トビ 鳶
Tobi
Milvus migrans
Black Kite

トビ タカ目タカ科
 猛禽類なのにのんびりと見える茶色いタカ

   

トビの紹介

 トビは最も身近な猛禽類です。全国およそ町の中心部以外ではどこでも見られます。食性がカラスと似ているので、よく空中でカラスと揉めている姿を見ます。(大抵はカラスが追いかける構図です)
 狩りをする鳥でないため猛禽類なのに鳥好きからもあまり人気がありません。しかし海辺などで風を受けて優雅に空を舞う姿は猛禽類の飛翔そのままで美しいものです。



「樹上のトビ」 クリックで拡大します。

樹上のトビ

神奈川県清川村
1024×682 px
2016/01/11
Nikon D7100 Mode A
Tamron A011
150-600mm / F5.6-6.3

 大きなダム湖のほとりで撮ったトビです。胸の羽毛がなんとなく柔らかそうで、おそらくまだ若い個体ではと思います。木に止まってさかんに「ピーヒョロロー」と鳴いていました。



「頭上のトビ」 クリックで拡大します。

頭上のトビ

神奈川県三浦市
1024×682 px
2020/12/27
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
FL ED VR

 三浦半島の磯場で海鳥観察をしていると、頭のすぐ上をトビが通り過ぎることがよくあります。500mmのレンズだと全身が入りきらないどアップになりまして、普段撮り慣れてしまったトビでも面白い被写体になったりします。



「トビの瞳」 拡大はありません。

トビの瞳

神奈川県三浦市
1024×682 px
2020/12/27
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 上の絵をトリミングして拡大したものです。瞳に移っているのは城ヶ島の磯場の風景と朝日です。トビはものすごく目が良いらしいので、周辺全てが見えているのでしょうね。



「トビの飛翔 1」 クリックで拡大します。

トビの飛翔 1

神奈川県三浦市
1024×682 px
2021/02/28
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
AF-S TC-14E III TC14E3

 こちらは上の絵と同じ磯場で早朝7時に撮った絵です。まだ陽の登りも浅いので、絵全体の色目が赤っぽくなっています。
 正直なところを申し上げますと、私は普段トビを真面目に撮ることはあまりありません。「見かけることが多すぎる」というのが一番の理由です。漁港などでトビが頭上を舞っていても「ふーん」という感じで、意識はたいていカモメや水鳥の方に向かっています。ただ外海に面した磯場周辺で風に乗ったトビを眺めていると、周囲の雰囲気もあって知らぬ間に真剣にレンズを向けている自分がいます。「漁港のトビと磯場のトビのどこが違うの?」と問われても「雰囲気が違う」としか答えられない、結局のところミーハーな私です。



「トビの飛翔 2」 クリックで拡大します。

トビの飛翔 2

神奈川県三浦市
1024×682 px
2021/03/20
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3

 トビはソアリングという風を受けた省エネ飛翔を行います。「トンビがくるりと輪を描いた」の歌にあるように、上昇気流にのってぐるぐるとらせんを描いてどこまでも上昇していきます。さぞ気持ちがよさそうな。
 この絵はサンヨンを手持ちにして撮りました。やはり頭上の鳥の撮影は手持ちできるシステムが楽ですね。



「月とトビ」 クリックで拡大します。

月とトビ

神奈川県三浦市
1024×682 px
2012/06/10
Nikon V1 Mode A
Nion AiAF ED 300mm/F4s

 梅雨の時期ともなると、山では見られる鳥の種類も少なくなり中々思うような観察ができません。この日も「何もおらんし」などとつぶやきながら、あきらめて車に戻ろうと歩いていると、朝に残った月の横にトビが飛んできてくれましたので、記念にパチリ。
 暑くても鳥がいないように思えても、とりあえず外に出かけてまずは歩いてみるものだ、と思わされた次第。



「夕陽とトビ」 クリックで拡大します。

夕陽とトビ

島根県出雲市
1024×682 px
2014/11/23
Nikon D200 Mode A
Tamron A011
150-600mm / F5.6-6.3

 妻と二人で出雲参りをした後、せっかくなので日御碕まで足を運んで日本海の夕陽を見にいきました。この日は気候が非常に穏やかで、真っ赤な夕暮れを楽しむことができました。



「トビの羽」 クリックで拡大します。

トビの羽

長崎県佐世保市
1024×682 px
2015/08/14
Nikon D200 Mode A
Nion DX Zoom 18-55mm
F3.5-5.6G II ED

 長崎へ旅行に出かけたとき佐世保で一泊しました。途中、海辺の公園に寄ったときに、足元にトビの羽が複数落ちていて、大きな羽も拾うことができました。
 風切りかと思って家で図鑑と見比べてみたところ、風切りではなくて尾羽だということがわかりました。大外の尾羽だと思われます。小さい羽は雨覆いのようです。トビの羽は硬そうな印象がありましたけど、雨覆いの羽毛部などはとても柔らかで少々驚きました。



観察データ

場所と回数:九州 3、四国 1、中国 35、近畿 6、東海甲信越 14、関東 43、東北の内陸 5、北海道 1。計108回。日本全国、それなりに自然が残る地ではどこででも見られますが、一番確実なのは川沿い、海沿いの地域でしょうか。

観察月と回数:

1月16 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
2月9  〇〇〇〇〇〇〇〇〇
3月10 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
4月5  〇〇〇〇〇
5月4  〇〇〇〇
6月3  〇〇〇
7月3  〇〇〇
8月5  〇〇〇〇〇
9月6  〇〇〇〇〇〇
10月8  〇〇〇〇〇〇〇〇
11月19 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
12月20 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
計108回
冬場に見た記録が多いのは、冬に水辺の鳥を見に行くことが多いからだと思います。105回の回数を見ても、私の写真記録の中では最も多い部類の野鳥です。年中見られる留鳥です。


 (トップ画像 トビ 2007/11/24 D200 80-200mm/F2.8 府中市芦田川周辺にて撮影)

 初出:2014/11/24
 改訂:2015/08/27 トビの羽画像を追加
 改訂2:2016/01/13 トビの動画を再編集
 改訂3:2020/12/28 トビのアップ絵と、観察データを追加、羽の部位を訂正(初列風切り→尾羽)
 改訂4:2021/04/14 トビの飛翔絵を追加し、観察データを更新
 改訂5:2023/03/22 全面改訂
 改訂6:2024/02/27 飛翔絵を差し替え