キョウジョシギ 京女鷸
Kyoujoshigi
Arenaria interpres
Ruddy Turnstone

キョウジョシギ チドリ目シギ科
 白黒茶のコントラストが美しい
 石や貝殻を転がす風変わりなシギ

   

キョウジョシギについて



 キョウジョシギは、福山時代のGWに、近くの干潟で観察したのが最初の出会いです。ハマシギやキアシシギ、チュウシャクシギと一緒にいたので、他のシギよりくちばしが短い分目立って見えました。体の大きさは25cmくらいなので、ソリハシシギと同程度、またハマシギよりは少し大きいくらい。ただキョウジョシギはクチバシが短い分、全長が同じ程度であれば身体は他より一回り大きく見えます。
 前述のとおりキョウジョシギはシギの中でもくちばしが最も短い部類で、ぱっと見シギらしくありません。ではチドリのようかというと、割と短足さんなためチドリにも見えません。
 体形も特徴的ですが、シギでは珍しく羽根模様が大きくて、顔などは歌舞伎の隈取風になっています。身体も白黒茶色のコントラストがはっきりしていて、足も鮮やかな朱色をしているため、シギの中ではかなり派手な姿を持つ種だと思います。このような羽根模様を女性の艶やかな着物姿になぞらえて、「京女鴫」という名が付いたと言われています。






「キョウジョシギ 夏羽」 クリックで拡大します。

キョウジョシギ 夏羽

千葉県九十九里浜
1024×682 px
2021/04/30
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3


 九十九里浜の突堤回りにいたキョウジョシギです。このときは4羽の小群れでいました。私は過去に7度キョウジョシギの観察記録がありますので、キョウジョシ=珍しいシギという印象はありません。一方で、一度に見た観察数はこの4羽が最多です。なので出会いの回数の割りには数の印象が薄く、「遭ったらちょっと嬉しい!」的な印象があります。
 



「キョウジョシギ 夏羽 着地」 クリックで拡大します。

キョウジョシギ 夏羽 着地

千葉県九十九里浜
1024×682 px
2021/04/30
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3


 渡りをする鳥だけあって、広げた翼は想像以上に大きくて立派です。
 



「キョウジョシギ 貝転がし」 クリックで拡大します。

キョウジョシギ 貝転がし

千葉県東京湾
1024×682 px
2017/04/22
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3


 キョウジョシギは英語の名前にTurnstoneとあるように、浜辺の石や貝殻などをクチバシでひっくり返してエサを探す習性があります。このような習性を持つシギ類は他に記憶がありません。
 



「キョウジョシギ 飛翔」 クリックで拡大します。

キョウジョシギ 飛翔

千葉県九十九里浜
1024×682 px
2018/05/05
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR


 九十九里浜でコアジサシを観察していたら、思いもよらずキョウジョシギが目の前を通り過ぎました。思ったより翼が長くて、飛翔姿は普通にシギチのものでした。飛んでいてもすぐに「キョウジョシギだ!」と分かるところが、この鳥の姿の派手さを表していると思います。
 



「キョウジョシギ 冬羽」 クリックで拡大します。

キョウジョシギ 冬羽

千葉県東京湾
1024×682 px
2020/10/03
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR


 キョウジョシギ冬羽の観察記録はないと思っていたら、過去記録の見直しでそれらしい姿が写っているのを見つけました。記録は見返しすればするほど、過去に気づくことができていなかったり、新しい見方で新たな発見が出てきたりして面白いですね。HDDにデータが増えるばかり(しかもゴミ写真が大半)で断捨離も必要と思いつつ、こういう嬉しい驚きが見つかったりするので中々古い記録が捨てられない私です。
 




観察データ

場所と回数:佐賀県1、広島県1、神奈川県1、千葉4、都合7。各地の護岸、磯、干潟で見られます。波打ち際に潜む甲殻類などをエサにしているようです。

観察月と回数:
1月0
2月0
3月0
4月3 〇〇〇
5月2 〇〇
6月0
7月0
8月1 〇
9月0
10月1 〇
11月0
12月0
計7回
旅鳥です。私の場合、GW前後の観察が多くなっています。必然的に夏羽の観察が多く、カラフルな姿のイメージが強いです。



(トップ画像 キョウジョシギ 2021/04/30 D500 500mm/F4 + x1.4テレコン 千葉県九十九里浜)

 初出:2017/4/30
 改定:2021/05/02 動画を更新、九十九里浜の静止画と観察データを追加
 全面改訂:2024/04/03 全面書き直し
 改定:2024/04/20 冬羽姿を追加