オオルリ 大瑠璃
Ooruri
Cyanoptila cyanomelana
Blue-and-White Flycatcher

オオルリ スズメ目ヒタキ科オオルリ属
 夏の青い鳥 日本三大鳴鳥

   

大阪北摂箕面の滝での出会い、山野峡での再会


オオルリ♂ 箕面にて

 2011年のGWのこと、長男の下宿の引越し手伝いで大阪に出かけた際、早朝の空き時間を利用して箕面の滝の上流を鳥見がてら散策してみました。たまたま運よく、初見のオオルリが元気良く囀っている場面に出会いまして、新緑の中に輝く濃い瑠璃色を写真に収めることができました。この時、私のすぐ隣で同じオオルリをビデオに収められている方がおられたのですが、当時静止画機材しか持ち合わせていなかった私は、せっかくの鳴き声をかき消すかのごとくシャッターをカシャカシャ言わすばかりとなり、次第に隣で静かにビデオを回される方に対して何とも申し訳ないような気分になりました。そしてまた、周囲に澄み渡って響くオオルリの鳴き声に聞き惚れるうち、「自分もいつか、この姿、この鳴き声を動画に切り取ってみたい」と強く思うようになりました。

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オオルリ 囀りの動画

 オオルリの歌声に惚れて以降、たくさんのオオルリのビデオを撮ってきました。先に紹介した通り、箕面の森でさえずるオオルリに出会ったことで、私自身その後野鳥動画に向かうようになったこともあって思い入れも強く、オオルリ動画のストックは他と比べてもトップクラスに多い方です。
 元気の良いさえずりをするもの。しっとりとした歌声を聞かせてくれるもの。広島でも神奈川でもオオルリはオオルリなのですが、出会う旅に皆個性的なさえずりを聞かせてくれます。当初は「場所による違いがあるのかな?」と思ったりもしましたが、色々な場所で聞いてみると、場所というより単に個体差であるようです。
 最初の青空バックの場面は、神奈川県の宮ケ瀬周辺でGWに撮ったもの。続いての青葉をバックにした元気の良いさえずりは広島県府中市で6月に撮影。川の流れとカエルの合唱がにぎやかしいのは6月に福山市で撮ったもの。水浴び場面は6月の山中湖、羽繕いは5月の河口湖、最後のせみ時雨がBGMの♀は8月末に福山市で撮ったものです。
 なお水浴びから羽繕いのバックで流しているさえずりは、6月に福山市で撮った記録の音声のみを重ねてあります。

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オオルリ♂ 富士山周辺にて

 2020年、春から初夏にかけてはコロナ禍で県外外出自粛があって、しばらく鳥見は自宅周辺でしかできませんでした。6月になってやっと自粛も終わりましたので、さっそく週末に富士山へ出かけることとしました。朝3時に起きて現地には6時過ぎに到着。小鳥の集まる水飲み場で、あわよくばクロツグミが来てくれないかと、イスをセットして気長に待ちます。木陰の水飲み場なので、カメラも相当の高感度にセットしなければならないくらいに暗い環境です。朝の間はやってくる小鳥たちも遠目の裸眼では何が来たのか判別しにくい。しかし、こういうときこそオオルリの羽は瑠璃の輝きを増すのですから不思議です。気温も15℃前後で少し寒いくらいでしたが、オオルリはじめたくさんの小鳥との出会いが楽しめました。さて念願のクロツグミは? 確かに鳴いていましたね! 次回が楽しみです!!

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オオルリ♀ 福山市山野峡にて

 山野峡で川沿いを散歩していますと、コサメビタキのように舞いながら飛ぶ小鳥が見えました。地味だしコサメさんかなと思って撮ってみると、少し色目が違います。キビタキの♀とも違うようです。お腹のグラデーション具合がオオルリ♂と似ているのが決め手となりました。暗いところにいるので、シャッター速度が上がらず、D200では我慢できる上限を超えたISO1600での記録となりました。ちょっとノイジーですが、他に♀の写真が無いので置いておくこととしました。

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オオルリ♂若 富士山周辺にて

 会社の夏休みに富士山周辺にでかけました。夏でも涼しい水飲み場に陣取って小鳥の登場を待っていたところ、オオルリのお子様がやってきました。身体は青いですが頭はグレーです。今年生まれた若鳥かな。しかしその割にはしっかりした顔をしています。全身が青くなるには2~3年かかるとかきくので昨年生まれた若さんなのでしょうか。ここで生まれて冬に南の島へ行き、今年は生まれ故郷に帰って来たのだとすれば、こんなに小さな小鳥なのに地図もナビも持たずに世界を回ってきて凄いなあなどとちょっと感動です。

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観察データ

場所と回数:広島県12、岡山県1、大阪府2、長野県1、静岡県2、山梨県7、神奈川県3、新潟県1、都合28。亜高山でも見かけますが、基本、低山に多い小鳥です。虫をエサにするいわゆるフライキャッチャーなので、山間の渓流沿いなど湿気っぽいところを探しましょう。例えば、渓流沿いに走る歩道などを散策して耳をすませば、結構な確率で見つけることができると思います。ただ川沿いだとさえずりの声以上に川の流れやカエルの声が入ってくるので、純粋にさえずりを楽しみたい場合は、渓流の谷から100m程度は高い場所で探すのがよいと思います。

観察月と回数:
1月0
2月0
3月0
4月3  〇〇〇
5月10 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
6月7  〇〇〇〇〇〇〇
7月5  〇〇〇〇〇
8月4  〇〇〇〇
9月0
10月0
11月0
12月0
都合29回
 夏鳥です。私の場合、4月中旬~8月一杯の記録があります。さえずりを楽しむなら6月までがベストでしょうか。この時期だとまだセミもなかないので、オオルリの声のみを捉えやすいと思います。



 私が箕面で初めてオオルリに出会ったときのエピソードのとおり、さえずり動画を撮るときに横にカメラマンやビジターがいると、シャッター音やしゃべり声を拾ってしまいます。オオルリに限らず野鳥の動画を音声入りで撮りたいときは、自分の他に人の気配がない場所で探すのが吉ですね。


 (トップ画像 オオルリ 2011/05/05 福山市にて撮影 D500 + 150-600mm / F5.6-6.3 Zoom)

 初出:2014/08/12
 改訂1:2015/06/28 動画と画像の差し替え
 改訂2:2015/07/29 画像の差し替え
 改訂3:2017/05/7 動画の差し替え
 改訂4:2020/06/21 ♂ 画像の差し替え
 改訂5:2021/05/03 動画の差し替え、観察データの追加
 改訂6:2021/08/04 ヒタキ科へのリンクを追加。観察データの更新