クマタカ 角鷹
Kumataka
Spizaetus nipalensis
Mountain Hawk-eagle

クマタカ タカ目タカ科 絶滅危惧ⅠB類 EN
 冠羽が立ち
 精悍な顔をした森のタカ
 

   

神奈川県清川村及び長野県松本市周辺での観察について


クマタカとの出会い、動画

 福山市に住んでいた頃によく見かけて撮影を楽しんでいたタカと言えば、(トビは別として)ミサゴとノスリ、ハイタカくらいのものだったと思います。よく現場で出会う猛禽好きの方からの情報では、近場にオオタカ、チュウヒ、ハイイロチュウヒ、ケアシノスリ、そして今回紹介するクマタカなどもいるとのことでしたが、福山時代の私はどちらかというと小鳥や水鳥の方に興味が強くて、また使っているレンズもサンヨンだったりしたもので、猛禽類を積極的に追おうという気持ちにはなっていませんでした。
 2015年に横浜に来てから、度々清川村方面にでかけるようになりました。そこの駐車場近く、丁度入り口になったあたりでは多くの方がクマタカ狙いで大砲を並べてらっしゃいます。私の方も「そんな鳥がいるのだ」と知って、じゃぁいっちょ狙ってみるかと隊列に参加してみました。しかし何度かそこで粘ってみましたが、いつもじっと待つばかりで肝心のクマタカは一向に現れません。
 ある日入り口はスルーして少し奥に入った場所を歩いていると、ほぼ歩を同じくして歩いていた方が、立ち止まって山にレンズを向け始めました。私は全然気づいていなかった。。。鈍い。。その方のレンズの方向を真似してファインダーを覗いてみると、白い腹をした大きめのタカらしき姿が目に入りました。「??」なんでしょうか?猛禽類に疎い私には種がわかりません。その方に尋ねてみたところ、「クマだよ」と。やっとこの白いタカが長く待っていたクマタカであると知りました。
 さてこのクマタカをよく観察すると、まず頭が尖がっていることが分かりました。しかし森の中の木に止まっているため、頭付近が枝被りして、肝心の冠羽ははっきりと写せません。そもそも豆粒ですから、首を傾げた瞬間を写せても証拠写真になるかならないかのレベルです。そうこうして20~30分くらいそこで待ちましたが、奴は一向に動こうとせず、我慢の足りない私は根負けして、そこを去ることとしました。
 その後2017年の春、全開見かけた場所より更に奥に行った場所で頭上を舞う姿をキャッチ。また2020年にはタカの渡りを観察しに長野県松本市に出かけたときに、たまたま頭上を通り過ぎるクマタカに比較的近距離で出会うことができました。このときは同じ個体か別固体なのかは分かりませんが、遥か遠くを飛ぶ姿も動画に残すことができました。豆粒ながらもややV字に羽を広げて滑空するクマタカの姿が分かるかと思います。ちなみに今回全ての絵が遠くから撮っているので、動画は奮発してHD画質サイズでエンコードしています。それでも全て豆粒ですが。。。(最初のじっとしている場面など、5分以上撮ってありますが、その間動くのは首の向きが少しだけ。。動画にならないですね。。)

 左「クマタカ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。サイズは48MBありますのでDL環境にご注意ください。


森の木に止まるクマタカ

 初めて清川村で出会った時のクマタカです。距離はおそらく数百メートルあったと思います。肉眼だと白い点でした。絵はもちろん破綻しないレベルでトリミング・拡大しています。ファインダーの中では小さいながらも白い姿が目立って、大きなタカであることはわかりました。いつかじっくりと狙って、顔の表情がはっきりと分かるくらいに大きな姿で見てみたいです。(なかなか出会いも根性もなく未だ実現していません)

 左「森の木に止まるクマタカ」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


クマタカの飛翔 その1

 クマタカの飛翔を見ると、なんといっても翼の幅が太いことに驚かされます。森で動物を狩りするときに追跡の中で急ブレーキ、急旋回が利くようになっているのだろうと思います。
 当日は清川村で初春の小鳥を探して、山の奥深いところに入っておりましたところ、たまたま頭上を舞うクマタカに気づき、慌ててレンズを向けて撮ったと記憶しています。小鳥を探していると中々頭の上を見ないので、クマに気づけてとてもラッキーでした。空が曇っていたことは残念でしたが、まずは出会いに感謝の次第。

 左「クマタカの飛翔 その1」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


クマタカの飛翔 その2

 長野へは毎年9月に秋のタカの渡りを観察しに出かけています。この時期見られるタカ類はほぼサシバとハチクマです。ところが今回はたまたまクマタカがやってきてくれて、思いもよらず青空の下でクマタカの飛翔絵が撮れました。三度目の観察で初めての超ラッキーな瞬間でした。クマタカは雌雄同色で、相当見慣れないと雌雄の判別は難しいとのこと。この鳥ははたして ♂ ♀ どちらなのでしょうか。いつかはささっと分かるようにもっと出会いを増やさなければ。また来年も来よう。

 左「クマタカの飛翔 その2」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。


観察データ

場所と回数:神奈川県清川村 2、長野県松本市 1、都合3回。低山から亜高山まで、深山にいる留鳥です。絵には残せていませんが、山梨県などでも見ていますし、福山の山の中でアオバトがやられていた犯人は、どうやら当地に居着いたクマタカだったようで、思えば各地に結構いるように思います。しかし全般的には人気のない山奥に行かなければ出会えないことと、行動範囲が広いのでいつも同じ場所で見られるとも限らず、個体数も非常に少ないので観察のチャンスはとても少ないタカだと思います。

観察月と回数:
1月0
2月0
3月0
4月1 〇
5月0
6月0
7月0
8月0
9月1 〇
10月0
11月0
12月1 〇
留鳥なので年中見られます。

 
 (トップ画像 クマタカ 2020/9/19 D500 500mm/F4.0 長野県松本市にて撮影)

 初出:2020/9/22
 改訂:2020/9/2 文章の見直し、修正
 改訂:2020/12/4 文章の見直し、修正
 改定:2021/7/29 タカ科へのリンクを追加