ赤な色をしていて被写体としても映える魅力的な小鳥だと思います。
 日本では冬鳥となりますが、基本的には寒い地方に飛来し、しかも年によって飛来数にむらがあるようです。本州中部以西でも飛来することはありますが、こちらでは数年に一度程度しか見られないため、幻レベルの小鳥となります。数年前にたまたま都内の公園に迷ってやってきた個体などは、多数のギャラリーを呼んで大騒ぎになったのだとか。
 このように関東以西でもノーチャンスではありませんが、基本的には冬の背景が似合う鳥なので、観察したい場合は東北も日本海側から北海道に行くのが正解なのだろうと思います。背景含めてきれいな絵にしたい小鳥です。


「ベニヒワ ♀」 クリックで拡大します。

ベニヒワ ♀

広島県三次市
1024×682 px
2015/01/18
Nikon D7100 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3

 この日の出会いには物語があります。

 この日は三男のセンター試験当日でした。私の方は至って気楽に鳥見に出ておりましたが、そこに現れたのがこのベニヒワです。しかもいきなり至近距離に現れて、瞬く間に去っていきました。まさか広島県でベニヒワに出会えるとは夢にも思っていませんでしたので、運よく残せた絵をその場で見て、真っ赤に燃えるような頭頂を確認できた瞬間、「これは絶対に吉兆だ」という思いが脳裏に浮かびました。丁度この半月程前の正月に福岡太宰府天満宮にお参りに行き、息子の合格祈願をしてきたところだったため、「これはきっと道真公の使いだったに違いない!」と勝手に決めておきました。
 結果的にセンター試験はとても良い結果が出ました。そうして彼は今、希望校を経て医師の道を歩んでいます。私としてはいつかもう一度ベニヒワに出会って、あのときのお礼を伝えたいとずっと願っているのですが、残念ながら未だ再会には至っておりません。
 この絵を見る度「やはりあの日のベニヒワは実は幻だったのではないだろうか?」と、当時の興奮がよみがえる私です。



観察データ

場所と回数:広島県三次市1回のみ。山中の広い湿地の草原で見つけました。通常西日本ではまず見られません。中部以北の高原などではときおり見られるそうで、東北も日本海側北部や北海道まで行けば観察のチャンスがさらに増えるそうです。また、年によって飛来数の当たり外れが大きいのだとか。しかし広島でもチャンスはありましたので、本州中部や西日本でもいつか出会える可能性はあると思います。

観察月と回数:
1月1 〇
2月0
3月0
4月0
5月0
6月0
7月0
8月0
9月0
10月0
11月0
12月0
都合1回
日本では冬鳥です。

 (トップ画像 ベニヒワ♀ 2015/01/18 D7100 150-600mm F5.6-6.3 広島県三次市にて撮影)

 初出:2015/03/07
 改定:文章表現の見直し:2015/03/16
 改定2:文章表現の見直し、観察データの追加:2021/03/17
 改定3:全面改訂:2023/11/30